ネットの記事より[2022年09月05日(Mon)]
小中高の夏休みが明ける8月下旬から9月上旬、再開する学校生活を重荷に感じる子どもたちがいる。朝、起きてこない。
おなかが痛くなる…。それらはSOSのサインかもしれない。
「学校を嫌がるそぶりがあれば迷わず休ませ、小さな声に耳を傾けて」。
わが子の不登校を経験した親たちは、自戒を込めて呼びかける。
「死にたい−」
2020年6月初めごろ。
新型コロナウイルス禍で約3カ月の長きにわたった一斉休校が明けると、当時小6の長女の悲痛な独り言を、福岡県に住む夫婦(ともに40代)は頻繁に耳にするようになった。
学校への拒絶反応は、小1の時から表れていた。
クラスで仲間外れにされたことがあり、頭痛や腹痛を訴えることが多く、聴覚過敏から教室の騒がしさも嫌がった。
しかし「死にたい−」の時は、心身の悪化がこれまでとは違った。
「登校できない自分」を責め、夜に眠れず、歩く動作でさえつらそうに見えた。
夫婦は長女を医療機関の精神科に連れて行き、放課後等デイサービスにも通わせながら、小学校卒業を迎えた。
ツイッターを通して絵を描く創作活動を、中学生になった長女は深めていった。
大好きなイラストレーターのサイン会に足を延ばすと、「そのままでいいんだよ」と自分の絵を認めてもらい、新たに通い始めたフリースクールでも自己肯定感が高まった。
今、中学2年。夫婦は「学校に行くほど自信が失われていた時期があった。
最初から、一緒に好きなことを見つけられたら良かったのかも」と振り返る。
福岡県の女性(51)の中1の長女は、不登校になっている。
小学校に入ってすぐ、「学校がきらい」と口にした。女性は登校してほしい一心でなだめ、通学に付き添い、夫は時に「学校に行かないなら家でゲームはさせないし、食事もないよ」と厳しくした。小5の20年、コロナ禍の休校が再開すると、長女は週1〜2日しか学校に行かなくなった。
女性は、同じような立場の親たちが集う会に参加してみた。
「家では自由にさせた方がいい。将来はちゃんと働けるから」といった声に、登校に縛られていた意識がほどけていった。
小6になり、長女は学校が嫌な理由を話してくれるようになった。
腰を折ってのあいさつを強要された。
げた箱に入れた靴が少しでも整っていないと注意された。
計算ドリルの全問をなぜ、3回も解かないといけないのか。
「大好き」と言った担任のことだけど、本当は叱るのが怖かった。
親に自分を受け入れてもらい、守られているとの安心を得て、初めて言葉にできたのだろう。
「想像を絶する傷つき方をしていた。こんな時は登校を無理強いするほど、さらに傷ついてしまう」と女性。親は悩み、苦しむ。
それでも休ませることが、子どもに最善の選択肢となり得ると今、思う。 (四宮淳平、小林稔子)
おなかが痛くなる…。それらはSOSのサインかもしれない。
「学校を嫌がるそぶりがあれば迷わず休ませ、小さな声に耳を傾けて」。
わが子の不登校を経験した親たちは、自戒を込めて呼びかける。
「死にたい−」
2020年6月初めごろ。
新型コロナウイルス禍で約3カ月の長きにわたった一斉休校が明けると、当時小6の長女の悲痛な独り言を、福岡県に住む夫婦(ともに40代)は頻繁に耳にするようになった。
学校への拒絶反応は、小1の時から表れていた。
クラスで仲間外れにされたことがあり、頭痛や腹痛を訴えることが多く、聴覚過敏から教室の騒がしさも嫌がった。
しかし「死にたい−」の時は、心身の悪化がこれまでとは違った。
「登校できない自分」を責め、夜に眠れず、歩く動作でさえつらそうに見えた。
夫婦は長女を医療機関の精神科に連れて行き、放課後等デイサービスにも通わせながら、小学校卒業を迎えた。
ツイッターを通して絵を描く創作活動を、中学生になった長女は深めていった。
大好きなイラストレーターのサイン会に足を延ばすと、「そのままでいいんだよ」と自分の絵を認めてもらい、新たに通い始めたフリースクールでも自己肯定感が高まった。
今、中学2年。夫婦は「学校に行くほど自信が失われていた時期があった。
最初から、一緒に好きなことを見つけられたら良かったのかも」と振り返る。
福岡県の女性(51)の中1の長女は、不登校になっている。
小学校に入ってすぐ、「学校がきらい」と口にした。女性は登校してほしい一心でなだめ、通学に付き添い、夫は時に「学校に行かないなら家でゲームはさせないし、食事もないよ」と厳しくした。小5の20年、コロナ禍の休校が再開すると、長女は週1〜2日しか学校に行かなくなった。
女性は、同じような立場の親たちが集う会に参加してみた。
「家では自由にさせた方がいい。将来はちゃんと働けるから」といった声に、登校に縛られていた意識がほどけていった。
小6になり、長女は学校が嫌な理由を話してくれるようになった。
腰を折ってのあいさつを強要された。
げた箱に入れた靴が少しでも整っていないと注意された。
計算ドリルの全問をなぜ、3回も解かないといけないのか。
「大好き」と言った担任のことだけど、本当は叱るのが怖かった。
親に自分を受け入れてもらい、守られているとの安心を得て、初めて言葉にできたのだろう。
「想像を絶する傷つき方をしていた。こんな時は登校を無理強いするほど、さらに傷ついてしまう」と女性。親は悩み、苦しむ。
それでも休ませることが、子どもに最善の選択肢となり得ると今、思う。 (四宮淳平、小林稔子)
