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四季折々の雑記

 30年以上在籍したメディアでは「公」の動きを、その後10年以上は「民」の活動を中心に世の中を見てきた。先行き不透明な縮小社会に中にも、時に「民の活力」という、かすかな光明が見えてきた気もする。そんな思いを記したく思います。


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ミャンマー・ロヒンギャ問題 [2020年11月16日(Mon)]

NLD圧勝の総選挙で争点にならず
依然“解決の糸口”見えず
スー・チー氏が打てる手には限り



米大統領選の陰に隠れる形となったが11月8日、ミャンマーでもアウン・サン・スー・チー最高顧問兼外相の5年間を問う総選挙が行われた。同氏が率いる与党の国民民主同盟(NLD)が上・下院議席の過半数を獲得し引き続き政権を担うことが確実になった。個人的に注目したロヒンギャ問題は何らの争点にもならず、ロヒンギャの多くが住むラカイン州の投票も「治安上の理由」で見送られた。

2期目を迎えるNLD政権、とりわけ事実上の国家元首であるスー・チー氏には欧米各国から、これまで以上にロヒンギャ問題の解決に向けた働き掛け強まると思われるが、以前にもこの欄で触れたように、民主主義が確立した欧米諸国の目線で、民主化の途上にあるこの国に多くを求めるのは無理がある。敵意にも似たロヒンギャに対する国民感情はNLD支持者も含め一様に厳しく、当面、何らかの進展を望める状態にはない。

過去、何度かミャンマーを訪れるたびに国や州の役人、通訳、運転手らにロヒンギャ問題について尋ねたが、温厚なこの国には珍しく、ほぼ一様に激しい口調で「彼らはミャンマー人ではない」、「この問題は話したくない」と答え、排他的ナショナリズの強まりと冷静な議論の困難さを実感した。

今回の選挙では、政府が笹川陽平ミャンマー国民和解担当日本政府代表を団長とする選挙監視団の派遣を決め、その一員となっていたため、可能なら、この辺りの雰囲気を改めて確認したく考えていた。残念ながらミャンマーの新型コロナの感染拡大で監視団を最低人数に限定することになり現地行きは果たさなかったが、恐らく人々の反応に変化はなかったと思う。

人口約5300万人のこの国には約7割を占めるビルマ族のほか、公式に認められているだけでも135の少数民族が住む。しかし、ロヒンギャは「ベンガル系のイスラム」、「不法移民・不法滞在者」と位置付けら“少数民族の外”にある。ラカイン州では仏教徒であるラカイン人との衝突事件も頻発し、国連は17年8月に起きたミャンマー国軍による攻撃でラカイン州に住む100万人超のロヒンギャのうち70万人以上が隣国バングラデシュに逃れ難民生活を送っている、としている。

欧米各国や国際的な人権団体、メディアがミャンマー政府、特にこの国の民主化のリーダーで91年にノーベル平和賞も受賞したスー・チー氏に問題解決の期待を寄せたが、同氏は目立った動きや発言をせず、ノーベル賞の剥奪を求める署名活動も起きた。

今回の総選挙は国軍系の「連邦団結発展党」(USDP)など野党が新型コロナの感染拡大を理由に延期を求める中で実施され、ミャンマー選挙管理委員会は2019年1月以降、ラカイン州とチン州で起きた戦闘を理由に両州(計22議席)の投票を中止。市民権がなく移動の自由も持たないロヒンギャはもともと投票権や立候補権を持たず、ロヒンギャ問題は選挙戦でも完全に蚊帳の外に置かれた。

ミャンマーにとって喫緊の課題は国民和解に向けた停戦合意の実現である。この国では20近い少数民族武装グループが長い間、国軍と内戦を続け、カレン民族同盟(KNU)など10近くと停戦に合意したが、なお半数近くは交渉が続けられている。

国会議席の4分の1を国軍が持ち、国防や国内治安、国境問題を軍のコントロール下に置く憲法の規定もさることながら、ロヒンギャ問題に関してはNLDなど民主化勢力も軍の強硬姿勢を支持する雰囲気が強く、タイやインドネシアなど周辺国もロヒンギャの正規受け入れには否定的だ。こうした中でスー・チー氏が打てる手は限られている。ロヒンギャ問題は依然、解決の糸口さえ見えてこない、というのが実感だ。

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