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四季折々の雑記

 30年以上在籍したメディアでは「公」の動きを、その後10年以上は「民」の活動を中心に世の中を見てきた。先行き不透明な縮小社会に中にも、時に「民の活力」という、かすかな光明が見えてきた気もする。そんな思いを記したく思います。


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東京・渋谷からトイレ文化発信 [2020年09月17日(Thu)]

著名建築家ら16人が“競作”
公共トイレの活性化に一つの「解」
10カ国近くからオファーや照会


日本文化の発信地・渋谷で進む「THE TOKYO TOILET」プロジェクトに関心が高まっている。著名な建築家やデザイナー計16人が提案する斬新で個性的なトイレに外国メディアの関心も高く、早くもインドや中国、カナダなど10カ国近くから照会、引き合いが来ているという。プロジェクトはユニークな日本文化発信策としても注目をされそうだ。

IMG_1274.jpg

安藤忠雄氏デザインの「雨やどり」


プロジェクトでは、渋谷区内にある84カ所の公園トイレ、公衆トイレのうち17カ所を来年夏までに「誰もが快適に使用できるトイレ」に“刷新”する。9月7日には7カ所目となる建築家・安藤忠雄氏提案の神宮通公園トイレが竣工した。同公園は山手線脇に位置する小公園。完成したトイレは円筒形の上に庇が大きくせり出し、公園の緑の中に佇む姿から「雨やどり」=写真=と名付けられた。

15日には安藤氏本人が現地で会見。「公衆トイレについて、いろいろ問題を抱えている国は多い。美しい国・日本から、清潔で安心・安全なトイレを世界に発信できるといい」と、プロジェクトにかける思いを語った。

先行した6ヵ所も「現代の厠(厠)」をイメージ(恵比寿公園トイレ、インテリアデザイナー・片山正通氏)、普段は中が透けて見え鍵を閉めると外壁のガラスが不透明になるトイレ(代々木深町小公園など2ヵ所、建築家・坂茂氏)、日本の贈り物文化のシンボルである折形をヒントにした鮮やかな赤いトイレ(東3丁目公衆トイレ、プロダクトデザイナー・田村奈穂氏)など多彩。

プロジェクトにはこのほか、建築家の伊東豊雄、隈研吾、小林純子、坂倉竹之助、藤本壮介、槇文彦の各氏、デザイナーやディレクターの後智仁、佐藤可士和、佐藤カズー、NIGO、マーク・ニューソン、マイルス・ぺニントン各氏も参加、来年夏までに残る10ヵ所にも多彩なトイレが登場する。

安藤氏は同時に「人は汚れていないものは汚さない。2年後も美しいままであってほしい」とも付け加えた。プロジェクトでは日本財団、渋谷区、渋谷区観光協会が協定を結び、維持管理を徹底する方針だ。

トイレは性、年齢、国籍に関わらず誰にも欠かせない存在である。しかし街中にある公衆トイレや公園トイレは、ウォッシュレットの普及など“トイレ先進国”といわれる日本でも、暗い、汚いといった理由で敬遠されがちだ。

同様の悩みを抱える国は多く、パリや北京では観光政策も絡み公共トイレの美化計画が進められている。プロジェクトに対しては前述の3国のほかポルトガル、韓国、ナイジェリア、パプアニューギニアからも照会やオファーが来ているといわれる。

プロジェクトは優れた16人のクリエーターのアイデアとTOTOや大和ハウスの高い技術力が一体となって成り立っている。海外の高い関心はプロジェクトに問題解決の一つの「解」を見出してのことと思う。渋谷発のトイレ文化が内外に広く普及するよう期待する。
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