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2020年03月16日

【三澤了さん追悼集より】横田弘さんと三澤了さん対談記事

三澤了さん追悼集より、DPI日本会議機関誌Vol.22-2(2006年発行)より転載した特集記事「障害者の『生』と『尊厳死』」より、2013年にお亡くなりになった横田弘さんと三澤さんの対談記事を再掲載します。

キャプチャ.PNG

本日、相模原市の殺傷事件の地裁判決が出されます。
公判は16回にわたって開かれました。
そのたびに、被告から出される差別的な言葉の一つ一つが文字になり、ニュースになり、多くの人が口にすることで、また心を痛め、再び事件を振り返る。
そのような年月を過ごしてきた方が、とても多かったのではないかと思います。

「障害者は当たり前に生きていってはいけないのかという、それだけですよ。」
横田さんの言葉で締められた対談は、事件が起きる10年前に行ったものです。
いま、また多くの方にご一読いただきたいと思います。

◇記事はこちらからご覧いただけます(PDF)◇
※大変申し訳ありませんが、PDFデータはテキストが挿入されていません。
 ワード版はこちらからダウンロードできます。


横田弘(よこた・ひろし)さん
1933年、横浜市生まれ。難産による脳性マヒのため不就学。60年、脳性マヒ者の組織「青い芝の会」に参加。64~67年、障害者解放コロニー「マハラバ村」に参加。この間に結婚、長男誕生。70年に起きた、障害児殺しの母親に対する減刑嘆願運動反対の取組みを皮切りに、「青い芝」神奈川県連合会の一員として、映画『さようならCP』制作・上映、バス乗車拒否に対する闘争、優生保護法改定反対運動、養護学校義務化阻止闘争など、障害者の生存権確立運動を展開。
2013年6月3日、80歳のお誕生日を迎えられた翌月に逝去。



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2020年03月02日

【助成事業報告・No12】NPO法人自立生活センターSTEPえどがわ

日頃より、三澤基金の運営へのご協力ありがとうございます。
助成第12号事業のNPO法人自立生活センターSTEPえどがわの事業報告書を掲載致します。

◆助成第12号◆
NPO法人自立生活センターSTEPえどがわ(団体・東京都)

◆申請事業◆
若手障害者のファンドレイジング体得プロジェクト

◆助成決定額◆
258,790円

◆事業担当者◆
曽田夏記さん(当事者スタッフ)

曽田さん:前列の左から1人目(報告会資料より).png
曽田さん:前列の左から1人目(報告会資料より)

※申請内容については、助成決定記事をご覧ください。


◆事業の目的・概要・効果等◆
(1)事業の目的
若手障害者が経営資源を獲得するための体系的な手法を体得し、ファンドレイジングのプロセスを通じ障害者運動へのサポーター層を広く獲得すること。
(2)概要
@本申請者(担当者)が、ファンドレイジング協会が主催する「ファンドレイジングスクール」を受講し、ファンドレイジングの知識・手法を体系的に習得。
A本申請者(担当者)が習得した内容を踏まえ、所属団体(STEPえどがわ)のファンドレイジング戦略を策定・実施。
B上記Aで実践した結果について、自立生活センター等の関係者に対し報告会を実施。

◆事業時期・内容◆
(1)ファンドレイジング・スクールの受講
・2018年5月12日〜2019年1月19日
・ファンドレイジングに関する基礎的な知識を体系的に習得し、自団体のファンドレイジング戦略を策定した。
(2)報告会「これからの障害者運動のためのファンドレイジング入門」の実施
・2019年4月12日(金) 13:30〜15:30  場所:東京都障害者福祉会館
・ファンドレイジングの基礎知識と、自団体のファンドレイジング戦略を発表。
 多様な団体から約50名が参加した。

