知識は知識なり、何を学び直すか
[2020年12月03日(Thu)]
日経電子版で今週月曜日から連載の『コロナと資本主義・再生への道』
第3回の昨日(12/2)は「大きな政府より賢い政府」
――(…)コロナ危機で再び政策をどう使いこなすかが問われている。
薄く広くのバラまき支援から、データ解析に基づいて
ピンポイントで戦略的に支援する海外諸国の動きが紹介されています。
非効率でムダが多い状態で生き残れないのは政府に限った話でなく、
規模の大きさより「賢さ」か問われるのは民間も同じです。
そして、ここに問われる「賢さ」とは、クイズ王のような知識の量でなく、
眼前のデータを基に「自分の頭で考える」知恵ではないかと……
PHP創刊号(1947年4月)より――
巻頭言「知識は知識なり」
そして本日(12/3)は「所得保障は最適解か、支えるのは新たな学び」
――(…)資本主義は変質した。経済の主役は製造業からデジタル産業に移り、

Move forward. With confidence.
With pride


愚直に一歩、一歩、もう一歩
立ち止まってはいられない
第3回の昨日(12/2)は「大きな政府より賢い政府」
――(…)コロナ危機で再び政策をどう使いこなすかが問われている。
分かってきたのは、規模ではなく、
「賢さ」こそが政策の効果を決めるということだ。
世界を見渡せば、政策のイノベーションを競う動きが始まっている。
(…)
非効率な分野に財政資金を投じた国は経済が停滞し、
膨張した公的債務の処理に苦しむだろう。
活力を求め、創意工夫を続けていく。資本主義の原点に向き合えるかどうかが、
国家の浮沈さえも左右する。
「賢さ」こそが政策の効果を決めるということだ。
世界を見渡せば、政策のイノベーションを競う動きが始まっている。
(…)
非効率な分野に財政資金を投じた国は経済が停滞し、
膨張した公的債務の処理に苦しむだろう。
活力を求め、創意工夫を続けていく。資本主義の原点に向き合えるかどうかが、
国家の浮沈さえも左右する。
薄く広くのバラまき支援から、データ解析に基づいて
ピンポイントで戦略的に支援する海外諸国の動きが紹介されています。
非効率でムダが多い状態で生き残れないのは政府に限った話でなく、
規模の大きさより「賢さ」か問われるのは民間も同じです。
そして、ここに問われる「賢さ」とは、クイズ王のような知識の量でなく、
眼前のデータを基に「自分の頭で考える」知恵ではないかと……
PHP創刊号(1947年4月)より――
巻頭言「知識は知識なり」
近代の物の考え方は、どうも知識や才能に余りにも重点を置き過ぎて、
それらが人間社会を動かしている様に思われる。
昔は人智未だ開けず、無知蒙昧の中にあって人々のめぐまれぬ生活は、
知識才能が発達するに従い著しく豊かになり愉しみの中に営まれるに至った。
その限りに於いて「知識は力なり」として全く尊いものであった。
然しやがてその尊さ有難さを重んじ過ぎるの余り、
知識さえ発達させれば間違いなく良い社会が出現すると考え、
知識の為に知識を求める事態にまで立到ってしまったのである。
誠に現今に於ては自分で使うために作り上げた知識の為に
却って人間が使われている様に思える。けれども
知識はあくまで知識であって決してそれ以上のものではない。
それは人間に使われる事によって始めて存在の意義を持ち得るのである。
故に如何程これを豊富に持ったとしても、
魂が磨かれて居なければ何等の役にも立たない。のみならず
智慧才覚が悪用される場合にはどんなに悲しむ可き結果が招来されるか、
此の度の戦争の起った原因の一半も
此の点にあったのではなかろうかと考えられる。
知識才能を磨く事のみによって人間が立派になれると言う如き従来の考え方を
断乎として打破するのでなければ、日本の再建は到底望み得るものではない。
それらが人間社会を動かしている様に思われる。
昔は人智未だ開けず、無知蒙昧の中にあって人々のめぐまれぬ生活は、
知識才能が発達するに従い著しく豊かになり愉しみの中に営まれるに至った。
その限りに於いて「知識は力なり」として全く尊いものであった。
然しやがてその尊さ有難さを重んじ過ぎるの余り、
知識さえ発達させれば間違いなく良い社会が出現すると考え、
知識の為に知識を求める事態にまで立到ってしまったのである。
誠に現今に於ては自分で使うために作り上げた知識の為に
却って人間が使われている様に思える。けれども
知識はあくまで知識であって決してそれ以上のものではない。
それは人間に使われる事によって始めて存在の意義を持ち得るのである。
故に如何程これを豊富に持ったとしても、
魂が磨かれて居なければ何等の役にも立たない。のみならず
智慧才覚が悪用される場合にはどんなに悲しむ可き結果が招来されるか、
此の度の戦争の起った原因の一半も
此の点にあったのではなかろうかと考えられる。
知識才能を磨く事のみによって人間が立派になれると言う如き従来の考え方を
断乎として打破するのでなければ、日本の再建は到底望み得るものではない。
知識と知恵。いかにも同じもののように考えられるかもしれない。
けれどもよく考えてみると、
この二つは別のものではないかという気がする。つまり、
知識というのはある物事について知っているということであるが、
知恵というのは何が正しいかを知るというか、
いわゆる是非を判断するものではないかと思う。
言いかえれば、かりに知識を道具にたとえるならば、
知恵はそれを使う人そのものだと言えよう。
お互い、知識を高めると同時に、それを活用する知恵を
より一層磨き、高めてゆきたい。そうしてはじめて、
真に快適な共同生活を営む道も開けてくるのではないかと思うのである。
「知識は道具、知恵は人」/松下幸之助『一日一話』(4/14)
けれどもよく考えてみると、
この二つは別のものではないかという気がする。つまり、
知識というのはある物事について知っているということであるが、
知恵というのは何が正しいかを知るというか、
いわゆる是非を判断するものではないかと思う。
言いかえれば、かりに知識を道具にたとえるならば、
知恵はそれを使う人そのものだと言えよう。
お互い、知識を高めると同時に、それを活用する知恵を
より一層磨き、高めてゆきたい。そうしてはじめて、
真に快適な共同生活を営む道も開けてくるのではないかと思うのである。
「知識は道具、知恵は人」/松下幸之助『一日一話』(4/14)
知識を与えるのは大事だが、
その知識を使いこなす人間を育てることがもっと大事。
『松下幸之助・日々のことば』(7/30)
その知識を使いこなす人間を育てることがもっと大事。
『松下幸之助・日々のことば』(7/30)
金がないから合理化をやるので、
金があり余るほどあれば合理化なんかやる必要はない。
合理化には知恵がいるが、
その知恵を補うために資本がいるというのならわかる。
