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四季折々の雑記

 30年以上在籍したメディアでは「公」の動きを、その後10年以上は「民」の活動を中心に世の中を見てきた。先行き不透明な縮小社会に中にも、時に「民の活力」という、かすかな光明が見えてきた気もする。そんな思いを記したく思います。


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子供は親だけのものか? [2005年12月12日(Mon)]


 11月の某日、横浜市営地下鉄のある駅での出来事―。週末のこの日、たまたまマイカーを修理に出していたため地下鉄で駅近くの量販店に出掛け、最寄り駅のあざみ野に戻る途中だった。昼下がりのせいか、朝夕混雑するホームにほとんど客の姿はなく、電車の到着を待ちながらブラブラとホーム中ほどに進むと、幼い男女2人を連れた30代の夫婦と思われる一組がベンチにいた。
 「お前のような奴は・・」の大声で目を向けると、父親らしい男が4歳前後だろうか、年上と思われる男児を叱り、そのうちに激しい勢いで頭を叩いた。男の子は尻餅をつき、泣きながら近くにいた母親の元へー。
 私はここで母親が男の子を慰め、やさしく諭す光景を想像した。しかし現実には、母親も男の子の頬を張り飛ばし、男の子は転倒しさらに激しく泣いた。この後、夫婦は女の子を連れてホームの端に。男の子は仰向けになって泣き続け、戻った父親が「早く来んかー」と怒鳴りながら右手をつかんで引きずるように立たせ、再び頭を叩いた。
 さすがに見かね「ちょっと ちょっと」と声を掛けると「俺の子だ。文句あるかー」と一喝された。どんな事情があったのか分からないし、普段は優しい父、母である可能性も強い。直ちに「虐待」と非難するつもりはない。
 ただ自分の体験から言えば、父親が厳しく叱った場合、母親は優しく受け止めたほうがいい。そうでないと子供は逃げ場を失くす。同時に親が本気で腹を立てたのでは「しつけ」との境が無くなり、子供は救われない。
 まして「俺の子だから文句は言うな」と言われると、果たしてそうかと思う。私が育った田舎では子供は夫婦、一家の子であると同時に、村という共同体の“共有財産”的要素もあった。両親だけでなく、よそのオジさん、オバさんにもよく叱られ、逆にほめられもした。そうした中で次第に社会のルールを身に付けたように思う。次世代の社会を担うのは子供である。その意味で子供は「社会全体の子」でもあるはずだ。
 地域社会と人間関係の崩壊が指摘されて久しい。余計なお節介であったかもしれないが、男の子に対する夫婦の対応に苛立ちと余裕のなさを感じ、なにか寂しい気がした。
                                     (了)
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