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互助移動支援活動のドライバーになるには? [2023年01月29日(Sun)]
互助移動支援活動を開始してから既に5年が経過しました。当初は試行錯誤でしたが、様々な経験をするうちに、ドライバーとしてのノウハウがかなり蓄積されてきました。

もし、地域社会でこの活動を希望する方がいらっしゃれば、以下の点について考慮すると、必ず続けることができると思います。

1.最低限の資格
 ・クルマの運転が好きなこと。
 ・任意保険は最大にかけることができること。
 ・フルタイムに近い形で活動できること。
 ・クルマには比較的最新の安全装置が付いていること。
 ・安全運転技術を習得すること。

2.どのように始めるか?
 ・利用者の募集(公的機関と連携するのが最初はベスト)
 ・任意の謝礼だけでスタートするのが良い。
  (ナッジ効果を最大に)
 ・嫌な利用者は断る。(送迎中は断れないが、予約段階で
  お断りするのは全くOK)
 ・絶対に謝礼額をドライバーから明示、あるいは示唆
  しない。あくまで利用者のお気持ち代。
 ・社会貢献活動であることを明確にする。例として年末募金
  などを行うことを説明する。
 ・地元のタクシー業界に一言ご挨拶する。
  (私は警察から勧められました。)

3.行き先は限定する。(効率よく複数の送迎をするため)
 ・医療機関、役所など公的機関、スーパーなど。
 ・送迎地域もおよそ片道20分以内の同じ市町村に
  限定する。

4.その他
 ・往復送迎を基本とするも、待ち時間が長い場合は
  一旦帰宅する。
 ・最初にこの送迎の趣旨を説明し、ご理解頂いた方だけ
  を送迎する。
 ・ご家族などからの本送迎の趣旨への同意は必須。
  (事故対応の際のクレーム回避のため)
 ・待ち時間を有意義にすごせる何かを持つ。
  (読書やゲーム等)

以上です。

互助移動支援活動を個人で行っているケースは稀かと思います。その際にネックとなるのは、

1.道路交通法への理解(これはかなり複雑怪奇)
2.事故への懸念の払拭(過大視すると活動はできない)
3.継続するための「互助」のルールの徹底
  (フリーライダー等への対策)

これらをきちんと整理し利用者にもご理解頂き、ドライバーも継続できるための何らかのインセンティブが与えられないと、継続することはかなり困難になってきます。

そのノウハウは、この5年間で溜まってきたと自負しております。各種、使用書類フォームも揃っております。これらのノウハウと書類は無償でご提供します。興味を持たれた方は遠慮なくご連絡ください。

ご質問だけでも受付中。
2022年の互助送迎の活動報告 [2023年01月03日(Tue)]
利用者の方々向けに、昨年度1年間の互助送迎の活動報告を行いました。以下、報告内容です。
                              2022年12月31日
                もろっこクラブ代表世話人  
            もろっこクラブ利用者の皆様へ

2022年度のもろっこクラブの活動実績についてお知らせ致します。

● 送迎回数:499回(ほとんどが医療機関の往復送迎でした。前年比118回減)
前年比で118回の減少となったのは、役場などからの新規希望者の受け入れ停止の効果、既存の利用者の自然減等が理由。来年度は300回程度を見込んでおります。

● 現継続利用者数:約12人。(治療終了者、施設入居者、死亡者、約2ヶ月以上送迎依頼ない方、こちらから送迎を辞退させて頂いた方は除いてあります。)

● 皆様からの貴重なカンパ(任意の謝礼)の使い道:
 ・クルマの維持管理費用(車検・点検、任意保険、自動車の  税金等):117536円。
 ・クルマの特別修理代 73436円。(後部ガラスが走行時に破裂―保険不適用)
 ・一時不停止の罰金 9000円。(普段Policeがいない場所で油断して捕まる。)
 ・電気代(+若干のガソリン代)71500円。
 ・社会福祉協議会への年末募金 30000円。
              計301472円。                 

● その他のお願いとご連絡:
  今一度、以下の互助送迎の趣旨のご理解とご協力をお願い致します。
・お互いに譲り合って乗車(相乗りや行きの時間調整、帰りのお迎えの際の時間待ち。)
・お約束の時間は出発の時間であること。(数分遅れても、玉突きのようなズレが生じることがあります。(交通渋滞等で5分以上遅れる時は、こちらから必ずご連絡します。)
・大雪・台風等で走行が危険な場合はキャンセルをお願いすることがあります。
・私自身の体調不良の場合は、お約束の送迎のキャンセルをお願いすることがあります。(極力、前日までにご連絡します。)
・送迎以外での悩みごとや知りたいこと(病気全般、医療―終末期もー、IT関連、後見人問題、人間関係その他)があれば、遠慮なく相談を持ちかけて下さい。もちろん料金は一切頂きません。
・今の携帯の番号(XXXXXXXX)が故障などで連絡不可となった場合は、もう1つの番号(YYYYYYYY)におかけ下さい。

