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特定非営利活動法人しあわせなみだ 
代表 Happy Tear 中野宏美のブログです。 
しあわせなみだの活動から、女性や福祉に対する
想いまで、色々発信しています。

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暴力やいじめというコミュニケーションを選ぶ子ども、自死を選ぶ子ども[2010年09月17日(Fri)]
文部科学省
http://www.mext.go.jp/
は9月14日、平成21年度の「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」結果(暴力行為、いじめ、高等学校不登校等)について、報告しました。

↓報告書はこちらです↓
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/09/1297352.htm

報告書では、子どもたちの暴力やいじめ、そして自死について、悲しい数字が報告されています。

【暴力】
60,913件(小学校7,115件、中学校43,715件、高校10,083件)
【いじめ】
72,778件(小学校:34,766件、32,111件、高校5,642件、特別支援学校259件)
【自死】
165人(中学校:44人、高校121人)

暴力やいじめ、そして自死の背景には、「しあわせなみだ」が取り組む性暴力もあります。(いじめの内容として、「嫌なことや恥ずかしいこと、危険なことをされたり、させられたりする。」という項目があります)

暴力をふるわれている子ども、いじめられている子どもに責任はありません。
なぜなら、暴力をふるわれるために生まれた子ども、他人にいじめられるために生まれた子どもはいないからです。
すべての子どもは、そして大人は、暴力を受けずに生きる権利があります。

そして暴力をふるう子ども、いじめる子どもを責めることはできません。
子どもの問題の背景には、私たち大人の問題があります。
なぜなら、暴力をふるうために生まれた子ども、他人をいじめるために生まれた子どもも、いないからです。
大人が、暴力やいじめでしか、他人とコミュニケーションを取ることができない子どもを、育てているのです。

すべての子どもは、そして大人は、その生、そして性を尊重されるべき存在です。

私たち一人ひとりはとても無力で、何か特別なことができるわけではない。
でも、自分自身を大切に、そして他人を大切にする大人が増えれば、子どもにも、自分自身の大切さ、そして他人の大切さを伝えられるんじゃないかな、と思います。

今日あなたが、自分のことをこれまでよりちょっとでも好きになってくれたら、とても嬉しいです♪

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*「しあわせなみだ」ウェブサイトはこちら
http://shiawasenamida.org/
*twitter nakano_hiromi
https://twitter.com/nakano_hiromi

Posted by 中野宏美 at 06:26 | 福祉:情報 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

大阪府でコミュニティーソーシャルワーカーがDVなど生活上の困難を支援[2010年07月22日(Thu)]
7/27「越谷な夜」でプレゼンを実施!
↓詳細はこちらをご覧ください↓
http://shiawasenamida.org/m05_04/1347
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アメリカサブプライムローンに端を発した経済不況は、日本にも大きな影響をもたらしていますね。
給与カット、雇用者削減、非正規雇用増加などで、各家庭の所得額は減少しています。
厚生労働省「平成21年国民生活基礎調査」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/20-21.html
を見ても、世帯の所得額の平均は、年々減少していることが分かります。
↓「各種世帯の所得等の状況」はこちら↓
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa09/2-1.html

不況や所得の減少は、「しあわせなみだ」が取り組む性暴力を増加させると言われています。
以下のような理由が考えられています。
・家庭内では、男性が「収入を得る」役割を担えなくなり、自分の存在意義が見えづらくなる→暴力で自己の存在を示そうとする
・職場内では、性暴力に遭っても、雇用状況が厳しいため、申出や退職が難しい→性暴力を受け続けざるをえない

こうしたことから、経済的な問題を抱える家庭には、金銭的な支援だけでなく、緊急時の物的援助や見守りが必要とされています。

この状況に対応するために、大阪府社会福祉協議会は府内の老人福祉施設と連携して、2004年に社会貢献基金を設立しました。
ここでは、DV(ドメスティック・バイオレンス 親しい人による暴力)、虐待、失業などで生活上の困難を抱えた家庭を訪ね、悩みを聞き取る「コミュニティーソーシャルワーカー」を約580人養成。
厳しい事情を抱える家庭を、既存の支援制度に結び付ける役割を果たしています。

↓大阪府「コミュニティーソーシャルワーカー」紹介ページはこちらです↓
http://www.pref.osaka.jp/chiikifukushi/csw/index.html
↓府内コミュニティーソーシャルワーカー連絡先一覧はこちらです↓
http://www.pref.osaka.jp/chiikifukushi/csw/CSWrenraku.html

行政には、様々な支援制度があります。
でも、情報があちこちに分かれていたり、対象となる人や世帯の条件が少しずつ違っていたりと、「分かりづらい!」というのが正直なところですよね。
そして制度による支援を受けることへの抵抗もあります。
コミュニティーソーシャルワーカーを通じて、性暴力に遭った方をはじめ、必要な人に必要な支援が届くこと、そしてこの取り組みが全国の自治体に広がることが必要であると感じます。

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性暴力被害ゼロネットワーク「しあわせなみだ」
ウェブサイトはこちら
http://shiawasenamida.org/

Posted by 中野宏美 at 05:42 | 福祉:情報 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

親のためでなく子どものために親権が行使されるように[2010年06月22日(Tue)]
性暴力被害ゼロネットワーク「しあわせなみだ」初の講座開催!
↓詳細はこちらをご覧下さい↓
https://blog.canpan.info/nakanohiromi/archive/314

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子ども手当」の支給が開始されました。
子どもの健やかな成長のために使われることを願うばかりです。

これまでのブログで何度か、児童養護施設(親と暮らせない子どもが暮らす施設)では、子ども手当を受け取れない場合があることをお伝えしました。
2009年12月16日
https://blog.canpan.info/nakanohiromi/archive/224
2010年2月2日
https://blog.canpan.info/nakanohiromi/archive/245

