新年の訪れを祝うミャンマーの祭り「東京ダジャン」 [2016年04月15日(Fri)]
熊本の被災者の皆さんへ心からご冥福とお見舞い申し上げます。 ミャンマーでもマンダレー周辺でM6.9 の地震が発生したと報道されておりますが、現地は水掛祭りの最中のためなのか詳細がわからない状態です。 どちらの地域におかれましても被害にあわれた方々の救済と一日も早い被災地の復興を心からお祈り申し上げます。 以下、本日のブログを更新させていただきます。 こんにちは。MFCGボランティア会員の鈴木一登と申します。ふだんは栃木県の病院でリハビリテーションの仕事をしています。 今回は、季節柄ダジャン(水かけ祭り)のことを書きたいと思います。 ダジャンとは、ミャンマーの新年を祝う行事です。正確には、新年を祝う行事ではなく、ダジャンを終えてから新年を迎えるようです。 というのも、ダジャンとは「ダジャーミン」(日本で帝釈天と呼ばれる神様)を迎えるお祭りなんだと聞いたことがあります。一年の間の災厄やら罪悪を洗い流すために、お互いに水を掛け合うことが、そもそもの始まりであったとか。 由来はさておき、ミャンマーで毎年4月に行われているダジャンは、実は日本でも行われています。在日ミャンマー人がミャンマー料理の屋台をたくさん出していて、手頃な値段で現地でしか食べられないようなローカルなミャンマー料理を楽しむことができます。在日ミャンマー人のバンドがライブをやったり、ミャンマーの舞踊が披露されたりもしています。 ダジャンの頃にミャンマーを旅行していると、心の底から楽しそうにしているミャンマー人をたくさん見ることができます。ダジャンの頃というのは、ミャンマーでは乾期から暑期に季節が移り、スコールが降るごとに、だんだんと暑さが増してくる時期です。カラカラに乾いた大地が湿り気を帯び、緑が息を吹き返してくる季節。だんだんと暑くなってくるのと同時に、ミャンマー人のテンションも上がってくるのかもしれません。 日本でのダジャンについては、今年は4月2日と3日に日比谷公園で行われました。例年1日だけの開催ですが、今年は東京で行われるダジャンが25周年ということもあってか2日間の開催になりました。 4月3日、私は偶然にも栃木からリハビリの勉強会のために東京の虎ノ門へ来ていました。一日座り続けて夕方には勉強会は終わりましたが、勉強だけをしにわざわざ東京へ来て、またまっすぐ栃木へ帰るのも忍びなく、勉強会に参加した同僚とともに、虎ノ門から日比谷公園まで歩いてみました。 日比谷公園に着いた頃は17時を過ぎていました。ダジャンは17時までと聞いていたのでもう終わってしまったかなと思っていましたが、屋台は店じまいをはじめていたものの、まだまだ人がたくさんいてにぎわっていました。 ![]() 開場をぐるっとひとまわり歩いたところで、ミャンマーのミニコミ誌「バダウ」を発行している落合さんと、JMCC(Japan Myanmar Culture Center)でかつて一緒に日本語教室でボランティアをしていた小山さんに会うことができました。JMCCの塾長であるマヘーマー先生にも会うことができました。 ![]() きっと誰かに会えるはずと思い足を運んでみましたが、案の定、知己の人達に会うことができました。そしてミャンマーとはまったく縁もゆかりもない同僚を、彼らにとっては謎の外国人イベントにつきあわせることになってしまいましたので、おわびをかねてシュエインエー(ココナッツとタピオカのジュース)とサーヌーマキイン(ココナッツミルクのケーキ)を食べてもらいましたが、残念ながらというか、案の定というか、なかなか微妙な反応でした。 ![]() 「バダウ」のHPにて東京ダジャンの歴史を知ることができます。日本で開催されて今年で25年になるそうです。はじめて開催されたのは1991年ということになります。 ミャンマーがまだビルマだった1988年、学生達が主体となった民主化運動が起きました。その時の中心的な人物がアウンサンスーチーさんだったそうです。軍事政権は民主化運動を軍事力をもって強制的に鎮圧し、1989年に国名をビルマからミャンマーへと変えました。 その時に軍事政権の弾圧から日本に逃れてきた政治的亡命者たちが中心になり、東京ダジャンがはじまったと聞いています。それから四半世紀が経ち、ついに時代は変わりました。 ダジャンは新しい年の訪れを祝う祭りですが、今年の東京ダジャンは、ミャンマーという国が新しく生まれかわったことを祝う祭りでもあったのかもしれません。 バダウ イベント情報 東京ダジャン --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ミャンマーファミリー・クリニックと菜園の会(MFCG)への参加方法(寄付または会員)はこちらです。 http://mfcg.or.jp/donation/ ミャンマーファミリー・クリニックと菜園の会(MFCG)の団体ホームページはこちらです。 http://mfcg.or.jp/ また、ミャンマーファミリー・クリニックと菜園の会(MFCG)のfacebook公式ページ もご覧ください。 http://www.facebook.com/mfcg.or.jp/ --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- |
Posted by
鈴木
at 01:37