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特定非営利活動法人しあわせなみだ 
代表 Happy Tear 中野宏美のブログです。 
しあわせなみだの活動から、女性や福祉に対する
想いまで、色々発信しています。

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プロフィール

中野宏美さんの画像
性暴力に遭うリスクも加害者になるリスクも有するということ[2011年02月25日(Fri)]
たこの木クラブ
http://blogs.dion.ne.jp/takonoki/
が主催する講座に参加してきました。
テーマは「触法行為の触法って何?〜知的/発達障がい者と司法の関わりを改めて考える〜」
講師は関哉直人さんでした。
http://niben.jp/orcontents/lawyer/detail.php?memberno=2484

↓講座の詳細はこちらです↓
http://www.k3.dion.ne.jp/~takonoki/LOVELOG_IMG/201094N82BD82B182CC96D898A91B18Du8DC083r8389.doc

障がい者に対する差別や偏見は、まだまだたくさんのところに残っています。
そして支援はとても不足しています。
このため障がいがあることは、性暴力に遭うリスクも、そして加害者になるリスクも有します。
このことをどのように考えれば良いのか、様々な課題を突き付けられた講座でした。
・・・今回は本当にうまくまとめる自信がないのですが、書いてみます。

1.事件に至った責任は誰にあるのか
2.これ以上同じ出来事が起こらないために裁判がある

【事件に至った責任は誰にあるのか】
障がい者に対する、性暴力を始めとする事件は、なぜ起こったのか。障がいがあってもなくても同じ結果だったのか。障がいがなければ異なる結果になったのか。
障がいを有する原因は様々であり、そこに責任はありません。では障がいを有したことにより起こる様々な出来事の原因をどこに求めるのか。
ここに「支援」のあり方が問われているのではないでしょうか。

【これ以上同じ出来事が起こらないために裁判がある】
障がい者と社会のつながりは決して多くありません。さらに事件に巻き込まれたらなら、そのつながりはますます少なくなります。しかし、支援の不足が事件が起こった一因でもあることは事実です。裁判により「やれること」「やれないこと」を明確にし、これ以上同じ出来事が起こらないために何ができるかを考えていくことが求められているのではないでしょうか。

・・・やっぱり全然うまくまとめられないですね。

この講座を聞きながらずっと考えていたのは、DVに遭っていた方が加害者に対して罪を犯すことです。
DVへの差別や偏見の中で支援が不足し、社会とのつながりがなくなっていくことにより、罪を犯す。
障がい者が犯罪に遭うリスクも加害者になるリスクも有している構造と、とても良く似ています。

差別
偏見
支援の不足
どこから、何から、手をつければいいのか。
ともに考えていかれればと思います。

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*「しあわせなみだ」ウェブサイトはこちら
http://shiawasenamida.org/
*twitter nakano_hiromi
https://twitter.com/nakano_hiromi


Posted by 中野宏美 at 05:59 | 福祉:セミナー | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

能力がないのはどっち?[2011年02月16日(Wed)]
介護福祉団体のましかば
http://ameblo.jp/otagaisamasama/
が主催するセミナーに参加してきました。

講演者ならびにテーマは以下の通りです。
日本理化学工業株式会社会長 大山泰弘さん
「真の福祉と役に立って幸せになる社会のあり方」
http://www.rikagaku.co.jp/

みのりカフェオーナー 鈴木信行さん
「障がいを活かし、楽しく生きる」
http://www.minori-cafe.com/

↓当日の様子はこちらです↓
http://ameblo.jp/otagaisamasama/entry-10800412725.html

特に大山さんの講演は一度聞いてみたいと思っていたので、念願かなって!でした。

1.「障がい者が働ける環境をつくる能力」がない
2.「人の役に立つことは幸せ」を起点に考える
3.情報が人生観を変える

【「障がい者が働ける環境をつくる」能力がない】
日本理化学工業は、知的障がい者の雇用割合が7割を超える企業(障がい者の作業所、ではなく、一般の株式会社)です。そして、メインの事業であるチョークの販売量では、日本トップシェアです。また、最近開発された「キットパス」(どこにでも書けて消せるチョーク)で、第18回文具大賞機能部門グランプリを獲得しています。優れた業績を上げているのは、障がい者です。企業の対応により、障がい者は戦力となります。障がい者が働けないのは、「障がい者に」能力がない」からではなく、「障がい者が働ける環境をつくる」能力がないからです。

