市民活動に使えるデータを読み解くコツは?! 講座レポート [2019年09月13日(Fri)]
市民活動支援担当の小林です。
9月7日は静岡大学の笹原恵先生を講師に、市民活動にデータを活用する方法を学びました。 まずは「データの集め方」で、どこにどんなデータがあるのか。例えば人口に関するものでは、5年ごとの総務庁の国勢調査だけでなく、厚労省から人口動態調査が毎年出ています。 労働力に関するものは総務省の統計、経済に絡むものであれば経済センサスなど、様々なリソースを次々提示。 次に「データの読み方」で、実態についての客観的データに対し、意識についてのデータは、「考え」と「実態」は必ずしも一致しないし、調査の仕方やデータの収集方法によっては客観的と言えない場合があることに注意する必要があります。 ここでも人口関係の様々なデータを見ながら少子高齢化や外国籍住民の経年変化や今後の予測を見て行きましたが、割合(%)で示されているものは実数のデータを合わせて見る必要があることも注意ポイントです。 核家族化・小家族化・単独世帯化や、非婚化・未婚化の経年変化も、何を指数としてどのようなグラフにすればわかりやすいか、見て行きました。 ここで、内閣府の「社会意識に関する世論調査」を見てグループワーク。質問内容や選択肢が答えづらい、1968年から調査されているが、50年前と言葉の意味や受け取り方も違ってくる、対面調査だと本音で答えにくい、これで客観的と言えるデータが集められるのか??など多くの疑問が上がりました。 同じ内閣府でも「老後の生活設計と公的年金に関する世論調査」を見ると、もっと具体的な質問で絞り込まれた選択肢になっており、同じ世論調査でもずいぶん違うことが読み取れました。 後半は「データの使い方・見せ方・表現方法」で、出典元の明示では、サイトなどの利用は特に注意が必要で、孫引きでなく元データに当たることが望ましいと言われました。 表とグラフの使い方、数値と%の明示、単答と複数回答の扱いなど、大学の授業レベルの内容で「難しかった!」という人も。 最後に「社会調査の方法」で、量的調査と質的調査、調査の手順、インタビューの技法を大まかに紹介して終了。資料の量もたっぷりあり、短時間にぎっしり情報が詰まった講座でした。 様々なデータを集めて、比べて提示することで、課題がより明確に浮かび上がってくることは、市民活動の大きな武器となりえます。色々試行錯誤しながら、その武器を磨いていってください。またみなさんからの要望があれば、この続編も検討したいと思います。お疲れ様でした! |