◆事業成果◆
(1)申請者(担当者)がファンドレイジングの知識を体系的に習得した
ファンドレイジング・スクールにおける受講や課題提出などを通じ、ファンドレイザーとして必要な知識を体系的に習得することができた。期間中、スクールの修了要件である「准認定ファンドレイザー」の資格も習得した。
(2)自団体のファンドレイジング戦略を策定した 
スクールの修了要件である「自団体のファンドレイジング戦略」を、ファンドレイジング協会のコンサルテーションを受けつつ、担当者・理事を交え策定した。また、本事業終了後の実践に向け、自団体内での説明会を踏まえ、「ファンドレイジング準備委員会」を団体内で設立した。
(3)障害者運動におけるファンドレイジングの活用について、関心が高まった
上述の報告会の実施を通じ、自団体だけではなく、多様な団体がファンドレイジングについての関心を高める機会を設けることができた。限られた時間ではあったが、ファンドレイジングの基礎知識等についても共有することができた。
(4)多様な団体・人材とのネットワークを構築した
ファンドレイジング・スクールへの通年通学を通じ、同期である約30名の多岐にわたるNPO関係者と出会い、ネットワークを構築することができた。多様な社会運動のあり方に触れ、「他流試合」を繰り返すことで、良い意味で「障害者運動」を他の活動と比較しながら見つめる視点を得ることにもつながった。


◆経費収支内訳◆
■収入:三澤基金助成金 258,790円
(270,000円の助成だったが、残金を返金)

■支出:
 ファンドレイジングスクール受講料 216,000円
 資料印刷代(報告会)         8,790円
 情報保障費(報告会・点字資料作成) 34,000円


◆今後に向けて◆
 まずは、策定した自団体のファンドレイジング戦略を着実に実施したい。
 その上で、自団体の実践から得られたファンドレイジングのノウハウについて、継続的に他団体にも共有し、自身や自団体だけではなく、障害者運動全体に裨益するようにしていきたい。特に、DPIについてはCILと異なり寄付集めがより重要となってくること、自身が特別常任委員であることに鑑み、積極的に貢献したい。
 ファンドレイジング協会が現在実施している講座について、内容が非常に有益であるにも関わらず、情報保障等の面で十分な配慮がなされていないと感じた。また、横文字等の使用も多く、参加しづらい印象がある。私たちが合理的配慮を求めつつ参加することで、よりインクルーシブな環境になっていくと感じた。

資料
1.STEPえどがわファンドレイジング戦略レポート(PDF)
2.報告会「これからの障害者運動のためのファンドレイジング入門」発表資料(PDF)

◇助成報告書はこちらからご覧いただけます(PDF)◇



┏────────────────────────────────────────┓
三澤了基金では、多くの方々の賛同と支援をいただきながら、
新しい時代を担う次世代の障害者リーダーを育てるための事業を募集しております。
今後とも皆様のご支援、そして積極的なご参加をどうぞよろしくお願い申し上げます。
┗────────────────────────────────────────┛


2020年02月10日

「帽子と電動〜三澤了の軌跡〜」をご覧いただけます

当基金および助成事業設立のきっかけとなりました「三澤了さんの遺志を継ぐ会」において、
皆さまにお配りした追悼集「帽子と電動〜三澤了の軌跡〜」の
データ版を掲載しました。

三澤了の軌跡.jpg

今後、こちらに掲載されている寄稿文や記事を、
ブログの方にも転載してまいります。

今年は、三澤さんが生涯かけて取り組んできた「障害者差別解消法」の見直しや、
国連障害者権利委員会での日本の初回審査など、大きな動きのある年です。

三澤さんや、共に活動してきたリーダーたち、
そして、バトンを受け継いだ現リーダーたちの思いがたくさん詰まった言葉を、
ぜひ、たくさんの方々にお読みいただきたいです。

こちらからダウンロードすることができます(PDF)


┏────────────────────────────────────────┓
三澤了基金は、活動に賛同いただきました皆さまからの寄付金で
助成および運営しております。
助成事業を申請いただいた際には、ひとつひとつ、
基金設立の主旨に立ち返り、審査をしています。

