横を見ずに、前を向く
[2015年02月18日(Wed)]
今週は、中小企業大学校旭川校で研修です。
「キャッシュフロー経営で現場を変える!」をテーマに皆さんと共に学び、
習得した知識を自社に実践活用して「善い循環」をつくりあげていくことが目標です。
研修初日の昨日、午後の研修では「でんかのヤマグチ」の山口社長をお招きして、
山口社長の経営の生きる姿勢に学びました。
山口社長のお話をお聴きして受け止めたのが、
・自分の頭で考え抜いて決断(人に相談しても答えが得られなかった)
・自分の言葉で社員に語りかけて価値観を共有し、行動に導く
・自分たちの日々の行動でお客様に納得していただき、信頼を得る
以下、私のメモから...〆(゚_゚)
【1】Before
でんかのヤマグチさんは今年で創業50年
経済産業省「おもてなし経営企業選」で先進的モデル企業として紹介されていますが、
50年前の創業時からずっとお客様を大切にされてきました。
毎週土日にお店で開催しておられるお客様向けのイベントも、
一番古いのは1979年から取り組んでおられる「男爵いも祭り」で36年間続けておられます。
【2】黒船来襲「一歩出れば、量販店が6店舗」
1996年(19年前)量販店の相次ぐ出店、
量販店は価格が安い、店が大きく品揃えも豊富、駐車場も広い、
6店舗の量販店進出の中で、どうやって生き残るか
メーカーや先生方に相談するも良い答えは得られない
自分で考えるしかないと、夜も寝られぬぐらい悩み、考え抜いた
しかも、量販店が進出する前の3年間(93〜95年)は赤字、
借入も2億近くあって返済負担もあったが、社員は家族、リストラはしない
【3】After――経営の舵取りを売上第一から粗利重視へ
売上は30%落ちると予測(根拠なし)
それでも社員の雇用を守って生き残るには粗利を上げるしかない
当時25%だった粗利率を10%上げて35%にする「目標」を立てた
粗利率を10%上げて35%にするには10年必要と見込んだ
量販店とは逆のことをやってみるか――高売り
量販店にできないことをやる――徹底したサービス
◆ヤマグチ 4つのモットー/でんかのヤマグチ
<採算向上に向けた基盤づくり>
☆商圏をぐっと狭めた(商圏から外れたお客様は顧客台帳から外す)
☆5年間お取引のないお客様も顧客台帳から外す
☆値切り倒すお客様も顧客台帳から外す
結果、3分の2のお客様が外れて、
狭い商圏でサービスの違いのわかるお客様に絞り込む
絞り込んだお客様に選ばれ続けるために、お客様と向き合ってサービスの「価値」を高める
さらに、
☆取扱商品はパナソニック製のみ(お客様からの他社製品オーダーには応じない)
☆掛け販売の中止(お金をもらって初めて売れたことになる)
――決して、お客様の言いなりではない
<どんぶりからの脱却>
☆それまでは年に一度の決算(売上第一で、決算したら赤字)
☆売上計画を粗利計画に切り替えたのを機に、月次決算へ
☆1年も経たないうちに、月次決算では遅いことに気づく
☆月次決算で評価しても既に一か月過ぎてしまっている
☆月次決算と並行して日次決算(日次で粗利管理を徹底)
☆当初は粗利益額で管理していたが、額と率はクルマの両輪であることにすぐ気づく
<お客様との厚い信頼関係の構築>「息子・娘よりヤマグチ」
☆量販店にできないことをやる
☆お客様のために、お客様の「お困りごと」を何でもやらせていただく
☆本業と関係のないこと(裏サービス)はお金をいただかない
☆担当が変わってもヤマグチの社員ならみな同じとお客様にご信頼いただく
しかし、ヤマグチは役所ではない
お客様に喜んでいただくだけでなく、本業で実績を出す
サービスの値打ちのわかるお客様は納得し、信頼関係は強まる
今のお客様に徹底してサービスすることが何よりの新規開拓
離れるお客様や自然減もあるが、新しいお客様も毎月あり、
結果として1割程度がゆっくり入れ替わっている
☆ポスティングはするが、量販店にできないことをアピール
☆本業以外の裏サービスや週末のイベントはお客様向け(新規獲得の手段にしない)
【4】結果
☆10年を要すると思っていた35%の粗利率は8年で達成
☆現在の粗利率は40%
☆粗利額の目標は未達があっても、粗利率は常に目標を上回って達成してきた
☆30%ダウンを予想していた売上は12年後に22%ダウン、その後は微増
☆量販店進出後の19年間(1996年〜)連続の黒字
☆銀行借入の呪縛に解き放された
もし高売りの決断をしなければ、おそらく社長が予想された売上ダウンになって
粗利益率も量販店との価格競争の渦に巻き込まれて25%の維持はおろか、
量販店並みの15%になっていたかも・・・
であれば、でんかのヤマグチの「今」はなかった
もし量販店が進出しなかったとしても、
量販店進出前と同じ経営(売上目標で年次決算を締めたら赤字)を続けていたら、
でんかのヤマグチの「今」はなかった
☆社長や社員は、量販店のチラシを見ない、店にも近づかない
(もしかするとヤマグチのお客様も見ない?近づかない?)
