さらにはSNSなど大人の見えないところでいじめは広がります。
そして、子どもはなかなか大人には話したがりません。
私自身、学生時代にいじめがあったということを人に話したのは30歳を過ぎてからですし、
親には直接言っていません。
だから、子どもの様子を見て、少しでも何か変だと思ったら気遣ってあげてほしいと思います。
具体的なサインとしてはイライラしたり、おどおどしたり、家族に八つ当たりするなど、外に向かって攻撃的になることがあります。 また、ご飯を食べられない、部屋に閉じこもりがちになるなど、内側にこもっていく場合もあります。頭痛や腹痛など、体調が悪くなることもあります。 評論家の荻上チキさんが代表理事を務める「ストップいじめ! ナビ」では、次のような「いじめ発見」チェックシートを作っているので、ぜひ参考にしてみてください。
■いじめによる子どもの異変をつかむポイント 家庭における「いじめ発見」チェックシート(※) ---------- 【言動・態度・情緒】
□ 1.学校へ行きたがらない。「転校したい」や「学校をやめたい」と言い出す。
□ 2.ひとりで登校したり、遠回りして帰ってくるようになる。
□ 3.イライラしたり、おどおどしたりして落ち着きがなくなる。
□ 4.お風呂に入りたがらなかったり、裸になるのを嫌がる。
□ 5.部屋に閉じこもることが多く、ため息をついたり、涙を流したりしている。
□ 6.言葉遣いが乱暴になり、家族に反抗したり八つ当たりをする。
□ 7.学校の様子を聞いても言いたがらない。友だちのことを聞かれると怒りっぽくなる。
□ 8.いじめられている友人の話、友だちや学級の不平・不満を口にするようになる。
□ 9.すぐに謝るようになる。
□ 10.無理に明るく振る舞おうとする。
□ 11.外に出たがらない。
□ 12.電話に敏感になる。友だちからの電話にていねいな口調で応答する。
□ 13.「どうせ自分はだめだ」などの自己否定的な言動が見られ、現実を逃避することや死について関心を持つ。【服装・身体】
□ 14.朝、腹痛や頭痛など、身体の具合が悪いと訴える。トイレからなかなか出てこなくなる。
□ 15.衣服の汚れが見られたり、よくケガをしたりするようになる。
□ 16.寝付きが悪かったり、眠れなかったりする日が続く。 【持ち物・金品】
□ 17.学用品や所持品、教科書を紛失したり、落書きされたり、壊されたりする。
□ 18.家庭から物品やお金を持ち出したり、余分な金品を要求したりする。 【その他】
□ 19.親しい友だちが家に来なくなり、見かけない子がよく訪ねてくるようになる。
□ 20.親の学校への出入りを嫌う。 ----------
※本チェックリストは、あくまで一例であり、各項目を確認することにより全てのいじめを発見できるという性質のものではありません。各ケースについては本チェックリストを参照しつつ、個別の状況を踏まえて検討する必要があります。このチェックリストは、「沖縄県いじめ対応マニュアル」(沖縄県教育委員会)、「いじめ早期発見のための家庭用チェックリスト」(綾瀬市教育委員会)等を参考に編集したものです。
■無理に理由を聞こうとしない 子どもが学校に行きたがらないとき、その理由をなかなか言いません。言葉にならない理由が複数あり、複雑に絡み合っているからです。 たとえば、スマホやゲームがしたいから学校に行かない、と言った場合、それは親を心配させたくないからかもしれません。深刻ないじめがあったと言えば、お母さんお父さんを悲しませるかもしれないし、情けないという気持ちにもなってしまいます。 また、つらい経験を話すと、そのときのことがまざまざと思い出されて、フラッシュバックが起こることがあります。子どもは忘れたいと思っているのに、聞かれて話すことで、忘れられなくなってしまうのです。 理由を聞いても、子どもが言いづらそうにしている。「学校でどんなことがあったのか話せる?」と聞いても、何も答えない。そういうときは、言いづらいんだなと考え、無理に聞こうとしないでほしいと思います。
■「なんで学校に行けないの?」はNGワード 「なんで学校に行けないの?」は代表的なNGワードで、子どもを追い詰める言葉です。 子どもとしては、説明がしにくかったり、まわりにわかってもらえないかもしれないと思ったりして、言葉に詰まることがあります。そこを問い詰められると、非常に苦しいのです。 そんなに苦しい状況にあるなら、ちゃんと話さないとダメだよと言う人もいるでしょう。 「なぜ苦しんでいるのか。それを自分の言葉として説明できるようにしないといけないよ」、私も実際にそう言われたことがありました。 なぜつらかったのかは後でたくさん口にするので、今は子どもの語りにまかせ、問い詰めるようなことはしないでほしいと思います。(後編に続く)
■無理に理由を聞こうとしない 子どもが学校に行きたがらないとき、その理由をなかなか言いません。言葉にならない理由が複数あり、複雑に絡み合っているからです。 たとえば、スマホやゲームがしたいから学校に行かない、と言った場合、それは親を心配させたくないからかもしれません。深刻ないじめがあったと言えば、お母さんお父さんを悲しませるかもしれないし、情けないという気持ちにもなってしまいます。 また、つらい経験を話すと、そのときのことがまざまざと思い出されて、フラッシュバックが起こることがあります。子どもは忘れたいと思っているのに、聞かれて話すことで、忘れられなくなってしまうのです。 理由を聞いても、子どもが言いづらそうにしている。「学校でどんなことがあったのか話せる?」と聞いても、何も答えない。そういうときは、言いづらいんだなと考え、無理に聞こうとしないでほしいと思います。 ■「なんで学校に行けないの?」はNGワード 「なんで学校に行けないの?」は代表的なNGワードで、子どもを追い詰める言葉です。 子どもとしては、説明がしにくかったり、まわりにわかってもらえないかもしれないと思ったりして、言葉に詰まることがあります。そこを問い詰められると、非常に苦しいのです。 そんなに苦しい状況にあるなら、ちゃんと話さないとダメだよと言う人もいるでしょう。 「なぜ苦しんでいるのか。それを自分の言葉として説明できるようにしないといけないよ」、私も実際にそう言われたことがありました。 なぜつらかったのかは後でたくさん口にするので、今は子どもの語りにまかせ、問い詰めるようなことはしないでほしいと思います。