この基金からの助成は、多くの方々からのご支援をお預かりした”資金”であり、
今後の活動や将来へのステップとなるよう
大きな期待を寄せているということを常に意識して、運営して参ります。
┗────────────────────────────────────────┛


posted by ayano sato at 18:07| Comment(0) | TrackBack(0) | お知らせ

2020年01月27日

【助成事業報告・No11】六モクテキノカイ

日頃より、三澤基金の運営へのご協力ありがとうございます。
助成第11号事業の六モクテキノカイの事業報告書を掲載致します。

◆助成第11号◆
六モクテキノカイ(団体・愛知県)

◆申請事業◆
このmeを守る!その1〜ホーム転落ゼロへのシンポジウムと擬似ホーム体験

◆助成決定額◆
50,000円

◆事業担当者◆
寺西善彦さん(会長)

171205毎日新聞社.PNG
2017年12月5日毎日新聞ウェブ版より

※目的・概要・効果については、報告書(全文)および助成決定記事をご覧ください。

◆事業時期・内容◆
■2017年12月2日(土)
名古屋駅周辺の移動安全調査(概要のB)
■2018年2月10日(土)
イベント「このmeを守る!その1〜ホーム転落ゼロへのシンポジウムと擬似ホーム体験」開催(概要の@A)、参加者へのアンケート依頼。
※シンポジウムのプログラムは、こちら(ワードファイル)。

■2018年5月16日(水)
12月の安全調査、2月配布アンケートの集計結果を踏まえ、関係機関へ要望書を提出。鉄道会社へは、シンポジウムの記録(テープ起こししたもの)を同封。
※アンケート(すべてワードファイル)
鉄道関連
商業施設

要望書提出機関は以下7社(すべてワードファイル)
名古屋市交通局
東海旅客鉄道株式会社
名古屋鉄道株式会社
近畿日本鉄道株式会社
JPビルマネジメント株式会社
三菱地所株式会社
ジェイアールセントラルビル株式会社

◆事業成果◆
 ホームの安全をハード・ソフト両面において総合的に問題提起するイベントを通し、白杖使用者の生の声を集約し、関係機関への要望として社会へ働きかけを行った。また、諸機関との関係を構築することで、より安全で快適な移動環境の確保の重要性を、継続的に広く社会へ発信するための体制作りの一歩とすることが出来た。

◆経費収支内訳◆
□収入: 73,000円
 三澤基金助成金 50,000円
 参加費     23,000円

□支出: 75,327円
 会議費  9,900円(会議室:港区生涯学習センター、市民活動推進センター)
 謝礼  23,564円(シンポジスト3名、司会、会場費見合)
 印刷費 6,499円(チラシ、当日資料、要望書等)
 備品   7,164円(封筒、用紙類、綴じ紐、腕章等)
 交通費 24,000円(シンポジスト3名(1名大阪より)、司会、スタッフ6名、ボランティア4名)
 通信費  2,280円(要望書等送料)
 保険料  1,920円(ボランティア行事保険)

◆今後に向けて◆
視覚障害の二大障害「移動」と「情報取得」の困難の解消、二大障害のために制限される事象の解消のため、ひいては全ての人に住みやすい社会構築のため、会の名称ともなっている下記六つの目的を要し、from the blind(視覚障害者からの発信) の視点による啓蒙活動等を引き続き行う。
1. 気ままに外出(安全で自由に外出できる移動環境の確保)
2. 良質な情報(情報保障)
3. 気さくな人間関係(相互理解)
4. 気楽に娯楽(余暇の充実)
5. 職の安定(就職はもとより、特性を活用した自立した働き方)
6. 触察文化の発信(五感をフル活用)

