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四季折々の雑記

 30年以上在籍したメディアでは「公」の動きを、その後10年以上は「民」の活動を中心に世の中を見てきた。先行き不透明な縮小社会に中にも、時に「民の活力」という、かすかな光明が見えてきた気もする。そんな思いを記したく思います。


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歴史認識 [2014年01月14日(Tue)]
“内向きの時代は終わった”
積極的な発言こそ国を守る


日本の歴史認識に対する欧米各国の目線が厳しくなっている。安倍晋三首相の「戦後レジームからの脱却」に対する警戒感があるのかもしれない。しかし一番の原因は中国、韓国との情報戦に大きな後れを取っている点にある。内向きの時代は終わった。前回触れた安倍首相の靖国参拝も、結果だけを見れば中韓両国に日本攻撃の口実を与える“オウンゴール”のような気がするが、日本の考えを内外に伝えようとする積極的な姿勢そのものは評価したい。

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新春の霞が関


欧米の主要メディアの中には安倍首相を「ナショナリスト」、「歴史を美化する修正主義者」と批判する向きがある。戦後レジームからの脱却を、第2次大戦後、連合国側が作った国際秩序に対する挑戦と見る警戒感の表れとみていい。A級戦犯が合祀されているのを理由に、首相の靖国参拝を「日本の戦前回帰」、「軍国主義の肯定」とする批判も同じ流れにある。

中韓両国の日本攻撃には戦後の国際秩序、即ち第2次大戦での「戦勝国―敗戦国」の図式の維持を訴える限り、連合国メンバーだった国々は付き合わざるを得ない、といった強かな計算がある。ロシアが中国の呼び掛けを受け、「日本の一部勢力は、第2次大戦の結果をめぐり、世界の共通理解に反する評価をしている」と“遺憾の意”を表明したのも、この一環だ。

しかし仮に誰かが望もうと、日本の戦前への回帰や軍国主義の復活は有り得ない。中国人、韓国人に限らず、日本に来て、直にこの国を見たことのある人なら、そうした批判が程遠い現状を実感しているはずだ。自由と民主主義、豊かさに慣れ、責任・義務感が希薄になったこの国の国民、さらに政治家に軍国主義を鼓吹し、受け入れるような気概や土壌はない。笛吹けど踊らず、である。

しかし内外メディアの報道を見ると、「国家の指導者としての責務を果たした」(産経新聞)、「(靖国問題で)自らを被害者だと位置付ける中韓の主張は一面的な見解だ」(インドネシア・コンパス)といったいくつかの記事を除くと、「日本の右傾化と軍国主義の台頭に関する米国の懸念に決定的に油を注ぐ」、「日本のリスキーなナショナリズム」、「日中韓3国の関係改善を促していた米政府の努力を無にする行為」など概ね、批判・懸念を表明する論調が多数を占めるようだ。
 
中には、「安倍首相が“靖国参拝で中国との関係が悪化すれば尖閣をめぐる緊張が増し、集団自衛権の行使や憲法改正に追い風になる”と考えている」、「安倍首相が日米同盟を試しにかかっている」などと分析した記事も目に付いた。

これらの論調は言葉の上で一理あるとしても、日本の現状を考えれば絵空事でしかない。一度、自由で豊かな社会を知った国が、個人の自由を奪い、国家への奉仕を強制する社会に逆戻りするのは難しい。希望的な観測と言われるかもしれないが、筆者はそう考える。

日本の平和主義はもっと声高に主張されなければならない。中国や韓国が日本を封じ込め、外交上の譲歩を引き出す強力な武器でもある歴史認識問題を止めることは有り得ない。沈黙を守れば、国民の不満が増し、それこそナショナリズムの高揚、右傾化の危険が出てくる。

日本財団の仕事でインドや東南アジア諸国を訪れ、「独立できたのは日本のお陰」といった声とともに、「発言しないから誤解される」、「日本として、もっとメッセージを出すべきだ」といった指摘を何度も受けた。積極的な発言こそ、この国を守る最大の武器である。(了)
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