三式簿記でひらく自主自立の道(7)
[2022年05月15日(Sun)]
簿記はどこから来て、どこへ行くのか
〜三式簿記でひらく自主自立の道〜

(2022.4.19)

(2022.5.3)

(2022.5.7)
巣作りから子作り、そして子育て
順調に育って、お父さんやお母さんは大忙し
巣立ちもそう遠くなさそうです♪

愚直に一歩、一歩、もう一歩
〜三式簿記でひらく自主自立の道〜
◆三式簿記でひらく自主自立の道(1)
◆三式簿記でひらく自主自立の道(2)
◆三式簿記でひらく自主自立の道(3)
◆三式簿記でひらく自主自立の道(4)
◆三式簿記でひらく自主自立の道(5)
◆三式簿記でひらく自主自立の道(6)
(昨日のつづき)◆三式簿記でひらく自主自立の道(2)
◆三式簿記でひらく自主自立の道(3)
◆三式簿記でひらく自主自立の道(4)
◆三式簿記でひらく自主自立の道(5)
◆三式簿記でひらく自主自立の道(6)
3.ブロックチェーンによる三式簿記とSDGs
持続可能な世界を実現するために、2030年までの世界共通の目標として17のゴールと169のターゲットで構成される持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)の基本理念は「誰一人取り残さない」(Leave no one behind: LNOB))である。
その意味で、近江商人の経営哲学である「売り手よし、買い手よし、世間よし」の「三方よし」の「世間」は自分たち以外の世間すべてだから、普遍的に正しい哲学である。
そして、宮沢賢治が『農民芸術概論綱要』(25)の序論に書き示した「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない/自我の意識は個人から集団社会宇宙と次第に進化する」、「正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである/われらは世界のまことの幸福を索ねよう」も普遍的に正しい思想である。
ブロックチェーンによる三式簿記は、借方・貸方の複式簿記に加えて3つ目の欄にブロックチェーンを追加する(26)ことで、当事者以外の第三者が常にそしてリアルタイムに取引をチェックし、高度の安全性と透明性を確保して信頼を高めるものである。
売り手、買い手以外の第三者として世間がかかわることで世界ぜんたいが幸せな社会の実現を目指すという意味で、ブロックチェーンによる三式簿記は「三方よし」の簿記であり、SDGsの基本理念「誰一人取り残さない」に合致するものといえる。
あらためて言うまでもなく、どんなに素晴らしい技術でも、技術を使う者の思想が社会にとって正しくなければマイナスになる。ブロックチェーンも然りであり、それゆえ、技術の活用を論じる以前の問題として思想が問われるのである。
ブロックチェーンによる三式簿記が実現すれば、不正や改ざんは直ちに発覚する。やっても無駄とわかればやらないので、審査や監査の業務も自ずと変わる。
助成金や制度融資も、事前確認に手間や時間を要せず実行されるし、金の流れが透明になるので実行した助成金や融資のフォローも容易になり、制度の趣旨に沿わない使われ方がされていないか確認できる。設備投資に係る税額控除や特別償却の適用を受けた資産も、適用後の状況を容易に追跡できる。
たとえば、コロナ感染拡大で2020年春から導入された無利子無担保融資(いわゆるゼロゼロ融資)も、融資実行後のフォローがないので、既存の借入の返済に充てても、銀行が紹介する金融商品に運用してもお咎めなしである。一方で、融資を受けた中小企業の経営が改善されていないと、返済猶予期間が終わって返済が開始されると資金繰り悪化の懸念がある。すでに厳しい状況に直面している中小企業も含めて、支援の対応が必要だが、個々の状況を確認できないと手が打てず、問題先送りである。
お金や会計と直接関係のないと思われる分野でも色々な活用が考えられる。
トレーサビリティ、在庫情報の共有などはよく知られたところだが、それ以外にもたとえば、学校などの教育、医療、介護や後見人などの福祉、社会保障、年金、保険、農林、畜産、水産、土木や建設、解体、不動産の売買や管理、マンションの管理組合、空き家や空き地、空き店舗など地域の活性、子どもや高齢者の見守りなどなど。
ブロックチェーンによる三式簿記は、このような社会が抱える多様な問題の解決に有用で、その可能性は無限にある。
問題(gap)に気づいて、問題解決のためにやるべき課題(action)を考え抜くには、社会に対する「関心」を高めねばならない。無関心は損である。
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(25) 『新・校本宮滓賢治全集』第13巻(上)、筑摩書房、1997
