第1回 本を議論しよう
[2007年12月05日(Wed)]
こんにちは!マーケティング班の茅根です。
前回の記事で村田先生にご指導いただきまして、今回から本の紹介・議論を進めたいと思います。
タイトル:「ネット未来地図 ポスト・グーグル時代 20の論点」
著者:佐々木俊尚
発行所:文藝春秋(文春新書です)
2007.10.20第1刷発行
これからこの本の中から様々な論点を見出し、考えていきたいと思います。
今回は『行動ターゲティング』について考えていこうと思います。
『行動ターゲティング』を考えるあたり、オンライン書店最大手の"amazon"の協調フィルタリングを例に、以下の論点を一つ取り上げてみたいと思います。
論点【協調フィルタリングの限界と可能性】 (P.12〜P.21を抜粋)
2007年4月にアマゾンが、楽天市場、ヤフーショッピングが二強とされるオンラインショッピングモール事業にアマゾンマーチャントとして参入した。このアマゾンマーチャントの優位点をみると、楽天市場、ヤフーショッピングを近いうちに追い抜かすだろう。
3社の状況(2007年4月時点 P.13,10行目〜14行目引用)
年間取扱高:楽天4600億円 ヤフー1700億円 アマゾン1000億円強
出店店舗数:楽天20000店 ヤフー15000店 アマゾン50店
アマゾンの「顧客データベース」
・協調フィルタリング技術をベースにしたレコメンデーション機能(簡略化していえば、Aさんがア・イ・ウ・エを購入、Bさんがア・イ・ウ・オを購入した場合、Aさんにはオ、Bさんにはエが好まれるのではと推測(協調フィルタリングという)し、お勧めする機能のこと)、消費者レビュー(消費者による商品の感想)、ワンクリック決済(cookieをつかった決済方法)などをつかって顧客をいうまく囲い込んでいること。
アマゾンの「協調フィルタリングの限界」
レコメンデーション機能は顧客の過去の購買履歴しか反映していないので、これにより見当違いな商品を勧めてくることがある。
*------------------------------------------*
茅根の考えとしては…
今の段階では、アマゾンの協調フィルタリングは画期的なものと考えられる。利用者の購買活動から、その次の購買活動を推測し的確な商品を紹介するというのは、過去から未来を思考する我々人間でも行われている思考パターンに似ている。
しかし、上記のような問題点を鑑みると、この画期的な機能にもまだ改良の余地は残されているように思える。アマゾンの利用者を日々捌いている、この協調フィルタリングというアルゴリズムをより正確なものにするためには、その利用者のより多くの情報提供が求められる。
例えば、アマゾンでの購買活動に加えて、検索エンジンで検索した単語の履歴や本を買わせる要因となったであろうサイトのデータなどである。これらを提供することにより、さらに利用者の輪郭をはっきりしたさせ、アマゾンは彼に最適な商品を紹介する。つまり、利用者から提供されるデータが多ければ多いほどアマゾンの可能性は広がると言っていい。
だが、この便利な面の裏側に我々の大事な個人情報がデータとしてアマゾン側に把握されることの重大さも併せて考えていかなければならない。
今パソコンの前にいる「自分」がデータとしてパソコンに取り込まれた時、そのデータをアルゴリズムが扱うことによって開かれる世界と、「自分」が0と1によって見知らぬサーバーに半永久的閉じ込められる世界を、我々ネットを扱う人間はどう考えていかなければならないのだろうか。
コメントをお願いします。(どなたでもどうぞ。)
前回の記事で村田先生にご指導いただきまして、今回から本の紹介・議論を進めたいと思います。
タイトル:「ネット未来地図 ポスト・グーグル時代 20の論点」
著者:佐々木俊尚
発行所:文藝春秋(文春新書です)
2007.10.20第1刷発行
これからこの本の中から様々な論点を見出し、考えていきたいと思います。
今回は『行動ターゲティング』について考えていこうと思います。
『行動ターゲティング』を考えるあたり、オンライン書店最大手の"amazon"の協調フィルタリングを例に、以下の論点を一つ取り上げてみたいと思います。
論点【協調フィルタリングの限界と可能性】 (P.12〜P.21を抜粋)
2007年4月にアマゾンが、楽天市場、ヤフーショッピングが二強とされるオンラインショッピングモール事業にアマゾンマーチャントとして参入した。このアマゾンマーチャントの優位点をみると、楽天市場、ヤフーショッピングを近いうちに追い抜かすだろう。
3社の状況(2007年4月時点 P.13,10行目〜14行目引用)
年間取扱高:楽天4600億円 ヤフー1700億円 アマゾン1000億円強
出店店舗数:楽天20000店 ヤフー15000店 アマゾン50店
アマゾンの「顧客データベース」
・協調フィルタリング技術をベースにしたレコメンデーション機能(簡略化していえば、Aさんがア・イ・ウ・エを購入、Bさんがア・イ・ウ・オを購入した場合、Aさんにはオ、Bさんにはエが好まれるのではと推測(協調フィルタリングという)し、お勧めする機能のこと)、消費者レビュー(消費者による商品の感想)、ワンクリック決済(cookieをつかった決済方法)などをつかって顧客をいうまく囲い込んでいること。
アマゾンの「協調フィルタリングの限界」
レコメンデーション機能は顧客の過去の購買履歴しか反映していないので、これにより見当違いな商品を勧めてくることがある。
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茅根の考えとしては…
今の段階では、アマゾンの協調フィルタリングは画期的なものと考えられる。利用者の購買活動から、その次の購買活動を推測し的確な商品を紹介するというのは、過去から未来を思考する我々人間でも行われている思考パターンに似ている。
しかし、上記のような問題点を鑑みると、この画期的な機能にもまだ改良の余地は残されているように思える。アマゾンの利用者を日々捌いている、この協調フィルタリングというアルゴリズムをより正確なものにするためには、その利用者のより多くの情報提供が求められる。
例えば、アマゾンでの購買活動に加えて、検索エンジンで検索した単語の履歴や本を買わせる要因となったであろうサイトのデータなどである。これらを提供することにより、さらに利用者の輪郭をはっきりしたさせ、アマゾンは彼に最適な商品を紹介する。つまり、利用者から提供されるデータが多ければ多いほどアマゾンの可能性は広がると言っていい。
だが、この便利な面の裏側に我々の大事な個人情報がデータとしてアマゾン側に把握されることの重大さも併せて考えていかなければならない。
今パソコンの前にいる「自分」がデータとしてパソコンに取り込まれた時、そのデータをアルゴリズムが扱うことによって開かれる世界と、「自分」が0と1によって見知らぬサーバーに半永久的閉じ込められる世界を、我々ネットを扱う人間はどう考えていかなければならないのだろうか。
コメントをお願いします。(どなたでもどうぞ。)
レヴューもあるし、Amazonと比べても何ら遜色ありませんね。
それに、楽天は音楽やソフトウェアのダウンロードもできるみたいですし、最近はAmazonも服なんかを売っているとはいえ、検索して出てくるのはやはり楽天ですね。
それから、Amazonが見当違いな商品を勧めてくるっていうのは確かによくあります。
Amazonが楽天のように広い分野で商品を扱っていくにつれてこの問題は大きくなっていくんじゃないでしょうか?