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【お知らせ】
テレビ東京世界ナゼそこに?日本人〜知られざる波瀾万丈伝〜」に 代表名知の現地の活動紹介されました
放送局:テレビ東京
番組名:「世界ナゼそこに?日本人〜知られざる波瀾万丈伝〜」
日時: 2015年6月15日(月)
詳しくは こちらです
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ヤンゴンで見た職業訓練施設・療育施設 [2016年09月14日(Wed)]

こんにちは。MFCGボランティア会員の鈴木一登と申します。ふだんは栃木県の病院で作業療法士として働いています。

今回はヤンゴンにある職業訓練施設と療育施設を見学した時のことを書きます。

だいぶ前のことになりますが、今から8年前、私は日本でリハビリテーションの学校に通っていました。

リハビリの学生になる前は会社員でしたが、28歳の時に仕事を辞めて半年ほどアジアを旅行しました。半年の最後にはじめてミャンマーを訪れ、多様で独自性のある文化にすっかり虜になりました。もう10年も前のことになります。

日本に帰国してからリハビリの学校に入り直し作業療法士となり今に至っています。そのリハビリ学校の春休みを利用して2回目のミャンマー旅行をし、ヤンゴンの療育施設を訪れたのです。

せっかくリハビリの勉強をしているのだから、旅行をしている時もリハビリに関係があるところへ行ってみたくて、ミャンマーでリハビリに関係した活動をしているNGOに問い合わせをしました。自分がリハビリの学生でヤンゴンの施設を見学させてもらいたいと説明すると、快く承諾してくださり、現地のスタッフと連絡をとってくれました。

現地のミャンマー人スタッフの女性が日本語が堪能で、出発前にメールでていねいにガイダンスをしてくれたおかげで、ヤンゴンの施設まで市バスで行ったにもかかわらず、ほとんど迷うことなくたどりつくことができました。

     ※

職業訓練施設では、中途障害者に対して理髪または縫製を教えていました。どちらの仕事も歩くことや立つことが困難でも行うことができる仕事です。

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リハビリがまだまだ一般的ではないミャンマーでは、交通事故で障害を負った場合、受傷前に近いレベルまで機能回復ができないことがあり、そういった人たちの中でも特に職業復帰への意欲が高い人に対して職業訓練を行っているようでした。

現地スタッフが「意欲が高い」と言っていたことをよく覚えています。障害者のための職業訓練校の数が希望者の割合に対して少なく、多くの希望者の願いをかなえることが難しいため、ふるいにかける必要があるのではないかと思いました。

理髪業を習得中の男性はシャン州の田舎のほうから出てきたと言っていました。実際に訓練をしている人たちに会って話していると、すべての訓練生の表情が明るく、顔つきを見ただけで意欲にあふれていることがわかりました。



股関節以下の機能障害があり立つことができない男性は、お客さんのイスの周りをぐるりと囲った台の上を、腕で自分の身体を持ち上げながら移動し、髪を切る技術を習得していました。
2本の足の長さが異なるため足踏みミシンをリズミカルに踏むことが難しい男性は、足踏み台の上に充て木をしてミシンを踏みやすくしていました。

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今はわかりませんが、当時のミャンマーは日本のように各国の福祉用具がかんたんに手に入る国ではなかったから、創意工夫の数々はみなスタッフや訓練生の手作りでした。

ミシンをふんでいた女性に、どんな服を作っているのか聞いてみたら、ブラウスが多いとのことでした。本棚に並んだ服飾本は四半世紀以上前の古い日本のものが多かったです。(もちろん夏服の本ばかり)なんでこんなに古い本が多いんだろうと思いましたが、ブラウスの袖はふっくらとした”ちょうちん袖”が好まれると聞いて、だから古めの本が多いのか! と納得がいきました。

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     ※

発達障害児の療育施設では、ちょうど曲芸を行うボランティアが来ており、母親と子どもたち楽しんでいました。訓練の様子を見ることは出来ませんでしたが、外国製の訓練用具やおもちゃ(子どものリハビリで使います)がたくさん置かれており充実しているようでした。

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利用している子どもは、脳性麻痺やダウン症の子が多いと聞きました。発達障害の子どもを支援する施設はミャンマーでは極端に少なく、ヤンゴンのこの施設とマンダレーにもうひとつあるくらいと聞きました。ちいさめの幼稚園くらいの敷地しかないので、とてもミャンマーの半分の障害児に対応することはできないでしょう。

療育施設では、子ども達のリハビリと同時に母親や地域への啓蒙活動に力を入れていると聞きました。というのも障害を持った子どもが産まれると、子どもを家から外に出さずに隠してしまう風潮があるということでした。田舎のほうでは特に、子どもが障害を持ったことを親の責任ととらえてしまう過った考えがまだまだ根強いそうです。

そう言われてみれば、近隣国のタイやインドに比べて、ミャンマーでは障害を持った人を街で見かける機会は少ないかもしれません。その背景には障害に対する考え方の違いもあるのかもしれません。

     ※

今ミャンマーは転換期にあり、経済をはじめあらゆることが大きく変化しています。障害者をめぐる状況も8年前とはきっと異なっているでしょう。見学当時私はまだ学生でしたが、仕事をするようになった今、ふたたびミャンマーのリハビリテーションを見てみたいと感じています。


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Posted by 鈴木 at 21:52
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