終わらざる夏[2010年09月21日(Tue)]
2010年夏の話題作「終わらざる夏」(上・下 浅田次郎著 集英社 各1,700円税別)を読みました。
舞台となっているのは、千島列島の最北端の島、「占守(シュムシュ)島」。
私は、この名前を全く知りませんでした。
この作品は、第二次世界大戦の末期、日本がポツダム宣言を受入れた後、日本の領土であったこの島にソ連軍が上陸した史実をもとに、浅田次郎氏が書き上げた小説です。
ソ連軍が日本の無条件降伏後占守島に上陸し、日本軍とたたかったことなどの史実以外、登場する人物やストーリーは浅田氏の創作ですが、戦争、平和、人間について、考えさせられる作品と思います。
また、ソ連の極東進出の目的は不凍港を求めてのこと、ということは知っていましたが、千島列島の領有は、太平洋進出の海路確保のため、ということには、私は思いいたっていませんでした。
おそらく、学校の歴史教育では教わらなかったと思いますし、今でも、教えてはいないのではないでしょうか。日本と近隣諸国との領有権問題も、だれが住んでいたか、どの国が最初に国土として主張したかなどの歴史的経緯ももちろんありますし、200海里水域による海洋資源の問題もありますが、他国の領海を通過しなければ公海にでることができない国にとっては、領海あるいは公海に海路を確保する、ということは、海上輸送を考えるだけでも、その重要性の高さは、考えてみれば当たり前のことだということができるかもしれません。
もちろん、これによってソ連の行為が正当化されることはありませんが、世界各地で起きている領有権争いは、同様の理由が火種となっているのも事実と思います。
小説は事実ではないかもしれませんが、この小説のように、史実を曲げることなく、架空の人物によって、歴史の表面にあらわれることのない、おそらく現実あったことを想像させることによって、歴史を学ばせてくれるのも、小説の魅力だと思っています。
舞台となっているのは、千島列島の最北端の島、「占守(シュムシュ)島」。
私は、この名前を全く知りませんでした。
この作品は、第二次世界大戦の末期、日本がポツダム宣言を受入れた後、日本の領土であったこの島にソ連軍が上陸した史実をもとに、浅田次郎氏が書き上げた小説です。
ソ連軍が日本の無条件降伏後占守島に上陸し、日本軍とたたかったことなどの史実以外、登場する人物やストーリーは浅田氏の創作ですが、戦争、平和、人間について、考えさせられる作品と思います。
また、ソ連の極東進出の目的は不凍港を求めてのこと、ということは知っていましたが、千島列島の領有は、太平洋進出の海路確保のため、ということには、私は思いいたっていませんでした。
おそらく、学校の歴史教育では教わらなかったと思いますし、今でも、教えてはいないのではないでしょうか。日本と近隣諸国との領有権問題も、だれが住んでいたか、どの国が最初に国土として主張したかなどの歴史的経緯ももちろんありますし、200海里水域による海洋資源の問題もありますが、他国の領海を通過しなければ公海にでることができない国にとっては、領海あるいは公海に海路を確保する、ということは、海上輸送を考えるだけでも、その重要性の高さは、考えてみれば当たり前のことだということができるかもしれません。
もちろん、これによってソ連の行為が正当化されることはありませんが、世界各地で起きている領有権争いは、同様の理由が火種となっているのも事実と思います。
小説は事実ではないかもしれませんが、この小説のように、史実を曲げることなく、架空の人物によって、歴史の表面にあらわれることのない、おそらく現実あったことを想像させることによって、歴史を学ばせてくれるのも、小説の魅力だと思っています。
Posted by うっちー at 08:18 | 本・映画 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)