以上です。

こうしてサマリーをしてみると、一人一回当たり600円ほどのクルマの維持費がかかっていることになります。今年度は300回程度にダウンするとすれば、600円が1000円となります。

この費用には、ドライバーが要した運転時間、待機時間、それに車両購入費が含まれておりません。従って、新規にこの活動をされる方は、その分の負担に耐えられるかどうかがポイントとなります。

普通に考えて、このような負担を長年にわたって継続することはほぼ不可能と言えます。

これが、欧米のようなライドシェア(ウーバーやリフト等)を禁じている日本の運輸行政の結果ですね。既存のタクシー業界に対する配慮をしているとしか思えません。筆者のやっている互助送迎に関する国交省の2022年3月のガイドラインをご覧いただければ分かりますが、まあまあ複雑なことこの上ありません。

https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/transport/content/001474492.pdf

このガイドラインに対するガイドラインがあるほどです。お役所が体系立てて作ってきた考えに沿って、虎の尾を踏まない(タクシー業界を怒らせない)ためには、あのような精緻な文章表現になるのだと思います。

筆者がやっている活動は、非常にシンプルです。任意の謝礼のみ。しかし、300円や500円ではこちらの負担感が強まることは、上記の数字をご覧いただければお分かりだと思います。でも、実際には100円、200円しか出さない方も(過去)にはいました。そうした方は、それとなく「排除」してきました。今年も一人排除することが決まった方がいます。

その方の排除の理由は、

1.帰りの電話があったので、「今送迎しているのでXXほどお待ち下さい。」と答えたのに、まだですか?の催促電話が二度ほどあったこと。(そんなに帰宅を急ぐなら、利用不可)
2.「明日利用するかどうか、後でご連絡下さい。」と言ってあったのに、当日の時間になっても連絡がないので、今日はどうするんですか?と尋ねて、やっと「お願いします」との返事。これでは、お互いに時間調整しながらやっているこの送迎活動が成り立ちません。

以上です。なぜ、排除しなければ、この送迎活動が続かないかは、皆さんおおよそ想像がつくかと思いますが、以前に読んだ本(アダム・グランドさんの『GIVE&TAKE』)の感想分の中で、次のような記述がありました。(筆者の活動はギバーです)

最も成功したギバーと最も成功していないギバーの違いは何でしょうか。これは本書で述べられているのですが、「自己犠牲型」か「他者志向型」かということでした。
「自己犠牲型」の場合、テイカーの食物にされることが多く、自分がどれだけ尽くしてもその見返りが帰ってこないこと(もともと見返りを求めていないことが多いですが)によって、自分が尽くしてもそれは結果には反映されないということが起こります。また、自分を犠牲にして人に尽くすことによって燃え尽きてしまうギバーもいます。これが、一見、ギバーっぽいギバーが成果を上げられない理由です。

「他者志向型」の場合、こちらも最初はギバーとして与え続けるのですが、相手がテイカーの場合、自分の関わり方をマッチャーに変更します。これによって、自分が誰に与えるべきか、そして誰とは関わらない方がいいかを選択しているのです。マッチャーとして振る舞うことで、自分が与えた分に対してテイカーから何もない場合は、そこでギブをやめます。自分の限られた時間とリソースを注ぐべき人に注ぐことで、信頼を構築しつつ成果にも反映させることができるのです。また、ギバーの行動原理は相手が喜ぶことという理由が多いので、ちゃんと自分の行動の結果がわかるマッチャーかギバーと関わっている方が、エネルギーが蓄えられ更に与えることができるので、どんどんパフォーマンスが高まっていくという流れです。

以上です。つまり、ギバーから、マッチャーに「変身」することしか、この活動を続ける方法はないことが、この5年間の活動でよ〜く分かった次第です。

NPOなどが行っている送迎活動は全国あちこちでたくさんの事例が報告されておりますが、国交省のガイドラインがあまりにきめ細かすぎるため、大きな広がりを見せているとはとても言えません。この状況を何とかしたいと常々考えてはいるのですが、何しろ、相手は国交省であり、泣く子も黙るタクシー業界です。自らの非力を改めて痛感しております。

でも、最後に訴えたいことがあります。このままでは移動手段のない高齢者は決して幸せな老後は送れません。そのためには、タクシー業界とも共存できる新しいモデル(介護や送迎だけではない)が必要です。マッチャー(お互いに助け合う)の新しいモデルが必要です。そのためのノウハウはこの5年間で十分に溜め込んできたつもりです。

どなたか、一緒にこのモデルの展開について考えませんか?
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