【「人の役に立つことは幸せ」を起点に考える】
人には「人に愛されること」「人にほめられること」「人の役にたつこと」「人から必要とされること」の4つの幸せがあるとされています。働くことは、人にほめられ、人の役に立ち、人に必要とされることです。また、障がい者の雇用が進めば、「自身の働きで生活できるだけの収入を得られる⇒社会保障負担が減る」「企業は法定雇用率未達成による障害者雇用納付金を払うことなく、利益を上げられる」等、金銭面でも社会全体にメリット=幸せをもたらし、その効果は障がい者1人あたり2億円(!)とされています。「人の役に立つことは幸せ」を起点に、様々なものを見直してみると、障がい者が障「害」ではない社会になります。

【情報が人生観を変える】
障がい者と接する場は決して多くありません。なぜなら、小学校に入る前から所属する組織が分けられ、ともに何かをする機会が与えられることがほとんどないからです。障がいを知らないことによる誤解や偏見は多々あり、正しい情報を得ることで、考え方が変わります。例えば、出生前診断で子どもに障がいがある可能性を指摘された時、障がいに対する正しい情報を得られなかったために、周りの意見に流されてやむなく中絶を選択した方もいれば、正しい情報得たことで、出産を選択した方もいます。情報は人生観までも変える力があります。

私は学生時代から障がい者と接する機会があり、いまでも仲良くしている友だちもいますが、障がい者を取り巻く環境や人に「うーん」と考えさせられることもしばしばです。
障がいを障害たらしめている環境や考えを変えることが、すべての人の幸せにつながります。
それは「しあわせなみだ」が取り組む性暴力も同じです。

性暴力に遭った方に責任があるのではなく、性暴力をゼロにする能力がない。
正しい情報を知れば、性暴力に対する誤解や偏見がなくなる。

すべての人の幸せは、同じところにあります。

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*「しあわせなみだ」ウェブサイトはこちら
http://shiawasenamida.org/
*twitter nakano_hiromi
https://twitter.com/nakano_hiromi

Posted by 中野宏美 at 05:44 | 福祉:セミナー | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

子どもが欲しいと思える社会[2010年11月02日(Tue)]
★「みんなの夢アワード」エントリーしました!応援してください!★
https://blog.canpan.info/nakanohiromi/archive/422

★「犯罪被害者等基本計画(案)・骨子」への
意見提出、「しあわせなみだ」からの投稿を希望される方の
〆切は今日までです!ご協力をお願いします★ 
↓詳細はこちら↓
https://blog.canpan.info/nakanohiromi/archive/419

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昨日のブログ
https://blog.canpan.info/nakanohiromi/archive/427
で11月が子どもへの暴力防止月間であることをお伝えしましたが、先日子どもに関するシンポジウムに参加してきましたので、報告します。

テーマは「子どもが輝く心豊かな社会をめざして〜子ども・子育て新システムで実現するの?!〜」
政府が提案しようとしている「子ども・子育て新システム」
http://www8.cao.go.jp/shoushi/10motto/08kosodate/index.html
についての意見提案でした。

主催は日本子育て応援団
http://nippon-kosodate.jp/
プログラムならびに登壇者は以下の通りでした。

☆第一部 子どもが輝く心豊かな社会とは?
勝間和代が考える企業や社会に向けた提案 勝間和代さん
http://kazuyomugi.cocolog-nifty.com/

☆第二部 パネルディスカッション〜新システム勉強会全国ツアーで示された課題報告〜
【コーディネーター】
堀田力さん
http://www.t-hotta.net/
【パネリスト】
岡本聡子さん NPO法人ふらっとスペース金剛 代表理事
http://www.furatto.com/
木村裕香さん 株式会社NTTドコモ人事部ダイバーシティ推進室長
http://www.nttdocomo.co.jp/ 
駒村康平さん 慶応大学経済学部教授
http://seminar.econ.keio.ac.jp/komamura/
中島圭子さん 日本労働組合総連合会(連合)総合政策局長
http://www.jtuc-rengo.or.jp/
榊原智子さん 読売新聞東京本社 生活情報部 記者
http://info.yomiuri.co.jp/
山田正人さん 横浜市副市長
http://www.city.yokohama.lg.jp/front/welcome.html