しかし知恵の前に金が要るなんていうのは、合理化ではない。
合理化がいちばん遅れているのは人間の思想だと思う
「汗と創意」/本田宗一郎『ざっくばらん』
金があり余るほどあれば合理化なんかやる必要はない。
合理化には知恵がいるが、
その知恵を補うために資本がいるというのならわかる。
しかし知恵の前に金が要るなんていうのは、合理化ではない。
合理化がいちばん遅れているのは人間の思想だと思う
「汗と創意」/本田宗一郎『ざっくばらん』
習慣というものはおそろしい。
楽しい想い出はいつも晴れの日だ、という言葉がある。
よき時代のよき記憶は人間を保守的にする。一つ覚えると、
それに死ぬまで執着しているようなものである。やんぬるかな。
「自由化時代の経営学」/本田宗一郎『俺の考え』
楽しい想い出はいつも晴れの日だ、という言葉がある。
よき時代のよき記憶は人間を保守的にする。一つ覚えると、
それに死ぬまで執着しているようなものである。やんぬるかな。
「自由化時代の経営学」/本田宗一郎『俺の考え』
好むと好まざるとに拘らず、自由化時代は到来したのである。
自由化になったから泡食っていいものを作れでは、到底無理なのである。
自由化時代を勝ち抜くためには、道はただ一つしかない。
よいアイデアがなければ、いかに金貨の袋を抱いていても、
時代のバスに乗りおくれるのは必定である。
資本がないから事業が思わしくないとの声をよく聞くが、
それは資本がないからでなく、アイデアがないからである。
「自由化時代の経営学」/本田宗一郎『俺の考え』
自由化になったから泡食っていいものを作れでは、到底無理なのである。
自由化時代を勝ち抜くためには、道はただ一つしかない。
よいアイデアがなければ、いかに金貨の袋を抱いていても、
時代のバスに乗りおくれるのは必定である。
資本がないから事業が思わしくないとの声をよく聞くが、
それは資本がないからでなく、アイデアがないからである。
「自由化時代の経営学」/本田宗一郎『俺の考え』
どんなに賢く生まれついたと言っても、熱心さがなかったら、
その賢さが賢さとして、自他ともの恵みにはならない。
賢いと言い、愚かと言っても、人間におけるそのちがいは、
神の眼から見ればタカが知れている。それよりも
熱心であること。何事にも熱心であること。誰よりも熱心であること。
熱心から生まれる賢さが、自他ともに真の幸せを生むのである。
熱心は、人間に与えられた大事な宝である。そして、
この宝は誰にでも与えられているのである。
「熱心であること」/松下幸之助『続・道をひらく』
その賢さが賢さとして、自他ともの恵みにはならない。
賢いと言い、愚かと言っても、人間におけるそのちがいは、
神の眼から見ればタカが知れている。それよりも
熱心であること。何事にも熱心であること。誰よりも熱心であること。
熱心から生まれる賢さが、自他ともに真の幸せを生むのである。
熱心は、人間に与えられた大事な宝である。そして、
この宝は誰にでも与えられているのである。
「熱心であること」/松下幸之助『続・道をひらく』
そして本日(12/3)は「所得保障は最適解か、支えるのは新たな学び」
――(…)資本主義は変質した。経済の主役は製造業からデジタル産業に移り、
社会が雇用を生み出す力は弱まった。
ITなどの特別なスキルがないと働きたくても働けない時代が訪れつつある。
(…)
高まる「学び直し」のニーズ。それを商機へと変える動きが
市場メカニズムのなかから生まれ始めている。
(…)
コロナが強いた「巣ごもり」は経済のデジタル化を加速させた。
経済の構造は変われど、資本主義のなかで「働くこと」の価値は揺るがない。
ITなどの特別なスキルがないと働きたくても働けない時代が訪れつつある。
(…)
高まる「学び直し」のニーズ。それを商機へと変える動きが
市場メカニズムのなかから生まれ始めている。
(…)
コロナが強いた「巣ごもり」は経済のデジタル化を加速させた。
経済の構造は変われど、資本主義のなかで「働くこと」の価値は揺るがない。
仕事は自分のものではない。
世の中にやらせてもらっている仕事である。そう考えてこそ、
責任感と使命感と謙虚で力強い活動が生まれてくる。
松下幸之助『松翁論語』
世の中にやらせてもらっている仕事である。そう考えてこそ、
責任感と使命感と謙虚で力強い活動が生まれてくる。
松下幸之助『松翁論語』
自分の行なう販売(仕事)がなければ社会は運転しない
という自信を持て、そして、それだけに大なる責任を感ぜよ。
松下幸之助「商売戦術30カ条」(1936)
という自信を持て、そして、それだけに大なる責任を感ぜよ。
松下幸之助「商売戦術30カ条」(1936)
プロフェッショナルとは…
「今 自分がやっていることに対して逃げずに、
とことんそれに打ち込み、あきらめずに走り続けられる人」
自分を拾う、夢を運ぶ〜ゴミ収集員・岳裕介〜
「今 自分がやっていることに対して逃げずに、
とことんそれに打ち込み、あきらめずに走り続けられる人」
自分を拾う、夢を運ぶ〜ゴミ収集員・岳裕介〜
The dogmas of the quiet past are inadequate to the stormy present.
The occasion is piled high with difficulty,
and we must rise with the occasion.
As our case is new, so we must think anew, and act anew.
We must disenthrall ourselves, and then we shall save our country.
困難が次々に重なって高い山となっても、
我々はこの状況とともに立ち上がらなければならない。
私たちが直面する状況は新しいものだ。
だから、新たに考えねばならない。新たに行動しよう。
Annual Message to Congress December 1, 1862
by President Abraham Lincoln
The occasion is piled high with difficulty,
and we must rise with the occasion.
As our case is new, so we must think anew, and act anew.
We must disenthrall ourselves, and then we shall save our country.
困難が次々に重なって高い山となっても、
我々はこの状況とともに立ち上がらなければならない。
私たちが直面する状況は新しいものだ。
だから、新たに考えねばならない。新たに行動しよう。
Annual Message to Congress December 1, 1862
by President Abraham Lincoln

