|
今回は「西多摩地域と森林ボランティアのこと」の続編として、いよいよ安全についての話がはじまります。西多摩地域だけに留まらず当時の森林ボランティア団体の安全に対する考え方が判るかと思います。 ケガと弁当は自分持ち? 現在、西多摩地域だけでも多数の森林ボランティア団体があり、今まで山作業をしたことのない人も気軽に様々な活動に参加できるようになりました。 しかし、当初の知り合い同士での活動から会員を抱える団体としての活動、広く一般に募集しての活動、行政主導の事業やさらにそれらをつなぐネットワーク団体と広がっていった時に重要視されたのは、「いかに高い技術を身に付けプロに近づくか」「いかに活動に参加する人を増やすか」「いかに森林ボランティアという活動を世聞に認知させ、広めるか」ということであり、「いかに安全に作業するか」ということはなおざりにされがちであった感は否めません。 そこには“多少の"ケガは起こってしまって仕方ないものという感覚があり、それを「ケガと弁当は自分持ち」という言葉に置き換えてそれぞれの自己責任ということにしてしまう傾向が見られました。 実際、一部では「危ない目」に遭っても、それを教訓として伝えていくのではなく「武勇伝」としてしまう風潮すらあったのも事実です。 そして、活動が長く続いていく内に「いままで起きていなかったのだからこれからも起きないだろう」という“慣れ"も出てきてしまったのではないでしょうか。 今では考えられないかもしれませんが、当時はヘルメットを持っていたボランティア団体は多くはありませんでした。 また、作業中のケガに関しては、"自分持ち"の言葉通り、治療費はもちろん自己負担、物損が発生した場合でも自己負担と言った状況が多かったと記憶しています。 今求められる安全管理 今まで“幸運にも"起こっていなかった大きな事故やケガは、いつ・どこで・誰に起こってもおかしくありません。いくら万全と思えるような準備をしたところで起こりうるのです。それは突発的な自然災害による防ぎようのないものかもしれません。「絶対、大丈夫」ということはありません。 安全管理においては、まず、活動中の事故やケガを未然に防ぐことが重要です。次に、起きてしまった時に迅速かつ正確に判断し、適切な対応を行うこと。加えて、事故時の5W1Hの記録や「ヒヤリ・ハット」の情報を残すこと。そして最も重要であり、かつ難しいことは、それらの情報を分析し、事故防止に役立てるフィードバックを行うことで継続的に安全管理を向上させていくことと言えるのではないでしょうか。 その実現のためには、団体内に安全管理を重点的に考える役割を作ることも方策の1つです。また、救急救命講習を受けることも大切ですし、作業に内在する危険を理解し、作業する皆で共有することは事故やケガの減少につながります。 保険や法律の知識を身に付けることも考えなくてはなりません。 各団体によって活動内容や年齢層、フィールドの特徴も様々です。それぞれの団体が、自分たちに適したオリジナルの安全管理が求められているのです。 ヒヤリ・ハットについても、収集されてもそのままだったり、スタッフ内で回し読みされる程度。 |