☆まとめ  樋口恵子さん
http://www7.ocn.ne.jp/~wabas/

↓シンポジウムの詳細はこちらです↓
http://www.nippon-kosodate.jp/topics/topics.cgi?ID=00112

安心して子育て出来る環境を整備することが、「しあわせなみだ」が関わる子どもへの性暴力のない社会につながります。
どうすれば子どもも親も輝く社会になるのか、様々な示唆を受けることができました。

1.子どもが欲しいと思える社会が子どもが輝ける社会
2.子どもが主語の施策
3.悩みを1人で抱え込まない

【子どもが欲しいと思える社会が子どもが輝ける社会】
今の社会、本当に「子どもが欲しい」と思える社会でしょうか。思えない理由としては、「経済的な理由」ももちろんありますが、それ以上に「社会全体が子育てを応援する風土」「子どもを安全・安心に育てられる環境」といった、「親子をとりまく状況」も、大きな影響を及ぼしているのではないでしょうか。例えば「子どもへの性暴力」の存在は、「子育ての安心」を脅かすものです。こうしたこと一つひとつを取り除いていくこと、元気いっぱいの子どもが外で遊びまわる姿があちこちで見られることが、「子どもが欲しい」と感じられる社会に近づくことです。

【子どもが主語の施策】
子どもが輝ける社会。それは子どもを主語にして考えられるべきです。子どもは大人の所有物ではなく、人権を有する素晴らしい存在です。子どもの施策は、「大人のため」ではなく、「子どものため」につくられることが、子どもの人権の尊重です。例えば海外では、土地の活用方法について、子どもに意見を聴く場を設けるくらい、子どもが政治の場に参加することが当たり前になっています。障がいを持った子ども、外国人の子ども、あらゆる子どもの声、心の声を可視化し、そこに必要な施策や財源を投入すること。そのためには私たち大人が「信頼できる」存在となることが求められています。

【悩みを1人で抱え込まない】
これほど少子化が進んでいるにもかかわらず、保育園に入れない子どもは、2010年3月末時点で26,275人にも上ります。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000nvsj.html
また児童相談所に寄せられた子ども虐待の相談件数は、2009年度は44,210件、過去最高となっています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000g6nl.html
親が1人で悩んでいることは、実は個人の課題ではなく、社会全体の課題です。だからこそ、1人で悩み抱え込まないこと、つながりを持つことが、親にとっても、そしてなにより子どもにとっても、とても大切です。子育てしやすい環境は、私たち1人ひとりが作り出します。

「子どもを欲しい」と思えない背景には、「子育て世代の非正規雇用の増加」「長時間労働により子育てに時間が割けない」など、様々な要因が複雑にからみあっています。
こうした状況を批判することは簡単です。
でもそれでは何も変わりません。
あるものの中から知恵を出し、創意工夫でできるところから取り組んでいくことが、社会の課題を解決する大きな一歩になります。
「しあわせなみだ」も、子どもへの性暴力がゼロの社会を実現するために、できることに取り組んでいきたいと思います。

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*「しあわせなみだ」ウェブサイトはこちら
http://shiawasenamida.org/
*twitter nakano_hiromi
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Posted by 中野宏美 at 05:29 | 福祉:セミナー | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

【3/27】「困難を抱える子どもの権利擁護」講演会[2010年02月08日(Mon)]
社団法人東京社会福祉士会
http://www.tokyo-csw.org/
が主催する講演会をご紹介します。

【日時】2010年3月27日(土)13:45-15:45
【場所】東医健保会館 大ホール
http://www.gakusai.co.jp/map/map12.htm
【テーマ】困難を抱える子どもの権利擁護〜子どもは大人のパートナー〜
【講演者】坪井節子氏

