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山田流筝曲の真髄「曠の会」(こうのかい) [2012年12月29日(Sat)]



前から聴きたいと願っていた「曠の会」。ついに念願
が適い、東京は紀尾井ホールで聴くことが出来た。

山田流筝曲の演奏であるが、名だたる演奏家ばかり。
それに尺八が琴古・都山流の練達揃い。今回は12回
目で平家物語に関連する曲を7曲そろえた。

開幕曲は「嵯峨の秋」。糸方8名、尺八6名の総員で
の演奏。竹と糸がびんびんと響き合い歌が乗っていく。
山田流の迫力を存分に味わった。やはり山田は歌だと
感じたのは萩岡松韻、山登松和氏の声の良さであった。

しかし今回は新たな驚きがあった。それは宮城県出身
で仙台三曲協会にも所属している千葉真佐輝氏の歌の
上手さである。強弱の抑揚は裏声の繊細な美しさから
朗々たる低音まで自由に行き来する。これに歯切れの
良い筝の音が絡んで見事なハーモニーを紡ぎ出す。

萩岡先生についているとのことであるが、もはや誰に
も臆すること無い、名手の仲間入りをしたと私は見た。
芸大を卒業し、今は結婚して東京に在住している若手
であるが、宮城県が生んだ立派な芸術家になることは
間違いない。慢心を戒め、精進されんことを祈る。

歌の上手に、も一人出会った。三古谷裕氏である。
初めて聴いたが、素晴らしい声と歌い方である。「扇
の的」の三絃の手付けをしていた。尺八では徳丸十盟、
青木彰時の両氏と都山流では藤原道山氏の音色は大き
く緩急自在であった。

開幕時間までの2時間ばかり、上野界隈を歩き、疲
れが会場の暖房に溶け出してしまい、何度か眠りに
誘われたが、さすがにこれはという演奏には背筋が
ピンと伸びて聴き入ってしまった。3時間余の演奏
が終わると疲労感が溜まったが、質の良い芸術に触
れた充足感にも満たされていた。平家物語のせいか
街路樹の上の雲間の月は、か細くはかなげであった。
感興を抱いて、上智大の前を四谷駅に向かい歩いた。

今回はすぐ券が完売されるのを戸部先生が出演する
大間隆之師に依頼して券を手に入れることが出来た。
大間師は仙台に馴染みの先生である。人のつながり
の有難さを感じる。来年も是非、聴きたいものだ。

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