「高校進学ガイドブック」静岡県版2020〜やさしい日本語を改訂 [2019年12月06日(Fri)]
多文化事業担当の小林です。
「高校進学ガイドブック」静岡県版2020、6言語がやっと完成しました〜 今年は補助金をいただいて「やさしい日本語」版を全面改訂! これまでも「やさしい日本語」を心掛けてきたのですが、これでは当事者には伝わらない!とダメ出しされたので、たぶんかどんぐりの山田国明さんに依頼して、大幅に手を入れました。 外国ルーツの子どもやその保護者を具体的に想定して「彼らならどこまで読めるかな?」と、日本語のレベルに合わせて書き直しています。 文字やルビが多いと読むのを諦めてしまうので、できるだけ情報をシンプルに絞り込み、漢字を使うのは名詞と名詞に近い品詞にしぼり、単語の間にスペースを入れる「分かち書き」で読みやすくしたとのこと。 日常使わない単語は、よく使う簡単な言葉にしています。例えば… 在学 → がっこうに いる 意欲 → やるき 選抜 → えらぶ どこまで情報を削り、どう言い換えるか、あれこれ議論もしました。とにかく、読んでもらわないことには意味がない!ので、学年費の用途など煩雑で複雑なことはバッサリカット。 「日本語能力と学校生活の適応についての所見」をどう訳すかは悩みました <改訂前> <改訂後> 「当事者の視点に立つ」ことを改めて感じる作業で、大変勉強になりました。文字とルビで黒かった紙面が白くなり、かなり読みやすくなりました。 ユニバーサルに使っていた日本語ネイティブの人には物足りない?かもしれませんが。 これから在住外国人がますます多様化し、多言語の翻訳が追い付かない時は、共通語としての「やさしい日本語」の出番が増えていくはず。 また、子ども時代を日本で育ち、日本語も母語も十分習得できなかった「ダブルリミテッド」の第二世代が子育て世代に入っており、やさしい母語、やさしい日本語のニーズも出てきています。 山田さんいわく「これだけ本格的な『やさしい日本語』の進学ガイドブックは他県では見当たらない」とのこと。これを一つのモデルにして、行政文書や学校文書が、多くの人たちにわかりやすい、伝わるものになるといいな、と思います。必要な人に、必要な情報が届きますように!! ガイドブックは、Webで読むことも、ダウンロードして使うこともできます。承諾は要りませんが、感想や間違いの指摘などご連絡いただけると嬉しいです。 高校進学ガイドブック 静岡県版2020 |