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子どもの貧困シンポジウム、仕切り直しします [2020年02月27日(Thu)]

子ども事業担当の小林です。
今年も「ほっとけない子どもの貧困2020 シンポジウム」を2月29日に開催予定で準備を進めてきましたが、諸般の事情につき、残念ですが延期させていただきます。

せっかく浜松や近隣のキーパーソンが集まる機会でしたので、状況が落ち着き次第、改めて開催したいと思います。しばらくお待ちください。
サンマの不足が感覚統合に及ぼす影響!? [2020年02月12日(Wed)]

 このところ遊びをテーマに活動を続けているエヌポケットですが、この記事のタイトルは、サンマの不足が感覚統合に及ぼす影響!?としてみました。
秋の味覚サンマの水揚げ量は、日本近海の海水温の上昇などが原因で、昨年の1/8に激減だそうです、というサンマの話ではなくて、時間・空間・仲間というこどものサンマ(三間)です。

時間と仲間
今のこどもはどんな環境にあるのでしょう。ある調査によると小学生のほぼ5人に4人が何らかの習い事をしているそうです。ということは、誰かと遊びたいと思っても誰も遊び相手がいなくて、自由な時間がたっぷりある子どもでも、仲間と豊かな遊びの時間を楽しめるわけではないのです。
こどもは様々な力をもっているのですが、「親の学力に対する意識の変化」について、こんなデータもありました。
図表4-1 スポーツ活動芸術活動について.png
このグラフは、スポーツ活動・芸術活動についての保護者の考え(ベネッセ教育総合研究所「学校外教育活動に関する調査2017」)を表したものです。2009年、2013年、2017年の経年変化を表してますが、「運動やスポーツをするよりも、音楽や芸術の活動をするよりも、もっと勉強をしてほしい」と回答した保護者は、幼児から高校生の子を持つ保護者全てで増加しています。
当事者である子どもに尋ねた別の調査では、「遊びが大事」と答えたこどもは1997年に62.7%だったものが2017年には41.9%に減り、「勉強が大事」と答えたこどもは36.5%から58.1%に増えました。子ども自身も「遊びより勉強が大事」に逆転してしまったのです。

■ 空間の問題
あそび場の一つ、今の公園はどうなっているでしょう。けがをするかもしれないと、遊具は次々と撤去。修繕や再設置にお金がかかるとして公園の遊具は使用禁止のテープでぐるぐる巻きにされたまま、というものも見かけます。「ここで野球やサッカー、キャッチボールなどのボール遊びをしてはいけない」などの禁止の看板も目立ちます。公園隣接住民からのクレーム増加が禁止事項をますます増やしますが、興味深いことに、自治体と自治会共同で出しているような看板は、例えば「南北方向のボール投げはやめよう」などと検討・配慮の跡がみえます。ところが、首都圏にある公園では、「ボール投げ禁止」と全面禁止の看板ばかりだそうです。
つながりの希薄さが自分たちの地域や未来をどうしたいのかという自治力の欠如を生み、こうしたこどもの空間問題に大人は想像力を失っています。いくら遊びたいと思っても、こどもの遊び場・路地はとうの昔に車にとられ、空き地はもうみんなのものではありません。子どもの居場所はどこに見つけられるのでしょうか。
こうして三間を失った遊べない子どもたちに何が起こるのでしょうか。

発達の基盤「感覚統合」
感覚というと視覚、聴覚、味覚などの五感がすぐ浮かびますが、その他に「固有覚」、「前庭覚」、「触覚」の三つの感覚があり、それらに及ぶ情報を整理(統合)して適切な行動をとる「発達途上」にあるのが子どもです。
固有覚は、自分の体がどこからどこまでなのかを自覚し、力の入れ具合など思い通りに動かすために必要な感覚です。蟻をそっと捕まえられずにつぶしてしまう子がいますが、固有覚の発達がまだ「途上」なのです。足や手の位置を見ないで登るジャングルジムは固有覚を育てます。
じっと座っていられないのは前庭覚の問題。「ちゃんと静かに座っていなさい」って叱られてばかりいる子どもは「前庭覚が未発達かも」って思ってもらえれば何かと傷つかずにすむかも。公園の遊具でいえば、揺れるブランコはバランス感覚を養うので前庭覚を育てます。
 子どもは、いろいろな遊びの中で感覚統合を繰り返して発達していくのですが、今、気になる子どもたちが増えている背景の一つがこの発達途上=「未発達」という問題にあるのではと考えられます。感覚統合に不具合があると、行動、学習、コミュニケーションなど様々な生活上の問題につながってしまうからです。
感覚統合ピラミッド.jpg
その関係は上の図「感覚統合ピラミッド」をみるとよくわかります。感覚統合をよりよく進めるのが「遊び」であるのに、遊びより勉強が大事と考えてしまった場合、このピラミッドが崩れることは容易に理解できるでしょう。
 大人の遊びは「癒し・リフレッシュ」ですが、子どもの遊びは「主食」なのです。
浜松市委託事業「こどもと遊び実践塾2019」初日の講座「遊び×感覚統合」の講師KIDS SENCEの茂木厚子さんは、跳ねたり跳んだり、ぺろぺろ舐めたり、ぐるぐる回ったりと、子どものすることには全部理由があると言います。さらに遊びという「快」の中で子どもが発達する事実を理解しないで、ピラミッドの頂点にある学習を強いることは底に穴の開いたバケツに水を灌ぐようなものだと話してくださいました。
あたりまえにあったあそびや遊び場は想像以上に失われています。未来をつくる子どもの育ちに必要な「遊びの環境」を考えるのは社会にとって喫緊の課題です。              
(代表 井ノ上美津恵)