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特定非営利活動法人しあわせなみだ 
代表 Happy Tear 中野宏美のブログです。 
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東京地裁で性犯罪事件の裁判員裁判判決が出ました[2009年10月23日(Fri)]
9月2日と9月5日のブログ
https://blog.canpan.info/nakanohiromi/archive/151
https://blog.canpan.info/nakanohiromi/archive/153
で、青森地裁の性犯罪事件の裁判員裁判を紹介しましたが、10月22日には東京地裁で、性犯罪事件の判決が出ました。

後藤真理子裁判長は、「犯行態様は悪質で被害者は犯行後も精神的苦痛を受けている」として懲役3年、保護観察付き執行猶予5年を言い渡しました。
この量刑は、ほぼ弁護側の主張に沿ったものでした。

事件に対して裁判長は、「自らの性欲を満たそうという被害者を省みない身勝手なもの。動機にくむべき事情はない」と指摘。
一方で執行猶予がついた理由として、「260万円を払って示談を成立させている」としています。

また今回は執行猶予に「保護観察」がつけられました。「保護観察」とは、保護観察中に守らなければならないと定められた事柄(遵守事項)を遵守するよう、保護監察官や保護司が指導・監督することで、被告の改善・更生を図るものです。被告は以前、飲酒のトラブルで懲戒解雇になった経歴があることから、指導監督する者が必要と、判断されました。

今回裁判員には、男性3人、女性3人が選ばれました。判決後記者会見に応じた裁判員のうち、30代の女性は、「同じ女性として被害者の心理がわかる部分もあり、複雑だった。裁くという立場として見方を切り替えるのに時間がかかった」と話しました。

被害者のプライバシーに関しては、裁判員からは、「被害者の名前は知らされず、十分配慮されていた」との話がありました。

今回の裁判を踏まえ、改めて課題をまとめてみたいと思います。

【裁判員の男女比】
青森地裁の裁判では男性5人、女性1人と偏りが出ましたが、今回の東京地裁では、男女半々でした。やはり、一方の性に偏ることなく、選ばれることが望まれます。
【プライバシー保護】
裁判員から「十分配慮があった」との話がありましたが、現在この「配慮」は、各裁判所の判断に委ねられています。どの裁判所でも安心して裁判が受けられるよう、全国共通の基準を定める必要性を感じます。
【裁判員へのフォロー】
女性裁判員から「複雑だった」「見方を切り替えるのに時間がかかった」との発言があったとおり、特に性犯罪事件の裁判員は、自身の「性」そして「生」との向き合い方を考えさせられるという意味で、大きな負荷がかかります。
また、裁判員自身が過去に被害に遭っている可能性もあります。この場合は事件の詳細を知ることで、自身の被害を思い出し、心の傷を深めることも考えられます。
さらに、性暴力に対する正しい知識を得る機会は少なく、誤った情報が氾濫しています。「被害に遭う側にも責任がある」といった「落ち度論」や、「女性は性暴力を望んでいる」といった、間違った考えを持った人が裁判員となることも、大いに想定されます。
このため、性犯罪裁判に関わる裁判員に対しては、性暴力に対する基礎的な知識を伝えたり、裁判中、ならびに裁判後の心身的なフォローが求められるのではないでしょうか。

裁判員裁判で取り扱う事件の2割は、性犯罪です。
そしてあなたも、性犯罪事件の裁判員になる可能性があります。
被害に遭われた方が、これからの人生を幸せで健康に過ごせるためにも、裁判における安心、安全が確保できる方法を、一緒に考えていかれればと思います。

Posted by 中野宏美 at 08:35 | 性暴力被害:情報 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

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