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仙台の下町オールウェーズの再発見 [2015年05月20日(Wed)]


震災以来、同居していた次男が職場に近いところへ引っ越した。
場所は小田原で宮町に接している。マンションやアパートが多
いが、昔からの旅館や大衆食堂、韓国料理、中華料理店がある。

引っ越し後にその一つ、小さな「ホームラン食堂」で夕食。
夫婦で忙しく働く側で、小さな女の子が二人遊んでいる。客と
馴染で、そのうちテーブルに寄りかかって居眠りを始めた。
何か映画「オールウェーズ三丁目の夕日」の一場面みたいだ。

独り者の引っ越しと侮っていたが、意外にも荷物が多く運ぶの
に手間取った。捨てるものも多かったが、新たに買い揃えたり
引っ越しはやはり大変だ。一番手こずったのはガスだ。一通り
説明を受けたものの、いざやるとなると思うようにいかない。
特に風呂の点火が難しい。何とか説明書を読み点火に成功した。

早速、半間四方の小さな風呂に入って見る。大阪の社宅を思い
出した。さて風呂上がりにテレビを見ようとするがさあ大変。
息子も私同様、機械いじりが苦手。二人して説明書を読みなが
ら、初期画面から始まり、ようやく映りだしたなと思ったら、
余計なボタンを押してまたやり直し。まさに賽の河原の石積み。
あきらめかけたらパッとついた。思わず歓声。缶ビールで乾杯。

この夜は一間のフローリングに布団を一枚敷いて泊まってみた。
何か新たな船出のような高揚感を覚える。そうだ。福島大学の
寮、下宿、新婚のアパート、鶴ケ谷の新築へ転居、大阪の社宅、
すべて引っ越しは人生の大きな転機であった。新しい出会いと
新たな世界が待っていた。

人生には思わぬ出会いがあるもの。契約書の貸主の名前を見て、
おやっ見覚えがあると直ぐにひらめいた。高校の同級生と同じ。
確か賀状の住所は宮町だったはず。不動屋さんに訊ねるとどう
やら間違いない。翌朝、彼から電話が掛かってきた。お互いに
「いや〜驚いたよ」。大家とこの下町の居酒屋で一杯やるか。

居酒屋と言えば、大学の友人に誘われて会合の後、文横即ち一
番町の文化横丁に出かけた。十何年かぶりで懐かしかった。
相変わらず肩を寄せ合うように、小さな店が軒を連ねている。
金曜日とあってか止まり木は満員。おばちゃん一人で世話を
している。お客さんからの差し入れといってイカ焼きを出す。
カラオケは常に3曲以上予約されていて、次々と回転良く歌
っている。二人ずれの若い女性客も負けずに歌っている。
共同トイレは2か所あり、あちこちの店から集まってくる。

仙台の中心街の一番町に昭和の時代をそっくり残した特区が
現存しているのは奇跡に近い。全国でも稀ではないだろうか。
息子の引っ越しで、仙台のオールウェーズに気づかされた。
高速で社会が動いている時代に、心を和ませる場所を何とか
大事に残しておきたいものである。



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