原因は親権。
子どもを施設に預けている親に親権があるため、子ども手当が親に支給されるのです。

↓「民法」に規定されている親権についてはこちらです↓
http://www.geocities.jp/zenkokunet1/minpou.htm

親が子どもを施設に預ける理由は様々ですが、その1つが虐待です。
つまり虐待をしていた親が、子ども手当を受け取っています。
(最近「児童養護施設にも子ども手当相当分が支給される」という報道がありましたが、これは「親のいない子ども」と「親権を喪失した親の子ども、もしくは法的措置により強制的に施設で暮らすことになった子ども」に限定されており、半数以上の子どもは対象になりません)

虐待の中には、性暴力被害ゼロネットワーク「しあわせなみだ」が取り組む性暴力被害も含まれています。
↓児童養護施設への入所理由などが掲載された厚生労働省雇用均等・児童家庭局「児童養護施設入所児童等調査結果の概要」(平成20年2月1日現在)はこちらです↓
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jidouyougo/19/index.html

子ども手当以外にも、児童養護施設に入所している子どもの親については、「施設から子どもの引取りを強行する」「入院治療が必要なのに同意しない」「施設を退所するにあたり引越し先の賃貸借契約に同意しない」など、親権があることにより多くの問題が起こっています。

そんな中法務省が、児童虐待防止のための親権制度研究会を設立、2010年1月に報告書を公表しました。
↓報告書はこちらです↓
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji191.html

報告書では、まず、親権を「子どもの利益のために行使されるべき」であると規定しています。
また、虐待などをする親に対しては、一時期的に親権を行使できなくなる「一時的停止」を提案しています。
さらに、子どもが児童養護施設などで暮らしている場合は、親の親権よりも施設長の権利を優先させることを提案しています。

現在の民法での親権は、「親権を行う者は、子の監護及び教育をする権利を有し」とされており、どちらかというと親の権利を認める規定になっています。
また親権は「保有」「喪失」のいずれかなので、「停止」や「優先」などの概念はありません。

大人には子どもを育てる責任があります。
親のためでなく、子どものために親権が行使されること。
親から虐待される子どもがいなくなること。
子どもの権利が尊重される法整備、そして親が安心して子どもを育てることのできる環境整備が求められています。
「電車内の親子にあたたかいまなざしをむけること」「子どもを育てながら働いている同僚を応援すること」そんな小さな「できること」の積み重ねが大切なのだと思います。

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性暴力被害ゼロネットワーク「しあわせなみだ」
ウェブサイトはこちら
http://shiawasenamida.org/



Posted by 中野宏美 at 07:10 | 福祉:情報 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

親と暮らせない子どもへの「子ども手当」[2010年02月02日(Tue)]
2009年12月16日のブログ
https://blog.canpan.info/nakanohiromi/archive/224
で紹介させていただいた、児童養護施設の子どもたちへの子ども手当の支給ですが、厚生労働省の方針が出ました。

「両親がいない」ため児童養護施設などに入っている子どもに対しては、子育て施策に使う「安心こども基金」を活用して子ども手当相当額を支給することになりました。
対象となる子どもは全国で約5,000人。
10年度の子ども手当の額は中学卒業までの子ども1人当たり月1万3,000円です。
施設長や里親など、「事実上、子どもの保護者」となっている人が受け取れるようにする予定です。

↓日本経済新聞2010年2月2日の記事です↓
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20100202ATFS0101701022010.html

現在日本では約3万人の子どもが、児童養護施設で生活しています。
児童養護施設の子どもが「親と一緒に暮らせない」理由は様々ですが、一般的にイメージされている「両親が亡くなった」という子どもはほとんどいません。
親は健在、そして「親からの虐待」によって一緒に暮らせない子どもが大半を占めています。
虐待の中には、性暴力被害ゼロネットワーク「しあわせなみだ」が関わる性暴力被害も、もちろん含まれています。

今回「安全こども基金」を活用して子ども手当相当額を支給されるのは「両親がいない」子どものみとなっています。
このため、施設で生活する3万人の子どものうち5,000人しか、対象とならないのです。
残り2万5,000人の子どもについては、「子ども手当」の受け取り手は、現状では、子どもを虐待した親になる可能性があります。
理由は、一緒に住んでいなくても、親子が書類上世帯をともにしていたり、親権を親が持っているためです。
実際に「定額給付金」は、親に支払われてしまいました。
子ども手当は毎月支給されるものであり、なんとかして子どものために使われるよう、働きかけ、見届けねばならないと感じました。

なお、子ども手当は、当初は施設の子どもへの支給を想定しておらず、予算措置をしていませんでした。
これは、児童養護施設の子どもには、「措置費」という、国からのお金が支払われているためであると考えられます(「措置費」+「子ども手当」で、国からのお金が二重に支払われることになる)。
厚労省は支給事務を担う市町村に基金を使うよう協力を要請します。

「措置費」は子どもたちの「生活費」であり、親と暮らす子どもの家庭で言えば、「親の収入のうち、子どもにかけるお金」に該当します。
親と暮らす子どもの家庭が「親の収入のうち、子どもにかけるお金」+「子ども手当」になるのであれば、施設で暮らす子どもも、「措置費」+「子ども手当」となるのが当然ではないでしょうか。
こうしたところにこそ、税金を使って欲しいと思うのですが、あなたはどう思いますか。
ご意見いただければ光栄です。

そしてこのブログを読んでくれたあなたが、親と一緒に暮らすことができない子どもたちに関心を持ってくれたら、とても嬉しいです。
 

Posted by 中野宏美 at 08:25 | 福祉:情報 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

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