↓詳細ならびにお申込はこちらから↓
http://www.tokyo-csw.org/comittee/kenriyogo_2010_0201b.html

坪井氏は、東京弁護士会の人権救済センターの相談員として、また少年事件の付添人として、学校でのいじめ、体罰、家庭での虐待、少年犯罪、児童養護施設内の子どもの問題などで苦しむ多くの子どもたちに出会ってきました。
また日本で初めての子どもシェルター「カリヨン子どもの家」
http://www.h7.dion.ne.jp/~carillon/
を作り、その後自立援助ホームを立ち上げたなかで、親子関係の難しい家庭にも多く向き合っていらっしゃいます。

子どもシェルターは、親と暮らせなくなり、家を出ざるをえなくなった子どもたちが暮らす場です。
性暴力被害ゼロネットワーク「しあわせなみだ」が関わる性暴力被害に、親から遭い、逃げてきた子どもたちもいます。
本来安心できるはずの場である「家庭」「家族」が、身の危険を感じる場、人間関係になってしまっているのです。

あなたが困難を抱える子どもの声に耳を傾けてくれたら、とても嬉しいです。
 

Posted by 中野宏美 at 12:45 | 福祉:セミナー | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

問題は個人の資質・能力でなく社会のルールにある[2009年12月18日(Fri)]
マザーフェスタ
http://www.motherfesta.com
が主催するシンポジウムに参加してきました。

テーマは「シングルマザー&子どもの貧困」
シンポジストは小山訓久氏(マザーフェスタ 代表)でした。

↓シンポジウム報告はこちらです↓
http://ameblo.jp/motherfesta/entry-10411009005.html

性暴力被害ゼロネットワーク「しあわせなみだ」は、性暴力被害ゼロを目指して活動をしていますが、今回のシンポジウムのテーマであるシングルマザーは、夫からの性暴力を含めたDV(ドメスティック・バイオレンス 近しい人からの暴力)によって、夫と別れざるをえなくなった方が多くいます。
そして母親とともに、子どもも、暴力を受けていることが多々あります。
シングルマザー、そして子どもを取り巻く環境の深刻さについて、多くの学びがありました。

1.シングルマザーへの厳しい眼差し
2.問題は個人の資質・能力でなく社会のルールにある

【1.シングルマザーへの厳しい眼差し】
シングルマザーに対して、社会の眼は決してあたたかくはありません。「自分で勝手に離婚したのだから、貧困なのは自己責任」「子どものためにもっと頑張るべき」さらには「金がないなら体を売ればいい」という考えも、根強く残っています。しかし、シングルマザーとなった背景には、夫からの暴力など、別れざるをえない理由があります。また日本では、男女の賃金格差が大きく、2008年時点で、男性を100とした場合、女性は69に過ぎません。(賃金格差の詳細は、ちょっと古いのですが、こちらに詳しく出ています→http://www.mhlw.go.jp/general/seido/koyou/chinginkakusa/index.html)「自己責任とは言い切れない理由」で夫と別れ、「一生懸命頑張っても男性並みの賃金を得ることができない」環境にあるにも関わらず、世間一般からの誤った理解が、シングルマザーをますます孤立させています。

【2.問題は個人の資質・能力でなく社会のルールにある】
2009年11月に厚生労働省から出された報告では、日本の単親世帯の相対的貧困率は、54.3%でした。(調査結果はこちらに出ています→http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000002icn.html)単親世帯の大半は、「母親と子ども」で構成されています。シングルマザーは、男女の賃金格差に加え、子どもを育てながら働かねばならないため、就業条件が悪くなり、高収入の安定した仕事に就くことは難しい状況です。つまり「シングルマザー個人の資質・能力」に問題があるからではなく、「社会のルール」がシングルマザーにとっては大変厳しいものであるため、生活に困窮しているのです。

シングルマザーを取り巻く環境や社会のルールには、性暴力被害を引き起こす環境や社会のルールと共通している点が多々あります。
「性別」「年齢」「経済力」「体力」等の「違い」が、「差別」となり、「人権抑圧」の要素となっていることが問題です。
正しい事実を世間に広げていくことが大切であり、「しあわせなみだ」が少しでも多くの情報源となれるよう、ウェブサイトを充実させていきたいと思います。

Posted by 中野宏美 at 08:35 | 福祉:セミナー | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