(26) タプスコット、前掲書、pp.96
持続可能な世界を実現するために、2030年までの世界共通の目標として17のゴールと169のターゲットで構成される持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)の基本理念は「誰一人取り残さない」(Leave no one behind: LNOB))である。
その意味で、近江商人の経営哲学である「売り手よし、買い手よし、世間よし」の「三方よし」の「世間」は自分たち以外の世間すべてだから、普遍的に正しい哲学である。
そして、宮沢賢治が『農民芸術概論綱要』(25)の序論に書き示した「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない/自我の意識は個人から集団社会宇宙と次第に進化する」、「正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである/われらは世界のまことの幸福を索ねよう」も普遍的に正しい思想である。
ブロックチェーンによる三式簿記は、借方・貸方の複式簿記に加えて3つ目の欄にブロックチェーンを追加する(26)ことで、当事者以外の第三者が常にそしてリアルタイムに取引をチェックし、高度の安全性と透明性を確保して信頼を高めるものである。
売り手、買い手以外の第三者として世間がかかわることで世界ぜんたいが幸せな社会の実現を目指すという意味で、ブロックチェーンによる三式簿記は「三方よし」の簿記であり、SDGsの基本理念「誰一人取り残さない」に合致するものといえる。
あらためて言うまでもなく、どんなに素晴らしい技術でも、技術を使う者の思想が社会にとって正しくなければマイナスになる。ブロックチェーンも然りであり、それゆえ、技術の活用を論じる以前の問題として思想が問われるのである。
ブロックチェーンによる三式簿記が実現すれば、不正や改ざんは直ちに発覚する。やっても無駄とわかればやらないので、審査や監査の業務も自ずと変わる。
助成金や制度融資も、事前確認に手間や時間を要せず実行されるし、金の流れが透明になるので実行した助成金や融資のフォローも容易になり、制度の趣旨に沿わない使われ方がされていないか確認できる。設備投資に係る税額控除や特別償却の適用を受けた資産も、適用後の状況を容易に追跡できる。
たとえば、コロナ感染拡大で2020年春から導入された無利子無担保融資(いわゆるゼロゼロ融資)も、融資実行後のフォローがないので、既存の借入の返済に充てても、銀行が紹介する金融商品に運用してもお咎めなしである。一方で、融資を受けた中小企業の経営が改善されていないと、返済猶予期間が終わって返済が開始されると資金繰り悪化の懸念がある。すでに厳しい状況に直面している中小企業も含めて、支援の対応が必要だが、個々の状況を確認できないと手が打てず、問題先送りである。
お金や会計と直接関係のないと思われる分野でも色々な活用が考えられる。
トレーサビリティ、在庫情報の共有などはよく知られたところだが、それ以外にもたとえば、学校などの教育、医療、介護や後見人などの福祉、社会保障、年金、保険、農林、畜産、水産、土木や建設、解体、不動産の売買や管理、マンションの管理組合、空き家や空き地、空き店舗など地域の活性、子どもや高齢者の見守りなどなど。
ブロックチェーンによる三式簿記は、このような社会が抱える多様な問題の解決に有用で、その可能性は無限にある。
問題(gap)に気づいて、問題解決のためにやるべき課題(action)を考え抜くには、社会に対する「関心」を高めねばならない。無関心は損である。
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(25) 『新・校本宮滓賢治全集』第13巻(上)、筑摩書房、1997
(26) タプスコット、前掲書、pp.96
この続きはまた明日

(2022.4.19)
(2022.5.3)
(2022.5.7)
巣作りから子作り、そして子育て
順調に育って、お父さんやお母さんは大忙し
巣立ちもそう遠くなさそうです♪
朝に種を蒔き 夕べに手を休めるな。
うまくいくのはあれなのか、これなのか あるいは、
そのいずれもなのかあなたは知らないからである。
コヘレトの言葉(11:6)/旧約聖書(日本聖書協会・共同訳)
うまくいくのはあれなのか、これなのか あるいは、
そのいずれもなのかあなたは知らないからである。
コヘレトの言葉(11:6)/旧約聖書(日本聖書協会・共同訳)

愚直に一歩、一歩、もう一歩

会計は算術ではなく、思想である
会計情報という数字を介して、経営との対話がはじまる。

会計情報という数字を介して、経営との対話がはじまる。