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«行くも来るも 西山中の春 | Main | 母と故郷の山に抱かれ眠る»
涙が止まらぬ曲と歌声 [2010年04月20日(Tue)]








曲を聴きながら声を上げ泣いていた。
初めての体験で、自分で自分に驚いた。
この三月、古希を迎えた男がどうした。
「齢のせいで涙腺がゆるくなっただけ」
と片付けられそうだ。気恥ずかしいが、
この不思議な出来事を記したい。

早起きのせいか、午後に睡魔が襲う。
背中にマッサージをかけながら20分
くらいの仮眠を取ることにしている。
短時間に集中的にぐっすりと眠れる。
この効能は疲労回復だけでなく、何倍
かの時間が夜に使える。まさに「黄金
のまどろみ」だ。その時、私は欲張っ
て、音楽をかけて横になる。
聴くのはお気に入りの歌手、五郎部俊
朗が歌う「日本のうた」のCD。
白秋の「この道」から始まり、日本の
歌が24曲収録されている。
仙台ではあまり知られていないが、五
郎部氏は北海道の中学校教師から声楽
家を目指し、イタリアで研鑽、数々の
国際コンクールで入賞の実績を持つ。
現在、藤原歌劇団に所属、活躍中。
彼の豊かに響く洗練された歌声は聴く
人の心を虚空に解き放してくれる。

夢の中に流れるメロディーは魂を揺さ
ぶり、本当に訳も無く涙がこぼれ落ち、
声を上げて泣いていた。不思議に心地
良く、澄み切った哀しさが満ちていた。
目が覚めてみると、いつもの12番目
の曲「荒城の月」が流れていた。
ぼおーっとした中で、その前の曲名を
見ると、滝廉太郎作詞・作曲の「月」。
あらためて聴いてみると、まさに夢で
聴いていた曲ではないか。覚睡した後
で感動が薄れていたが、何回も聴き直
しては、その余韻に浸っていた。

天才作曲家、滝廉太郎自身の歌詞によ
る曲は珍しく、思い入れが感じられる。
「ひかりはいつも、変わらぬものを、
殊更、秋の月の影は、などか人に物思
わする、ああ鳴く虫も同じ心か、声の
悲しき」いつも熟睡中で聴き逃してい
た曲に出会えたことに感謝したい。
間もなく桜の季節。妻の命日が来る。
そんな心情が下地にあったのかも知
れない。亡妻にも感謝しよう。
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コメント
滝廉太郎といえば青葉城へ月見で上った事を思い出します。 兄弟で急に思いついて、自転車に分乗し、角五郎町の家からでかけたのでした。月が煌々とさえわたり、眼下の仙台の夜景。そこで、吹きわたった尺八の音色・・・・これらが、私の「原風景」ですね。
Posted by: ねこ  at 2010年04月26日(Mon) 09:11