暴力に関心を持つ責任[2009年11月05日(Thu)]
11月4日のブログ
https://blog.canpan.info/nakanohiromi/archive/195
で「オレンジリボン運動」を紹介しましたが、それに関連する勉強会に参加してきました。

主催は立法ネットワーク。
テーマは「社会的養護の貧困−子どもの貧困白書から」
パネリストは次の2名でした。

宮原亜弥氏(児童養護施設 生長の家神の国寮)
http://www.m-net.ne.jp/~seijigyo/
高橋亜美氏(自立援助ホームあすなろ荘)
http://www.fukunavi.or.jp/fukunavi/controller?cmd=lst_dt&actionID=jgytik&SVCSBR_CD=042&JGY_CD=1322100234&ROW=0&JGY_CD1=&JGY_CD2=&JGY_CD3=&JGY_CD4=&JGY_CD5=&HYK_FL=0&HYK_FLG=

児童養護施設とは、環境上、養護を要する(家庭環境が悪く、家庭での生活が困難)」と児童相談所長が判断した児童を養育する、児童福祉施設です。つまり、何らかの理由で「親と一緒に暮らせない」子どもたちが生活している施設です。
自立援助ホームは、何らかの理由で「家庭にいられなく」なり、働かざるをえなくなった青少年達に、暮らしの場を与える施設です。
今、日本では、3万人を超える子どもが、児童養護施設で生活しています。

「親と一緒に暮らせない」そして「家庭にいられなく」なる理由は様々なですが、一般的にイメージされている「両親が亡くなった」という子どもはほとんどいません。
親からの虐待が大半を占めています。
虐待の中には、性暴力被害ゼロネットワーク「しあわせなみだ」が関わる性暴力被害も、もちろん含まれています。

児童養護施設は、私が社会福祉士の資格実習でお世話になった場でもあります。
幼くして心に深い傷を負った子どもたちに対して、私たち大人はなにができるのだろう・・・という想いで、参加しました。

1.当たり前のことが当たり前にできる環境で、時間をかけて自分の状況を理解する
2.信頼できる大人との関係の中で、自分は悪くないことを知る

【1.当たり前のことが当たり前にできる環境で、時間をかけて自分の状況を理解する】
子どもたちは、「安心できる場」「清潔な環境」「1日3食」「助けを求められる大人」といった、本来子どもとして当たり前にある環境を知らずに育ちました。このため、自分で自分を守るための「生きるすべ」として、「人との距離間が近すぎる、もしくは遠すぎる」「非行」「無気力」といった行動を取ります。当たり前のことが当たり前にできる環境で、「なぜ自分がそうした行動を取るのか」を少しずつ理解し、自分の過去、そして今を受け入れていくことが、本当の自分を取り戻すことにつながります。

【2.信頼できる大人との関係の中で、自分は悪くないことを知る】
子どもたちは、親と離れて暮らすことになった原因を「自分が悪い」と思い込んでいます。大人の言動を受け止めきれない自分を責めてしまうのです。しかし悪いのは、子どもを自分の都合で振り回してきた大人たちです。自分の新しい居場所で、信頼できる大人との関係を築いていく中で、子ども自身は悪くないことを認めていくことが、自信の回復をもたらします。

「しあわせなみだ」が関わる性暴力被害に遭われた方にとっても、次のことがとても大切です。

【1.当たり前のことが当たり前にできる環境で、時間をかけて自分の状況を理解する】
特にDV(ドメスティック・バイオレンス 親しい人からの暴力)の場合は、日常生活の中で暴力が繰り返されます。これは「当たり前のことが当たり前にできない環境」です。暴力のない、安心できる場で、暴力に遭った自分の状況を理解することが、本来の自分を取り戻すきっかけになります。

【2.信頼できる人との関係の中で、自分は悪くないことを知る】
性暴力は、人への信頼を失わせる行為です。性というプライベートの部分を侵害されることで、加害者だけでなく、自分の周りにいてくれる人に対する信頼も、ゆらぎます。身近な人、支援者といった、信頼できる人を少しずつでも見つけていくことで、人間関係を再構築していくことができるのです。またそれは、「性暴力被害の責任はすべて加害者にあり、被害者はけっして悪くない」という、自分への自信の回復につながります。

