コロナワクチン接種の「効用関数」 [2021年07月24日(Sat)]
筆者が送迎を行っている高齢者で、最も重篤な基礎疾患を抱えた方がおります。
その方は、週1回は大学病院で1−2種類の輸血を2−4時間かけて受けております。その他に、以前から抱える基礎疾患として、ニトログリセリン常時保有が必要な心臓病、若いころからの喘息、足腰の疾患その他を抱えており、クルマに乗り込むのもやっとの状態です。 さて、その方がこの度、新型コロナワクチンの接種を受けることになりました。長年の主治医も了承したとのことです。 その方のお友達は、あんなにいつ死んでもいいような状態で、リスクを犯してまでワクチンを打たなくても良いのに、と危惧しております。 そこで、ワクチンを打つか打たないかを判断するための「効用関数」なるものを試算してみました。これは他にも人生において使える考え方です。 まず、コロナの最新の感染者数を今朝の新聞で確認すると、(日本の総人口は1億2千万人としております。) ● 罹患者総数 85万8503人(約千人に7人=10万人あたり約700人) うち死亡者総数 15052人。(10万人あたり約12人) 一方、ワクチン接種についての厚労省のデータ(2021年7月21日発表、データは7月11日現在)を見ると、 ● 接種者総数 3760万人 うち接種後の死亡者総数 667人(10万人あたり約1.7人) 但し、厚労省は3人を除いてはワクチン接種との因果関係は認められなかったと言っております。とりあえず、667人全員が接種による死亡と仮定します。 つまり、10万人あたり12人がコロナに罹患すると死亡するのに対して、ワクチン接種による死亡者は10万人あたり1.7人となります。約7倍のリスクがワクチンを忌避することによって生じることになります。しかも、これは基礎疾患を多く抱えるであろう664人(多くは高齢者)を全てワクチン死と仮定しての数字です。仮に、667人の半分しかワクチン接種死がなかったとすると、10万人あたりの死亡者は更に半減し0.8人程度に落ちます。そうするとワクチン接種を行わないと、コロナ感染によって15倍の死亡リスクを抱えることになります。 もう、明らかですね。ワクチン接種することにより死亡リスクが7分の1から15分の1に低減、場合によってはそれ以上の「効用」があることが示されました。 筆者も、あんなに重篤な基礎疾患を抱えていつ死んでもおかしくない状態なのに、ワクチン接種して大丈夫かな?との疑問を抱いておりましたが、効用関数という考えからは上記の結論が導き出されます。今日、特別に送迎を行いますので、そのことをご本人に伝えてあげようかなと思います。 但し、1点だけ念を押しておくことを忘れないようにしないと。。 それは、ワクチン接種が引き金となって早逝する可能性があるということです。基礎疾患を抱えて毎週輸血をしていても、まあ、あと1−2年は生きられるかも知れません。仮に、その間にコロナに罹ってコロリと逝っても、それまでの人生は「謳歌」できる訳です。その謳歌できたであろう人生の残り時間を「犠牲」にしても本望ですね?という点を、念のため本人に言い伝えて置かないと、ワクチンを打ったのでもっと人生を「謳歌」できると勘違いされても、それは筆者の「本望」ではありませんので。。。 追伸:本人に確認したところ、ワクチン打って急逝してもいいとのこと。そういう覚悟が出来ているなら、他人がとやかく言う筋合いはありませんね。しかし、身体が悪いお年寄りには人生の未練は余りないことが改めて分かりましたので、せめて、送迎中だけでもいい思いをさせてあげなければと思い直しました。(クルマだけは電気とガソリンで走る快適なものにこの5月に買い替えたので、皆さん、喜んでおります。) なお、ワクチンが直接の死因だと国が認定した場合は4420万円が支払われます。1級の障害者になった場合は年額505万円ほどが支払われます。 |