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2018年11月12日

【助成事業報告・No2】竹澤由佳

日頃より、三澤基金の運営へのご協力ありがとうございます。
助成第2号事業の竹澤由佳さんの、事業報告書を掲載致します。

◆助成第2号◆
竹澤由佳(個人・東京都)

◆申請事業◆
TOMODACHI ADA25 LEAD ON! TOUR


◆助成決定額◆
250,000円


◆目的・概要・効果等◆
ADA(障害を持つアメリカ人法)25周年を記念して、アメリカ・ワシントンDCで記念式典やイベントが行われた。この式典に合わせ、日本から若手障害当事者がADAの歴史と社会に与えた衝撃を体感するために、ツアーが組まれた。このツアーに参加することにより、日本の障害者運動に資するエッセンスやヒントを会得し、今後の活動へ還元する。また、プロジェクト名にある「TOMODACHI」を作ることも今回の大きな目的であり、特に自分が精神障害者であることから、見た目にはわからない障害をもち、かつ女性である活動家との繋がりを重視した。


◆事業時期・内容◆
2015年
7月24日 成田発。故マイケル・ウィンターさんのパートナー、桑名敦子さんと会食。
25日 ワシントンDCアクセスチェック。ウォーターフロントのフィッシュマーケットで初めてキャッシュで買い物を経験。日本の友人5人で。
26日 フリーダムバス到着イベント。ADAの立役者である故ジャスティン・ダートさんのパートナー、淑子・ダートさんと対面。
27日 NCIL会議出席。夜、ADA祝賀会出席。
28日 国会議事堂へのマーチ参加。
29日 日米若手障害者交流セミナー参加。ランチセッション参加。
30日 米日カウンシルTOMODACHIイニシアチブの事務局の方と会談。
   夜、ジュディ・ヒューマンさんと会食。
31日 ワシントン発、帰国
9月18日 帰国後合宿1日目
19日 帰国後合宿2日目


◆事業成果◆
ADA祝賀会とその後のフリータイムで、てんかんの当事者であるクリスティーナ、内部障害の当事者であるメイディー、化学物質過敏症のスーザンとTOMODACHIになった。見た目にわからない障害者同士、名刺を交換し、今後の継続的な交流(主にメール)を約束した。
出立前、周囲に「精神障害者は時差や長時間のフライトに耐えられない」と言われてきたが、13時間のフライトも乗り越え、ツアーに参加することができた。
ADAの意識の根付くアメリカ社会を体験した。具体例として、視覚障害の人がレストランに入ると、従業員が壁をトントンと叩きながら誘導(どこに壁があるか知らせてくれていた)、駅のエレベーターで車いすの人を優先的に使用させてくれた、車いすタクシーが予約しやすかった(街中に当たり前に走っているのですぐに予約できた)、街中の小さなピザ屋にもスロープが完備されていた。
こうした光の部分の一方、一般の宿泊客に「ADAって何?」と聞かれたり、駅のホームドアが皆無だったり、レセプション時に精神障害者などが休憩できる場所が無かったりと、課題も見えた。影の部分ともいうべきこの課題は、日本の障害者運動にも通じる部分がある。障害者の問題は障害者だけではなく社会全体で取り組むべきで、そういう意味では制定から25年経ったADAにもまだ改善の余地はあると考えてよいだろう。
また、「自立」の概念の違いを実感した。日本ではあらゆる制度(手当や生活保護など)を駆使して地域で暮らすことを重視するが、アメリカでは「いかに働くか」に重きをおいているように感じられた。この違いは、ADAをそのまま日本の制度にスライドできない所以でもあるだろう。どちらがよい、ということではなく、その国の風土や文化に合った制度作りが重要なのだと感じた。
日本の差別解消法や虐待防止法、障害者基本法などもまだまだいわゆる「身内」だけが深く認識している状況で、これを変えるには一般市民をいい意味で巻き込んでいく必要がある。今後の課題をGETしたという意味でも意義深いツアーとなった。


◆経費収支内訳◆
収入:三澤了基金 250,000円
   自己資金: 100,000円
   合計    350,000円
支出:ADA25ツアー参加費:251,500円
   旅行保険   8,140円
   ESTA     1,770円
   通信費    12,276円
   事前合宿費  14,140円
   現地交通費  20,560円
   現地食費  22,446円
   被服費    12,960円 
   雑費      7,708円
   合計    350,000円


◆今後に向けて◆
ADA制定の歴史には、黒人解放運動・女性運動などのバックボーンがある。日本にも障害者運動の系譜が確かに存在する。アメリカへ行ってみて、改めて日本の歴史を学びなおす必要性を痛感した。必要な本や資料をどんどん読み、運動の先達に会い、学びを深めたい。また、女性リーダーの活躍の輝かしさを目の当たりにし、非常な刺激を受けた。障害者として、女性として、一人の人間として自分の人生を自分で切り拓くという決意のもと、今までのやや受動的だった姿勢を見直し、失敗を恐れずに様々な物事にチャレンジしていきたい。今後は交渉や運動の場にもっと積極的に関与し、自分なりの課題を解決し、立ち向かう姿勢(LEAD ON!)を忘れずに活動していきたい。


◆助成報告書はこちらからご覧いただけます(PDF)◆


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三澤了基金では、多くの方々の賛同と支援をいただきながら、
新しい時代を担う次世代の障害者リーダーを育てるための事業を募集しております。
今後とも皆様のご支援、そして積極的なご参加をどうぞよろしくお願い申し上げます。
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