私たちは、社会で起きている暴力に関心を持つ責任がある、と強く感じました。
なぜなら、性別、年齢、国籍、宗教、経済力、体力・・・などいったことに関わらず、すべての人の人権は、尊重されなければならないからです。
性暴力、虐待といったことは、人権侵害であり、あってはならない行為です。
関心を持つ人が増えることが、暴力ゼロにつながります。
あなたが関心を持ってくれたら、とても嬉しいです。

Posted by 中野宏美 at 07:30 | 福祉:セミナー | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

社会の「雰囲気」を高め、日本独自の福祉のカタチをつくる[2009年10月29日(Thu)]
社団法人東京青年会議所
http://www.tokyo-jc.or.jp/2009/
が主催する例会に参加してきました。

テーマは「福祉って何?」
講師は以下の方でした。

・安藤哲也氏(NPO法人ファザーリングジャパン 代表)
http://www.fathering.jp/
・佐藤ゆかり氏(前衆議院議員)
http://www.y-sato.org/
・樋口了一氏(シンガーソングライター)(ビデオ出演)
http://r-higuchi.com/

↓例会の詳細はこちらです↓
http://www.tokyo-jc.or.jp/2009/reikai10/index.html

私は学生時代に社会福祉を専攻していました。
性暴力被害ゼロネットワーク「しあわせなみだ」が関わる性暴力被害に対して、福祉は、そして私自身が、何もできなかった、してこなかった、という思いがあります。

↓「しあわせなみだ」活動のきっかけはこちらです↓
http://ameblo.jp/nakanohiromi/entry-10203055341.html
↓福祉に対する思いはこちらです↓
http://ameblo.jp/nakanohiromi/entry-10203035393.html

社会福祉は性暴力被害をはじめとする、人々が抱える問題に、どう関わっていけばいいのだろうか・・・ということを改めて考えることのできた例会でした。

1.日本独自の福祉のカタチがある
2.社会の「雰囲気」を高めていく重要性

【1.日本独自の福祉のカタチがある】
日本には「自助」「公助」だけでなく「共助」という独特の助け合いの仕組みを築いてきた国民性があります。「地域」「企業」といった「共助」が、「家族」という「自助」や、「行政」という「公助」と、いかにつながり、個々を支える環境をつくっていくか、それが日本独自の福祉のカタチになります。

【2.社会の「雰囲気」を高めていく重要性】
社会福祉には、資本主義を補完する役割(資本主義の仕組みの中で必ず生まれてしまう弱い存在を支える)があります。そして助け合いの関係は、黙っていれば与えられるものではありません。ボトムアップにより、意識を高めていくことが求められます。

これらは性暴力被害がまさに考えていかねばならない課題でもあります。

【日本独自の性暴力被害支援のカタチがある】
性暴力被害に遭われた方を支援する上で、日本社会が持つ「性」そして「生」に対する考え方を、考慮しなければなりません。性は、プライベートなことであると同時に、世間に誤った情報が氾濫しているという、正反対の側面を持っています。これが被害に遭われた方への差別や偏見をもたらしています。こうした背景を踏まえた上で、心の傷を乗り越える支援を考えていくことが必要です。

【性暴力被害ゼロへの「雰囲気」を高めていく】
性暴力被害に遭われた方をどんなに支援しても、性暴力はなくなりません。性に暴力を振るう人をゼロにしなければ、被害はゼロにならないのです。そのためには、性暴力被害ゼロに関心を持つ人を増やし、性暴力を許さない風土を醸成することが求められます。

「しあわせなみだ」がこうしたことに少しでも貢献できたら・・・と思います。

ちなみに東京青年会議所11月の例会は「市民全てのノブリス・オブリージ〜自分なりの社会貢献第一歩〜」をテーマに、
・緒方貞子氏(元国連難民高等弁務官/現国際協力機構理事長)
・中田 宏氏(元横浜市長)
が講師を務めます。
↓例会の詳細はこちらです↓
http://www.tokyo-jc.or.jp/2009/reikai11/index.html

「ボランティアをしてみたいけど、なかなかできない・・・」「自分なりの社会貢献を考えてみたい」という方にオススメです!