「キャッシュフロー経営で現場を変える!」をテーマに皆さんと共に学び、
習得した知識を自社に実践活用して「善い循環」をつくりあげていくことが目標です。
研修初日の昨日、午後の研修では「でんかのヤマグチ」の山口社長をお招きして、
山口社長の経営の生きる姿勢に学びました。
山口社長のお話をお聴きして受け止めたのが、
・自分の頭で考え抜いて決断(人に相談しても答えが得られなかった)
・自分の言葉で社員に語りかけて価値観を共有し、行動に導く
・自分たちの日々の行動でお客様に納得していただき、信頼を得る
以下、私のメモから...〆(゚_゚)
【1】Before
でんかのヤマグチさんは今年で創業50年
経済産業省「おもてなし経営企業選」で先進的モデル企業として紹介されていますが、
50年前の創業時からずっとお客様を大切にされてきました。
毎週土日にお店で開催しておられるお客様向けのイベントも、
一番古いのは1979年から取り組んでおられる「男爵いも祭り」で36年間続けておられます。
【2】黒船来襲「一歩出れば、量販店が6店舗」
1996年(19年前)量販店の相次ぐ出店、
量販店は価格が安い、店が大きく品揃えも豊富、駐車場も広い、
6店舗の量販店進出の中で、どうやって生き残るか
メーカーや先生方に相談するも良い答えは得られない
自分で考えるしかないと、夜も寝られぬぐらい悩み、考え抜いた
しかも、量販店が進出する前の3年間(93〜95年)は赤字、
借入も2億近くあって返済負担もあったが、社員は家族、リストラはしない
【3】After――経営の舵取りを売上第一から粗利重視へ
売上は30%落ちると予測(根拠なし)
それでも社員の雇用を守って生き残るには粗利を上げるしかない
当時25%だった粗利率を10%上げて35%にする「目標」を立てた
粗利率を10%上げて35%にするには10年必要と見込んだ
量販店とは逆のことをやってみるか――高売り
量販店にできないことをやる――徹底したサービス
◆ヤマグチ 4つのモットー/でんかのヤマグチ
<採算向上に向けた基盤づくり>
☆商圏をぐっと狭めた(商圏から外れたお客様は顧客台帳から外す)
☆5年間お取引のないお客様も顧客台帳から外す
☆値切り倒すお客様も顧客台帳から外す
結果、3分の2のお客様が外れて、
狭い商圏でサービスの違いのわかるお客様に絞り込む
絞り込んだお客様に選ばれ続けるために、お客様と向き合ってサービスの「価値」を高める
さらに、
☆取扱商品はパナソニック製のみ(お客様からの他社製品オーダーには応じない)
☆掛け販売の中止(お金をもらって初めて売れたことになる)
――決して、お客様の言いなりではない
<どんぶりからの脱却>
☆それまでは年に一度の決算(売上第一で、決算したら赤字)
☆売上計画を粗利計画に切り替えたのを機に、月次決算へ
☆1年も経たないうちに、月次決算では遅いことに気づく
☆月次決算で評価しても既に一か月過ぎてしまっている
☆月次決算と並行して日次決算(日次で粗利管理を徹底)
☆当初は粗利益額で管理していたが、額と率はクルマの両輪であることにすぐ気づく
<お客様との厚い信頼関係の構築>「息子・娘よりヤマグチ」
☆量販店にできないことをやる
☆お客様のために、お客様の「お困りごと」を何でもやらせていただく
☆本業と関係のないこと(裏サービス)はお金をいただかない
☆担当が変わってもヤマグチの社員ならみな同じとお客様にご信頼いただく
しかし、ヤマグチは役所ではない
お客様に喜んでいただくだけでなく、本業で実績を出す
サービスの値打ちのわかるお客様は納得し、信頼関係は強まる
今のお客様に徹底してサービスすることが何よりの新規開拓
離れるお客様や自然減もあるが、新しいお客様も毎月あり、
結果として1割程度がゆっくり入れ替わっている
☆ポスティングはするが、量販店にできないことをアピール
☆本業以外の裏サービスや週末のイベントはお客様向け(新規獲得の手段にしない)
【4】結果
☆10年を要すると思っていた35%の粗利率は8年で達成
☆現在の粗利率は40%
☆粗利額の目標は未達があっても、粗利率は常に目標を上回って達成してきた
☆30%ダウンを予想していた売上は12年後に22%ダウン、その後は微増
☆量販店進出後の19年間(1996年〜)連続の黒字
☆銀行借入の呪縛に解き放された
もし高売りの決断をしなければ、おそらく社長が予想された売上ダウンになって
粗利益率も量販店との価格競争の渦に巻き込まれて25%の維持はおろか、
量販店並みの15%になっていたかも・・・
であれば、でんかのヤマグチの「今」はなかった
もし量販店が進出しなかったとしても、
量販店進出前と同じ経営(売上目標で年次決算を締めたら赤字)を続けていたら、
でんかのヤマグチの「今」はなかった
☆社長や社員は、量販店のチラシを見ない、店にも近づかない
(もしかするとヤマグチのお客様も見ない?近づかない?)
横を見ずに、前を向く
山口社長のお話、とても勉強になりました
この続きはまた明日
この続きはまた明日
半端なサービスでは自ら絞ったお客様に選ばれないので、
でんかのヤマグチさんのサービスに徹する姿勢は見事ですし、
単に喜んでいただくだけでなく、
実績をしっかり出しておられる仕組みなど勉強になりました。
これからも互いに高め合いましょう!