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老筝曲家1800キロを運転、筝寄贈 [2011年09月14日(Wed)]


仙台三曲協会のホームページに問合せが見つかった。
問合せは私のメールに接続していたが、番号の変更
があったのに、更新を忘れていたため2ヶ月も遅れ
て気が付いた。メールの内容は筝を被災した人に寄
贈したいので誰か紹介して欲しいとのことだった。
お詫びのメールを入れたところ、自分で探して筝を
すでに運んだと返事が来た。その内容を見て驚いた。
ご自宅の柏市から石巻の北上中学校まで往復900
`を筝2面を積んで運んだ。お歳を聞いてまた驚く。
運転したのは73才の女性筝曲家。同乗の旦那さん
は83才という。しかも日帰りしたそうだ。
運転時間はせいぜい1時間位しか持たない私には
とても想像が付かない。最初は名前を伏せていたが
何回かメールの交換をしている内にこの方は高名な
山田流の宗家で高野和之師であることが判明した。
私は何度か東京で三曲演奏会を聴くが、このお方は
大のファンである。背筋をピンと伸ばし、腹から搾
り出すようにして高音から低音まで実に味のある歌
い方である。筝も音が弾け飛んで来るような弾き方。
とてもピンと張り詰めた空気を感じる。

被災地の小野こう子先生を紹介したところ、また筝
を運んで来るという。その日は私が近所の小学校で
三曲の鑑賞と体験授業をすると言ったら是非、覗か
せてくれとメールが来る。そこでつい調子の乗った。
それでは来られたついでに演奏の一節でもお願いで
きないかとメールを送る。結果は真に汗顔の至り。
どんな演奏もお引き受けしますが、いい演奏を弾く
ために徹底的に練習をする。とくに子供たちに聴か
せる時は真剣になる。「ちょこっとやる」ということ
は性格上できない。この日はへとへとになっている
ので勘弁して欲しいと断られた。
真摯な返事はあの演奏振りからも充分に納得できる。
さあ、緊張感が走る。これまで楽しく子供と接して
いたが大先生の見守る中で果たして上手くいくのか。
2回の計、1800キロをかけて、ご自分の愛着あ
る筝を被災地の子供たちのために自ら運ばれる情熱。
このご夫婦の熱い眼が見守る授業やいかに。
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