Posted by 中野宏美 at 08:15 | 福祉:セミナー | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

問題を顕在化させる[2009年10月20日(Tue)]
子どもHAPPY化計画
http://www.kodomohappy.com/
が主催する勉強会に参加してきました。

テーマは「児童養護施設から考える子どもの貧困」
報告者は3keys 代表 森山誉恵氏でした。
http://3kes.blog.so-net.ne.jp/

↓勉強会の詳細はこちらです↓
http://www.kodomohappy.com/events/index.html#event_happy_study_2

児童養護施設とは、親と一緒に暮らせない子どもたちが暮らす施設です。
3kyesは児童養護施設に学習ボランティアの派遣を手がけています。

児童養護施設には、現在、約3万人の子どもたちがいます。
しかし、その施設の存在や、子どもたちのことは、あまり知られていません。

性暴力被害ゼロネットワーク「しあわせなみだ」が関わる性暴力被害も、その実態や正しい情報は、あまり知られていません。
勉強会の内容はもちろんですが、「問題を顕在化させる」という観点でも、多くの気づきがありました。

<なぜ児童養護施設の問題は顕在化しないのか>

【1.子どもを癒すことを目的としているので、調査しづらい】
・子どもが施設で暮らす理由は様々ですが、共通しているのは、その理由によって、何らかの心の傷を負っている、ということです。施設での生活の中で、心の傷を癒していくことが、施設を出た後自分で生活していく力になります。子どもたちの実態を把握するための調査は、場合によっては心の傷を深くする要因にもなります。このため、調査が難しく、実態を明らかにしづらいという実情があります。

【2.少子化で子どもが減っている中で、児童養護施設で過ごす子どもはごく一部なので、調査対象になりづらい】
子どもの数が減っている日本では、子どもに対する予算も削減されてしまいがちです(政権交代により、少しずつ変化が見えつつありますが)。そうした中で、本当に数少ない存在である児童養護施設の子どもたちに対するデータを集める理由付けは難しく、調査対象にすらならない現状があります。

【3.子ども自身が、施設で育ったことを他人に話したがらない】
残念ながら日本には、施設で生活することに対する偏見や差別が残っています。このため、施設で育った子どもはコンプレックスを抱き、施設での生活を隠すこともあります。それが問題の潜在化にもつながっています。

性暴力被害を取り巻く状況も、似ているところがあります。

【1.性暴力被害に遭われた方が、心の傷を乗り越えることが一番大切である】
【2.性暴力被害は調査対象になりづらい】
【3.性暴力被害に遭ったことは、他人に話しづらい】

・性暴力被害は、心に大きな傷を残します。再び自分に自信を持てるようになるまでには、とても長い時間がかかります。性暴力の実態を把握しようとすることは、被害を思い出すことにもなり、人によっては回復を遅らせる要因にもなりえます。
・日本では、性暴力被害に関する正しい情報が伝わっていません。これは、被害に遭われた方への差別や偏見にもつながっています。また性行為は、本来プライベートなものです。このため、被害に遭ったことを、警察に届けることすら困難であり、他人に話すことは、とても難しいのです。

「しあわせなみだ」が目指しているのは、性暴力被害の実態を1人でも多くの人に知ってもらうことで、関心を持つ人を増やし、性暴力を許さない風土を醸成することです。
ただ、情報の発信が、被害に遭われた方の心の傷を深めることにつながらないことを、常に念頭に置かねばなりません。
このバランスをうまく取ることが必要であると、改めて感じました。

Posted by 中野宏美 at 08:20 | 福祉:セミナー | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

本人に起こったことと社会が引き起こしていることを分けて考える[2009年09月04日(Fri)]
【「犯罪被害者等基本計画」の見直しに向けた要望を提出します】
性性暴力被害ゼロネットワーク「しあわせなみだ」では、性暴力被害に遭われた方が、幸せで健康な生活を過ごせることを目指して、「犯罪被害者等基本計画」の見直しに向けた要望を提出します要望を提出することにしました。
↓詳細はこちらをご覧ください↓
https://blog.canpan.info/nakanohiromi/archive/142
================================================

