• もっと見る

2015年11月05日

埼玉県立視覚特別支援学校PTA講演を終えて思うこと

 11月4日、埼玉盲学校のPTA「文化・進路合同公演回」に講師として呼んでいただき、無事終了しました。
これまで二回呼んでいただいた「ブラインドママのキャリアストーリーを聞こう」に来てくださった方が、盲学校のPTAの方でした。
「ぜひ、学校の講演会に来てください。色んな人に聞いてもらいたいです!」
と声をかけてくださって、実現しました。

このブログでは、講演を通じて私が感じたこと、今後やっていきたいことを書こうと思います。
当日は、PTAの方31人と校長先生に、もう一人先生が来てくださっていました。
マイクを用意していただいていたのですが、これぐらいなら大丈夫、マイクなしでお届けすることが出来ました。
こういうとき、通る声に感謝です。
幼少期、盲学校時代、大学時代、就職、結婚、育児…。
今までの33年間をお話ししました。
そして、「Mothers' Cafe」の立ち上げ、今後やっていきたいこともしっかりお話ししました。
休憩時間に校長先生が
「みなさん、ほんと楽しそうな表情で聞いてますよ。私も本当に楽しいです」
と言ってくださったことが嬉しく、後半はよりリラックスしてお話しすることが出来ました。

シンミリしそうな話は空気を乱さない程度に笑いを入れてお話ししました。
「この話は笑ってもらえるかな?」
と思って話したこともありますが、思いもよらないその場の思いつきで言ったことがドカン!とうけて、あぁ、関西人でよかったなと思ったこともたくさんありました。

今回、自作の物語を朗読するという初の試みも大成功。
全盲の母親であるというだけでは、インパクトが弱い。
これプラスアルファで何かないか、とずっと考えていました。
音楽プラス視覚障害、スポーツプラス視覚障害、マッサージプラス視覚障害、と「もう一つ何か」を持って活動されてる方をたくさん知っているからです。
私にはそのプラスアルファがないなと思っていたけど、そんなことはない。
読むことだなと思ったんです。
でも、誰かの作品じゃなくて自分で物語を書ければどんな場でも著作権は関係なく読めるなと思っていました。
いつかやろうと思っていたことが、今回出来ました。
「こんなの読まない方がいいかな」
と思っていたらいつまでも踏み出せない。
思い切ってやってみて、だめならそこで考えようと思っていました。

ありがたいことに、聞いてくださった方から
「絵本にしてください」「柔らかいタッチの絵が浮かびました」
と何人もの方が言ってくださいました。
もっとブラッシュアップして、いつかやれたらなと思います。

「視覚障害児であったこと、全盲の母親であることから、視覚障害のお子さんを育てているお母さんたちの力になりたい」
そう思ってやってきたこの1年半。間違ってなかったなと思えた時間でした。
全盲のお母さんからは
「見えるお母さんたちだけじゃなくて、私みたいな目が不自由な親にも同じ立場で話してください。聞かせてください」
と言っていただきました。
もっと話術を磨いて、場を作る力を磨いて、何より色んな経験をして、またこういう場に立てればなと思っています。

その後のランチでは、お母さんたちからの「生の声」を沢山聞かせていただきました。
その中で感じ、今後やっていきたいと思うことが見えてきました。
一人のお母さんから聞いたエピソードから、今の視覚障害の子は「触る力」が弱いのかなと感じました。
ただ「触る」のではなくて「触察」する力です。
お母さんは
「私が教えていないから」とおっしゃっていましたが、いやいや、それだけじゃないなと思います。
私は小学生の頃学校でとにかくこの「触って観察する力」を磨いてもらいました。
少し話は変わりますが、この「視覚障碍者の触察する力」について、視覚障害の友人と先日話題になりました。
彼女が全盲でも自力で出来るマニキュアを見つけたと見せてくれたときのこと。
私が、その形状を触って、なるほど、ここが蓋で、おしりの部分を回すと出てくるのね、と言ったら彼女が
「分かるでしょ。こういう触る力、今の子は乏しいんだよ」という話をしていたことを思い出しました。
全盲の男の子を育てているお母さんが以前
「見えない子は経験が宝。どんどん色んな物を触らせてあげたい」
と言っていたことも思い出しました。

でも、難しい問題なのですが、触るということを極端に苦手としている子がいるのも事実です。
私も低学年の頃はそうでした。
とにかく「触る」ことが怖かった。
見えないがゆえに、何を触らされるのか、どんなものなのか、分からずに、本当に触ることが怖かった。
先生が手を触るとすごい力で後ろに隠していました。
そんな事情も経験から分かるだけに、難しい問題だなと思っています。
でも「触ることは楽しいんだ」昔の私が徐々にそう思えたように、何か工夫したいな。
お母さんも子供さんも一緒に楽しく「触る力を磨くワークショップ」ぜひ来年はやりたいなと思いました。

一人のお母さんがおっしゃった
「子供たち、みんな幸せになってほしいね」
この言葉が胸にぐっときました。

今回埼玉盲での講演は、今の私の全力を出し切ったと思います。
もちろん後から「あれも話したかった」「これも伝えたかった」と思うことはあります。
それでも、あの2時間は全力でやれたなと思っています。
今まで、よかったところはいいから、悪かったところをもっと教えて、と思っていました。
自信を持つと調子に乗るのが私なので、自分への戒めとして悪い部分をたくさん知りたいと思っていました。
でも、今回あの場にいてくださった方に私の思いは届いた、と確信があります。
悪いことよりもよかったことをたくさん教えてもらって、もっといい物を作りたいなと思いました。
自信を持つことと、自信過剰になることは違う。
自信を持って謙虚でいたいなと思いました。

いつも一つ終わったら思うこと。
「次、どうしていこう」
もっといい物を作りたい。楽しいことをしたい。
この強いエネルギーに動かされているなと思っています。
埼玉盲学校の方々、本当に貴重な経験をさせていただきありがとうございました。
この記事へのコメント
コメントを書く
トラックバックの受付は終了しました

この記事へのトラックバック