今年度は、シンポジウムでの参加者のご意見を踏まえ、様々な立場、組織で支援に携わる方が集まり、学び合う場を設けていきたいと考えています。
その一つとして話題にのぼったのが支援に活用する教材について。
支援に取り組む方々から、「たくさんの教材があって、どれをどんな場面で使うといいかわからない・・」そんな声を受け、「教材」に焦点を当てた研修会を12月、2月、3月に実施します。
今回、12月17日の企画第1回目。キャンセル待ちが出るほどで迎え、関心の高さと学ぶ場が求められていることを感じました。
講師には、川崎直子先生と藤川純子先生をお迎えしました。
最初にお二人の先生から、外国にルーツがあり、発達障がいの子どもたちの支援の現状や実践、考え方についてお話しいただきました。
川崎先生からは、数年前から日本語教育の指導者の間で、子どもたちの発達の課題があるのではないか??という声が聞かれていたが、行政側もその実態の把握と対策が追いついていないという現状のお話しがあり、まさに今、支援が始まったばかりの問題ということを感じました。
日本語の習得の課題なのか、発達障がいなのか・・どちらかはっきり区別できないことも多く、原因を特定することが大切なのではなく、目の前の子どもにとって、どんな方法がいいのか、自然にやりたくなる、学びたくなる方法は何か・・と考え、実践していくこと。その子の強みを伸ばしていくことの大切さをお話いただきました。
藤川先生からは、外国人の集住地域で教員をされているというお立場ならではのお話をしていただきました。外国人の子どもたちで知的、発達障がいの子どもたちの支援について「教材」という視点からお話いただきました。子どもたちのアセスメント(実態を把握すること)をしっかりと行うこと、その子の障がい特性に合わせた支援を考えていくこと。そして、支援方法については、様々な人がチームになって、知恵を持ち寄って行っていくことの大切さを伝えていただきました。
講話のあとは、「知恵を持ち寄って支援を考える」ワークを行いました。
今回は「漢字が習得できない」「算数ができない」子どもの2つケースについて、支援計画を考えていただきました。
どんな情報を知ることが必要か?を考えることをもとにしてアセスメントの大切さを知るワーク、その子の困り感の背景にあるものは何か?を考えるワーク、最後に支援計画を考えていくワークと、3段階に分けて実施しました。
ワークを通して、支援の中で大切にしていること、工夫していること、困っていること・・
を共有できました!
架空のケースではありましたが、皆さんそれぞれが、向き合っている現場にいる子どもたちとの関わりでの工夫、困っていることを持ち寄るような時間となりました。
今回のこのワークは初めての試み。そのため、時間もタイトなスケジュールでもっとじっくり皆さんと話し合い、考える時間を持ちたかった・・という声をたくさんいただきました。
支援に取り組む方々が持っている経験、知恵、情報が集まり、それぞれの現場での支援をより豊かなものにしていく。そこに携わる人たちを応援していく。そんな場を今後もつくっていきたいという思いを強くしました。
先生方、みなさんに持ってきていただいた教材もシェアしました。
(じっくり見る時間を取れずにすみません!)