介護保険制度
厚生労働省レクチャー報告パートT
「介護保険法等改正案」
通常国会に法案提出3月以降に引き続き安全で安心な介護保障制度求める運動の継続、強化を!(中央社保協NEWSより)
中央社保協は、2011年1月7日、2010年12月に発表された「介護保険制度の見直しに関する意見」「介護保険法等の一部改正する法律案のポイント」等の内容について厚生労働省老健局からレクチャーを受け質疑を行い、29人が参加しましした。
厚労省の回答・説明は、「介護保険制度の見直しに関する意見」と、12月13日に「検討会」が発表した「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方について 中間まとめ」などを引用して行われ、「検討中」との答えが多くを占めるものでした。
法案提出は、負担増が見送られ、予算とは非関連法案の扱いとなりますので、3月以降になることが予想されます。
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質問/法案提出の目処、改正法の施行期日などについて。準備期間をどの程度見込んでいるか?回答(要旨) 法案提出の目途については、今のところよくわからないが、通常国会に出す予定である。
施行期日は、第5期と同時期とする。準備期間については、法成立後からの準備となるが、法案の審議時期がまったくわからないので回答できない。ただ、システム改修等が間に合わないのでは困るので通常国会で成立させることが必要。
システム改修は平成23年度に行うので23年度予算案で確保できている。介護保険法等改正案は、負担増が見送りなので、予算とは非関連法案の扱いとなる。
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質問/介護報酬等の見直しについて、社会保障審議会介護給付費分科会の検討時期など前倒しし本年4月から検討を開始する報道(昨年12月29日時事通信等)がなされているが、2012年度改定実施に向けた現時点でのスケジュールはどのように見込んでいるのか?回答(要旨) 全く未定である。平成21年度改正の時は、社会保障審議会介護給付費分科会では、9月頃から実質の審議を開始した。その前はヒアリング等を行っている。あの時は麻生政権で先に3%プラスが先に決まったので、年内に審議を終えた。今回はわからない。
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質問/法制化でなく省令・告示等で決められる
・多床室の施設利用者からの屋料徴収
・低所得の施設利用者の補足給付要件の見直し
については、厚生労働大臣が記者会見で述べたように「今回は利用者負担については上げないということでやるということです」(昨年12月24日)という立場が本当であるならば、当然行われないものと解するが、どうか?回答(要旨) こちらについては、今後、社会保障審議会介護給付費分科会の議論の対象になる事項である。現時点で、行われるか行われないかはわからない。
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質問/ユニット型個室の施設利用者の負担軽減及びグループホーム等利用者の居住費の軽減策について、社会保障審議会介護保険部会の「介護保険制度見直しに関する意見」をふまえて、今後どのように検討されるのか?回答(要旨) 「見直し意見」をふまえて、引き続き社会保障審議会介護給付費分科会の議論いただきながら検討する。
グループホーム等の軽減を補足給付でやろうとすると法改正が必要。その他の方法で行うこともありうる。
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質問/「介護保険法等の一部を改正する法律案(仮称)のポイント」では、「医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスが連携した要介護者等への包括的な支援(地域包括ケア)の推進」 とあるが、現時点で検討されている具体的な法改正内容はどのようなものか?回答(要旨) 社会保障審議会介護保険部会の「見直し意見」で示された「医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスが連携した要介護者等への包括的な支援(地域包括ケア)の推進」の内容にそって、その方向性で具体的に検討していく。
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質問/同じく「地域包括ケア実現のために、日常生活圏域ごとに地域ニーズを的確に把握した事業計画を策定」とあるが、具体的にどのような法改正内容となるのか。なお、第5期に向けた日常生活圏域ニーズ調査について、全圏域を悉皆調査するかどうかは「保険者判断」とされているが、ニーズ把握はどのようなルールを検討されているのか?回答(要旨) 昨年、ニーズ調査の方法等について保険者に示した。ただしこれは一律に義務でなく、趣旨に賛同するところはやっていただくということ。
法制化については、これまでは「お願い」できたので、努力義務的なことになる。
予算は、計画策定については交付税措置されているので、ニーズ調査してもそれを超えることにならない。
調査方法は国が示す方法で一律に行うものではない。ニーズ調査のプロセスは違いがあることは当然であると考えている。
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質問/同じく「 単身・重度の要介護者等に対応できるよう、24時間対応の定期巡回・随時対応型サービスや複合型サービスを創設」とあるが、サービス類型としては、地域密着型サービスか?回答(要旨) どのサービスに位置付けるかどうかは、今後検討する。「検討会」での議論は「30分以内で提供できる」とあるので地域密着型サービスが想定されるかもしれない。
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質問/同じく「地域密着型サービスの提供事業者の適正な公募を通じた選考」とあるが、具体的にどのような法改正内容となるのか。また、他のサービスについて、保険者裁量強化はないのか?回答(要旨) 現時点では、具体的な答えはできない。介護保険部会の「見直し意見」の指摘を踏まえながら今後検討していく。
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質問/「介護保険法等の一部を改正する法律案(仮称)のポイント」では、「保険者判断による予防給付と生活支援サービスの総合化」とあるが、地域支援事業と予防給付を一体化させる法改正なのか。また、その範囲と具体的な手続きについてはどのように構想しているのか。財源的に予防給付費と地域支援事業費をどのように整合させるのか?回答(要旨) 予防サービスと配食・見守り等 を一体的にサービス実施し、非該当者であってもうけられるようにするためのものである。そういう趣旨にそって、どういう制度にするかは検討中。サービスを縮小するという趣旨ではない。介護保険部会では給付と負担のありかたの議論があったが、財政を削減するという項目とは位置付けていない。保険者判断ということで、サービスを総合化することによって充実させるという趣旨。
個々の利用者の状態像と意向を踏まえて保険者が判断する。総合サービスを導入したところが一律に予防給付を減らすということではない。
地域支援事業は給付費の3%上限を外すのかについては、現時点では具体的には応えられないが、一律に減らすことは考えていない。総合サービスが「できても引き続き予防給付で」という自治体も出てくるだろう。実際総合化に手を挙げられる市町村はそんなにないのではないかと考えている。
厚生労働省としては、この項目は「財政ニュートラル」であり、増えるとか減るとか問題でない
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