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議員と語ろうNPO円卓会議~オンライン~ [2021年06月04日(Fri)]

浜松で取り残されているのはだれ?

「NPOプレゼント講座(静岡県労働者福祉基金協会主催)」の西遠地域担当としてN-Pocketが企画運営してきた事業の一つ、「議員と語ろうNPO円卓会議」。2013年から継続して8回目となる会議を2021年1月30日にオンライン開催しました。

◆外部からの実行委員の力を借りて
毎回、外部のメンバーによる実行委員会を設置して、意義のある会議にするための協力を得ています。今回も、市民活動をしてきた若手5名の力を借りて準備をすすめました。
土壇場で完全オンラインに切り替え、浜松市議会議員7名、NPO等市民19名、オブザーバー2名が、ワールドカフェ方式で毎回メンバーを入れ替えて小グループで4回の話し合いを重ねました。市民は少なくとも4名の議員と話ができる仕組みです。
テーマは「浜松で取り残されているのはだれ?」。身近な課題から会議を重ねるごとに自分に何ができるかに話題を深めることを狙いました。

◆情報格差、地域格差などで取り残され…
どのグループも取り残されている人として共通して出てきたことは、デジタル化に乗れず情報格差で不利益を被っている人(高齢者、障害のある人、外国にルーツのある人、IT環境が整えられない生活困窮者など)でした。ITが使いこなせる人はどんどん便利になり、分からない人は排除され置いていかれている現状があります。格差といえば、中山間地と他地域との地域差、年齢差などの別の視点の格差問題もあります。弱い立場の人が、困ったときに相談先や解決策が分からないことも問題としてあげられました。そのためにはハードソフト両面での寄り添った支援が必要。耕作放棄地や空き家を活用した生活や居場所づくりなど、リアルな関わりが希望を取り戻せるのではないかという意見がでました。議員は施策の立場ですが、「つなぐ」ことが大きな役割ではないかという確認もできました。
そして、市民も施策に関われる方法の一つとしてパブリックコメント(以下、パブコメ)制度があり、それを活用しようという話があちこちのグループであがりました。

◆パブコメのすすめ
参加者のパブコメへの期待がでたところで、「パブリックコメント普及協会」のさとうひさゑさんの講演。市民として立法過程に踏み込める手段であるパブコメ。その中でも人が集まりやすいイベント会場などで意見を募る「対話型パブコメ」の紹介がありました。パブコメはだれでも参加でき、行政側も意見と考え方を公表する決まりがあります。だから、意見の言いっぱなしにはならないけれど、政策の最終段階での意見募集のため、変更できる範囲は限られ、過剰に期待しないことも認識する必要あり。市のホームページや広報に募集がでているので、気になる施策があれば意見をだしてみてはどうでしょうか。

◆議員との対話を続けよう
終了後のアンケートでは、オンラインでの対話は、参加者全員の顔が正面から見え議員の意思表示も明確にわかった、家庭の事情があっても遠方でも参加できた、議員からは、減っていた直接市民の意見を聞く機会となったなどの感想。そして、これまでと同様、相互に知り合い、地域が違っても共通課題がわかった、議員を含む参加者に問題提起ができた、議員から施策の背景を聞けたなど、小さな円卓会議ならでの意義を感じた人の感想が並びました。「課題を共有しいっしょに取り組む前向きな方向ができ、共に地域社会をつくる主体であると実感できた」と継続してきた本事業を評価してくれた議員もいました。
今後も何らかの形で、市民と議員が同じ卓を囲み、地域のために話し合い力を出し合う場を持ち続ける必要があると感じました。
(中間支援担当 大野木里美)

2020年度「議員と語ろうNPO円卓会議」に出席してくださった浜松市議会議員の皆様
・鈴木 恵さん   【浜松市政向上委員会】
・須藤 京子さん 【自由民主党浜松】
・北野谷富子さん 【市民クラブ】
・遠山 将吾さん 【創造浜松】
・露木里江子さん 自由民主党浜松】
・鈴木 真人さん 【市民クラブ】
・岩田 邦泰さん 【市民クラブ】

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