【追悼】間違い電話から始まった深いご縁〜松井一郎さん〜 [2026年06月14日(Sun)]
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今年2月に西多摩自然フォーラムの久保田繁男さんをお見送りしたばかりですが、また一人、日本の森づくり活動、そしてボランティアの安全対策に生涯を捧げられた偉大な先達が旅立たれました。NPO法人森づくりフォーラムの前理事の松井一郎さんが、6月12日にお亡くなりになりました。
私たち「森の安全を考える会」にとって、松井さんは当会が現在の立ち位置を築くきっかけをくださった、恩人のような存在です。 一本の「間違い電話」から始まった奇跡的な出会い 松井さんとの出会いは、実は一本の「間違い電話」でした。私が別の「松井さん」と間違えて電話をかけてしまったのです。しかし、この偶然のミスをきっかけに、森づくりにおける安全について深く語り合うようになり、松井さんが所属されていた森づくりフォーラム主催のイベントなどへ参加させていただくようになりました。 2016年には、「森づくりフォーラムシンポジウム〜森づくり・野外活動の安全を考える〜」に、当会からパネリストとして登壇させる機会まで作ってくださいました。この間違い電話がなければ、今の「森の安全を考える会」はなかったと言っても過言ではありません。 不屈のリハビリが生んだ「手道具の安全講習」 松井さんは「大自然塾」や「森林インストラクター東京会(FIT)」で精力的に活躍されていましたが、その後、脳梗塞を患われ、利き手である右半身が不自由になられました。 しかし、松井さんは壮絶なリハビリと努力の末、左手で山作業用の手道具を使えるまでに回復され、そのリハビリ過程で「道具を使うための基本中の基本」を誰よりも深く再確認されました。 以降、主に手道具を安全かつ正しく使うための講習に力を注がれるようになりました。 当会でも一度、松井さんを講師にお招きして手道具の安全講習イベントを企画したことがありました。諸事情により開催は叶いませんでしたが、松井さんの安全への眼差しは常に私たちの活動の指針でした。 子どもたちの安全への情熱 松井さんのご活動は、東京都のプロジェクト、環境省、林業関係団体(林災防や国土緑化推進機構など)と多岐にわたり、市民ボランティアと行政・プロの現場を繋ぐ架け橋でした。 2015年(平成27年)に松井さんが「子どもたちと森のステキな出会いのために」の作成委員を務められた際、完成した冊子を私たちの元へ持ってきてくださった日のことを、今でも鮮明に覚えています。 「やっと子どもイベント向けの安全読本ができたよ」と、本当に嬉しそうに笑っておられました。「『転ばぬ先の安全白書』も引用したからね」と教えてくださったことも、誇らしく温かい思い出です。 最後に交わした言葉と、託されたバトン ここ数年は体調を崩され、表舞台から身を引かれていましたが、私個人は2021年の「東京都緑のボランティア指導者講習」で講師をされた際にお会いしたのが、松井さんとの最後の時間となりました。その時に松井さんからいただいた手ガマは、今も私の宝物であり、これからも現場で大切に使い続けていきます。 その後、松井さんからも私を森づくりフォーラムの理事(安全関連)にという強い要請をいただき、また先に旅立たれた久保田繁男さんからの推薦もあり、私は2024年より同フォーラムの理事に就任いたしました。 久保田さん、そして松井さん。お二人が私に託してくださった「保険・安全」というバトンの重みを、今改めて噛み締めています。お二人が愛した豊かな森、そしてそこで活動する人々の命を守るため、これからも「森の安全を考える会」は一歩一歩、確実な活動を続けてまいります。 松井さん、間違い電話から始まったたくさんの素晴らしい教えを、本当にありがとうございました。 どうぞ安らかにお休みください。 2026年6月14日 森の安全を考える会 代表 森中大晴 |




