ミャンマーの水かけ祭り [2015年04月01日(Wed)]
ミンガラバー。MFCGのボランティア会員の鈴木一登と申します。現在は栃木県のリハビリ病院で作業療法士として働いています。 今回は、ミャンマーの水かけ祭りの思い出を書きます。水かけ祭りとは上座部仏教が信仰されている国(ミャンマー、スリランカ、ラオス、タイ、カンボジアなど)で行われる新年の行事です。それらの国では西暦とは別に毎年4月のなかば頃に新しい年を迎えます。 水かけ祭りとはいったいなんなのか、ミャンマー人に教えてもらったことがあります。教えてもらって驚いたのは、実は水かけ祭りとは新年が明ける前の、いわゆる年末に行われる行事でした。新しい年を迎えるにあたり、1年間の「けがれ」のようなものを、水で洗い流すような意味合いがあり、お互いに水をかけあうのが水かけ祭りだそうです。 今から10年ほど前の3月にはじめてミャンマーを旅行してた時のこと。3月は乾期の終わりから暑期にさしかかる頃で、日ごとに気温が上がっていました。その頃に列車に乗るのは苦行のような感じがします。せまい車内に密集した人、速度があまりに遅いので風もほとんど入ってこない。とにかく暑いのです。 そんな3月の列車の中で、なかば意識を失いかけながら座席に座りながら過ぎゆく外の景色を見るでもなくぼんやりと眺めていると、窓の外から水のかたまりが飛んできて上半身が濡れました。 驚いて窓の外で犯人を捜すと、線路のわきにはバケツを持った10歳くらいの少年少女たちが、満面の笑顔で通り過ぎる列車の車窓をめがけてバケツの水をひっかけていました。 いったい何事なのかわからず車内を見まわすと、近くの座席に座っていた初老の男性と目が合いました。男性は短いミャンマー語でなにかを私に言いました。その頃は「ダジャン=(ミャンマー語で水かけ祭りのこと)」というミャンマー語を知りませんでしたが、今思えば「ダジャン」と言っていたのかも知りません。「これがダジャンだよ」と教えてくれたのかも知れません。 3月の列車はノロノロと灼熱の大地を進んでいきます。今度は注意をして窓の外を眺めていると、駅の手前では子ども達が水が入った手桶やバケツを手に列車が通り過ぎるのを待ち構えていました。そして列車が彼らの前を通り過ぎると、おおきく振りかぶり窓の中をめがけ水を放っています。タイミングによってはびしょ濡れになり、服が乾くまでの間すこし涼しく、悪くない感じです。 ヤンゴン郊外を走る環状列車。非常に遅いので、水かけの標的になりやすい。 水かけ祭りそのものは先にも書いたように4月のはじめ頃ですが、その数週間前から各地ではゲリラ的にはじまっているようでした。4月のなかば頃にダジャンがピークを迎える頃まで、バスや列車に乗っている時はいつも(それに道を歩いている時も!)目をキラキラと輝かせた子ども達が、バケツの水をぶっかけてきます。 ほかの国ではなかなか体験できないことなので、まだダジャンを体験したことがない人は、ぜひ3月から4月の灼熱のミャンマーを旅行して、子ども達にたくさん水をかけられて一年の「けがれ」をはらってもらうことをおすすめします。 水かけ祭りが本格的にはじまるとダウンタウンはお祭りさわぎ。 ※ 毎年東京でも、在日ミャンマー人達の「ダジャン」が開催されています。最近は日比谷公園でやることが多いです。日本では水をかけることはしませんが、ミャンマー料理の屋台が出たり歌や舞踊や演説などが行われ、お祭りのような愉しさがありますので、ミャンマーに興味がある人は出かけてみると、雰囲気が味わえると思います。 東京のダジャン開催予定情報は「バダウ〜ビルマよもやま話〜」(http://www.badauk.com/)を確認するのが便利です。「バダウ」はダジャン以外にも日本で行われるミャンマー関係のイベント情報を確認出来たり、ミャンマーの生活文化を詳しく知ることが出来ます。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ミャンマーファミリー・クリニックと菜園の会(MFCG)の団体ホームページをご覧ください。 http://mfcg.or.jp/ また、ミャンマーファミリー・クリニックと菜園の会(MFCG)のfacebook公式ページ もご覧ください。 http://www.facebook.com/mfcg.or.jp/ ミャンマーファミリー・クリニックと菜園の会(MFCG)の参加方法(寄付または会員)はこちらのページをご覧ください(団体ホームページ内)。 http://mfcg.or.jp/participation-method/ --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- |
Posted by
鈴木
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