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特定非営利活動法人しあわせなみだ 
代表 Happy Tear 中野宏美のブログです。 
しあわせなみだの活動から、女性や福祉に対する
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性感染症という名の性暴力が減らない[2011年09月30日(Fri)]
10/29「東日本大震災 私たちだからできること」開催!

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厚生労働省のエイズ動向委員会では、エイズウィルス(HIV)感染の状況を、定期的に報告しています。
9月末に報告された速報によると、2011年4月から6月までの新規AIDS患者数は136件で、過去最高であることが分かりました。
一方でHIV抗体検査件数及び相談件数は、前年同月より減少しています。

【調査結果はこちらです】

5月26日のブログでも、2010年の発症件数が過去最多となったことをお伝えしましたが、その傾向が変わっていないことが分かります。

なぜ性暴力をゼロにすることを目指して活動する「しあわせなみだ」がエイズについて取り上げるか。
それはエイズ感染の背景に、望まない性行為、性暴力があるからです。

エイズをはじめとする性感染症は、感染予防に関する知識がないこと、そして感染予防に協力しない性行為が行われることにより、罹患します。

不特定多数の人と性行為をしても、相手が感染していなければ感染しません。
一方で、特定の相手だけ性行為をしていても、相手が感染していれば、予防をしないことにより感染します。

つまり、性感染症は、「性に対する道徳的な問題」ではなく、「性に対する正しい知識を持つ機会がない」そして「性感染症を予防できない、暴力的性行為が存在している」という問題なのです。

【詳しくは2010年11月29日のブログ「性感染症は道徳では語れない」をご覧ください】

教育が性感染症、そして性暴力を防ぐ上で重要なことは、多くの場で指摘されています。
【2010年11月26日「性は「恥ずべきもの」ではない」】
【2011年4月25日「女の子が教育を受けると性暴力を減らすことができる」】

そして私たちは、「どうすれば性感染症にならないか」きちんと学ぶ機会がありません。

9月16日に、東京高裁で、東京都立七生養護学校で行われていた性教育授業に対して、東京都議会議員らが不当な介入を行った事件について、「実践されていた性教育は学習指導要領に違反しているとはいえない」との判決を出しました。
七生養護学校では、知的障がいをもつ子どもたちが、自身のからだについて学び、性暴力から身を守ることができるよう、体の各部位の名称を歌にして教えたり、人形を使った性教育を実践していました。
これが一部の都議から「過激な性教育が行われている」とされ、厳重注意や配置転換などの処分が行われていました。

【詳細は「こころとからだの学習 裁判支援サイト」をご覧ください】

実は、学校基本法の中では「性行為」という言葉を使用してはいけないことになっています。
日本では「寝た子を起こすな」的発想で、正しい知識を得る機会を奪った結果、性感染症という性暴力を野放しにしています。

性感染症への誤解や偏見をなくすために。
そして背後にある性暴力をなくすために。
正しい情報を伝えていくことの大切さを、改めて感じています。

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*「しあわせなみだ」ウェブサイトはこちら
http://shiawasenamida.org/
*twitter nakano_hiromi
https://twitter.com/nakano_hiromi

Posted by 中野宏美 at 06:34 | 性暴力被害:情報 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

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