Move forward. With confidence.
With pride

実行家として成功する人は、
自己を押し通す人、強く自己を主張する人と見られがちだが、
実は、反対に、彼には一種の無私がある。
空想は孤独でもできるが、実行は社会的なものである。
有能な実行家は、いつも自已主張より物の動きの方を尊重しているものだ。
現実の新しい動きが看破されれば、直ちに古い解釈や知識を捨てる用意のある人だ。
物の動きに順じて自已を日に新たにするとは一種の無私である。
小林秀雄『無私の精神』
自己を押し通す人、強く自己を主張する人と見られがちだが、
実は、反対に、彼には一種の無私がある。
空想は孤独でもできるが、実行は社会的なものである。
有能な実行家は、いつも自已主張より物の動きの方を尊重しているものだ。
現実の新しい動きが看破されれば、直ちに古い解釈や知識を捨てる用意のある人だ。
物の動きに順じて自已を日に新たにするとは一種の無私である。
小林秀雄『無私の精神』

いつかはゴールに達するというような歩き方ではだめだ
一歩一歩がゴールであり、
一歩が一歩としての「価値」をもたなくてはならない
――坂村真民さんが好きなゲーテの言葉――
一歩一歩がゴールであり、
一歩が一歩としての「価値」をもたなくてはならない
――坂村真民さんが好きなゲーテの言葉――
いまだに昨日のスローガン、約束、問題意識が論議を支配し、
視野を狭めている。それらが、
今日の問題解決を阻む最大の障害となっている。
ドラッカー『新しい現実』
視野を狭めている。それらが、
今日の問題解決を阻む最大の障害となっている。
ドラッカー『新しい現実』
大切な一生である。尊い人生である。今からでも決しておそくはない。
おたがいに心を新たにして、
真剣勝負のつもりで、日々にのぞみたいものである。
「真剣勝負」/松下幸之助『道をひらく』
おたがいに心を新たにして、
真剣勝負のつもりで、日々にのぞみたいものである。
「真剣勝負」/松下幸之助『道をひらく』

愚直に一歩、一歩、もう一歩

立ち止まってはいられない
この続きはまたいつか
会計は算術ではなく、思想である
会計情報という数字を介して、経営との対話がはじまる。

会計は算術ではなく、思想である

会計情報という数字を介して、経営との対話がはじまる。