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NHKホールでのバッハ [2018年12月09日(Sun)]
昨日、久しぶりにコンサートに行ってきました。NHKホールです。
最近はすっかり遠ざかっているフェースブックの、いつもはうざい広告で、オールバッハプログラムがNHK交響楽団とヨーロッパからの合唱団の競演で開催されることを、たまたま知ったためです。

NHKホールは、ほとんど見たことがない年末の紅白歌合戦の使用ホールとして知ってはいましたが、訪れたのは初めて。
確か、改装をしたとかで、内部はまるで新装のコンサートホールのようでした。右側にはパイプオルガンが配置されておりました。ヨーロッパの本格的な教会のオルガン配置のように正面になっていないところが、NHKホールというホールの性格なんでしょうね。

久しぶりの生の演奏でまず感じたのが、当たり前ですが、音の解像度がCDなんかより格段に違うということでした。そして全体に音が柔らかい。残響も抑えられているのでしょう。これは一人ひとりの演奏者が音を奏でているのですから当然のことですが、そこでちょっと気になったのが、オーディオ装置では何故ライブのような音が出せないのかということでした。

CDでは録音技術によって音が随分と変わると言われており、確かにそうです。そして、解像度を上げるには、全くの素人考えですが、すべての楽器や声楽家に集音装置を付け、それをまとめればライブに近い音が得られるのではないかとも思うのです。実際にはそんなことはしていない。単に手間とお金がかかるという問題ではなく、そこには、「音場」というものが絡んでいるのではないかと思います。

コンサートホールで聴衆に届く音は、確かに、個々の演奏家が発する「音」の集合体ではあります。しかし、それ以上に大切なのは、その「音」を演奏会場全体でどのようにまとめ上げるかということではないかと思うのです。これがいわゆる「音場」ということになるのであれば、単に各演奏家が奏でる音を全部集めただけでは「音場」は形成されないのではと、思うのです。

つまり、もっとくだけた言い方をすれば、個々の音を集めただけではいわゆるハーモニー(調和)が生まれないとも言えます。

この個々の音を音楽性を備えたハーモニーにまで仕立て上げるのが指揮者の役割ではないでしょうか?

一人ひとりの演奏者は自分の楽器が奏でる音は間近に聴いているのでよく分かるけれども、他の演奏者が奏でる音は自分の位置取りから言っても歪んで聞こえる筈です。これは指揮者がいる理想的な位置であっても、観客に対してどのように聞こえるのかは100%定かではないのでしょう。だから、たまにリハーサルの時に、あえて観客席のちょうどいい座席に座って、ホール全体の「音場」の程度を観察している方がいますね。あの位置が多分聴くには理想的な位置だと思います。

指揮者はそのことも分かった上で、個々の演奏者が出す音の強弱や演奏でのポイントを詳細に指示を出しているのではないかと思います。

これは、コンサート会場だけの話ではなく、例えば、一般のビジネスにおける様々な部署の人間が集まる会議の場でも言えることではないでしょうか?まとめ役は、各人が出す意見(音)を全体としてハーモニーが最も美しくなるように調整する、個々の会議の参加者(演奏者)の力が最大限に発揮できるよう、他の参加者(演奏者)の意見を相互に踏まえながら、全体として最適な結論(音場)に導くことが要請されている訳ですね。

たまに「不協和音」しか出さない輩もいるようですが、これはもう排除する以外にはないですね。他の参加者のいい音(いい結論)を出そうとする意欲をそいでしまうからですが、注意しなければならないのは、他の参加者全体が同種(多様ではない)の偏向的な意見に「感染」しているとすれば、逆説的な意味で、素性の良い意見であっても、「不協和音」として処理されてしまうので、これはこれで注意しなければなりませんが。。

軍隊が、いわゆる「進軍ラッパ」として単一の素朴なトランペットのような楽器しか使わない理由も、このあたりにありそうです。

ちなみに、昨日の演奏会での収穫は、シェーンベルク編の前奏曲とフーガ変ホ長調BWV552をN響の100人(これ以上いたかも知れません。)の大編成オーケストラの迫力ある音を体感できたこと、それに、最後のアンコールでの合唱団の素晴らしいハーモニーに満ちた歌声を、それこそ「生」で体感できたことでした。

この歌声を聴いたお陰で、多分、寿命が10日は延びた??
タグ:コンサート
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