東京財団仮想制度研究所(VCASI)
http://www.vcasi.org/
が主催する公開研究会に参加してきました。

テーマは「障害の社会モデルのリハビリテーション」
発表者は以下の皆さんでした。
・川越敏司氏(公立はこだて未来大学、VCASIフェロー)
http://www.fun.ac.jp/~kawagoe/index-j.html
・川島聡氏(東京大学大学院経済学研究科)
http://www.e.u-tokyo.ac.jp/~stskwsm/index.html
・倉本智明氏(東京大学大学院経済学研究科)
http://www.arsvi.com/w/kt01.htm
・星加良司氏(東京大学先端科学技術研究センター)
http://www.arsvi.com/w/hr01.htm

↓研究会の詳細はこちらです↓
http://www.vcasi.org/node/505

東京財団の「インクルーシブな社会を目指した障害者政策の構築」プロジェクトでは、国連「障害者の権利条約」を日本の障がい者政策に生かすための政策提言を検討しています。
今回の研究会では、障害認識の共通基盤である「障害の社会モデル」のもつ社会理論としての側面を、経済学・社会学・法学の見地から再検討することを目的としました。

学生時代から障がい者のボランティア活動等に関わっていたため関心があったことと、障がい者政策への提言の方法等を、性暴力被害ゼロに向けた政策提言に活かすことができないか・・・と考え、参加しました。
研究分野の最先端で活躍されている皆さんからの報告は、性暴力被害ゼロの活動の展開を考える上で、大きな刺激になりました。

1.本人に起こったことと社会が引き起こしていることを分けて考える
2.問題の責任のすべてを社会に持たせることはできない

【1.本人に起こったことと社会が引き起こしていることを分けて考える】
「インペアメント」=個人が持つ「障がい」という心身機能・構造の欠陥や劣位性
「ディスアビリティ」=障がいを持つことにより起こる社会生活上の不利
この2つは分けて考える必要があります。「ディスアビリティ」は社会環境や政治によってもたらされる、社会問題です。社会に問題の原因があることを明らかにすることで、「何を解決すべきか」が明確になるとともに、「悪いのは障がい者本人(私)ではない」という、自らへの否定感情を外に出すことができます。

【2.問題の責任のすべてを社会に持たせることはできない】
社会に問題があるといっても、すべての責任を社会が負う、というところまでは言えません。「ディスアビリティ」は、人々に、障がい者に対する間違った認識を持たせたことから生まれていますが、その責任を問うことはできません(誰に問うのか?という話になる)。社会が障がい者にどのような不利益をもたらしているか、それをいかに軽減するのかを考えることで、世界をよりよい状態にしていく働きかけが求められます。

性暴力被害ゼロネットワーク「しあわせなみだ」の活動に置き換えて考えてみました。

【本人に起こったことと社会が引き起こしていることを分けて考える】
・性暴力被害が被害に遭われた方にもたらす傷と、被害に遭ったことにより起こる社会生活上の不利は、個別のアプローチで解決していく必要があります。被害に遭われた方に対しては、傷を乗り越える方法を提供していくことがとても大切です。一方で、性暴力被害に関しては、正しい情報を知る機会がほとんどないこともあり、多くの差別や偏見を生み出しています。「セカンドレイプ」とも呼ばれる二次被害(被害後の周りの人たちの対応で心の傷を深める)も、性暴力被害に対する誤った理解が原因です。この問題を解消するために、正しい情報提供を進め、理解を広げていくことが必要です。また、ここを明確にすることで、被害に遭われた方が「悪いのは私ではない」という、自らへの自信を取り戻すきっかけにもなります。

【問題の責任のすべてを社会に持たせることはできない】
・人々が性暴力被害に対する誤った認識を持っていることについて、その個人を責めることはできません。誤った認識が性暴力被害に遭われた方にどのような不利益をもたらしているか。それをいかに軽減するかを、被害に遭われた方、被害に遭われた方を支援している方、自治体、政府などが一緒に考えていくことが大切です。

「しあわせなみだ」にできること。
まずは立ち上げ準備を進めているウェブサイトで、より多くの方に性暴力被害を知ってもらうこと。
多くの人が集まり、信頼していただけることで、自治体や政府に働きかけていくこと。
一歩ずつ進んでいこうと思います。

Posted by 中野宏美 at 08:40 | 福祉:セミナー | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

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