◇助成報告書はこちらからご覧いただけます(PDF)◇



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三澤了基金では、多くの方々の賛同と支援をいただきながら、
新しい時代を担う次世代の障害者リーダーを育てるための事業を募集しております。
今後とも皆様のご支援、そして積極的なご参加をどうぞよろしくお願い申し上げます。
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2020年01月06日

【助成事業報告・No10】全日本ろう学生懇談会

日頃より、三澤基金の運営へのご協力ありがとうございます。
2020年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

助成第10号事業の全日本ろう学生懇談会の事業報告書を掲載致します。

◆助成第10号◆
全日本ろう学生懇談会(団体・大阪府)

◆申請事業◆
海外研修プロジェクト

◆助成決定額◆
330,000円

◆事業担当者◆
森本 健さん(会長)

※目的・概要・効果、プロジェクト責任者については、報告書(全文)および助成決定記事をご覧ください。

◆事業時期・内容◆
2017年8月26日 日本出発
ハノイろうクラブ定期集会にて.jpg
27日 ハノイろうクラブ定期集会に参加・講演会開催
28日 ハノイろう学校見学・ろう学校にて講演会開催
29日 ダナンへ移動
ダナンろう学校にて.jpg
30日 ダナンろう学校(CDS)見学・授業体験(幼稚部・小学部)
31日 ろう学校で授業体験(幼稚部・小学部)・ろう者が経営するお店の見学(エンパワメント)
2017年9月1日 ホーチミンへ移動・ホーチミンろうクラブと交流
2日 ビンズオンろう学校見学・南部ろうあ者大会打ち合わせ
南部ろうあ者大会.jpg
3日 南部ろうあ者大会開催・日本人講演会と日本人企画開催
4〜5日 戦争証跡博物館などに赴きベトナムの歴史・伝統を学ぶ
6日 帰国 
2018年3月3日 報告会開催(東京)


◆事業成果◆
 今回の海外研修プロジェクトは、責任者3名、研修者5名の計8名で実施した。全日本ろう学生懇談会として初めての試みということもあり、責任者は4月から丹念に準備を進めてきた。具体的には、以下の通りだ。
@研修者の選考(本会会員より公募→面接による選定)
A会計予算案の作成
B期間中のスケジュール決定(現地のろうクラブ・ろう学校との交渉や宿泊地手配など)
Cプロジェクト内容の考案(講演・授業体験・交流内容等を組み立て)
Dポロユニフォーム作成などの準備
E研修者のコーディネート(顔合わせ、企画内容の話し合いなど)
 大まかに述べると以上に分けられる。責任者が全日本ろう学生懇談会で培ってきた知識と経験を活用し、研修者とも力を合わせながら出発当日までにすべての準備を行うことができた。加えて、本会卒業生でもある藤田康平さんにスペシャルアドバイザーとして今回のプロジェクトの準備段階から見て頂いた。それには、私たちが学生であるという点から「プロジェクトの内容に間違いはないか」という不安があったからだ。実際に、改善できる点などご指摘をいただいたことも今回の成功につながったと考えている。
 
 そして、今回のプロジェクトを通して、研修者は大きな成長を遂げることができたと責任者一同強く感じている。ベトナムは日本と比べてろう者に対する社会的支援は少ないことを学び、研修者は、ろう者の社会的現状や就労状況などを深く考えることができた。そして、自分の置かれている環境を変えようと奮闘するベトナムのろうコミュニティの様子を実際に見てみたり、交流を深めたりすることで、ろう活動に対する視野を広げることができた。また、コミュニケーションに関して、ベトナムの手話と日本の手話の違いを感じたり、「話すこと」の楽しさを覚えたりして、研修者自身のコミュニケーション能力を高めることにもつながった。
 さらに、責任者が想定していなかった効果も生まれた。それは、研修者同士の衝突によって集団行動の在り方について考える機会を得られたことだ。今回の海外研修は10日以上にも及び、責任者も含め研修者同士のコミュニケーションや考え方に摩擦が生じる場面が多くあった。しかし、それは一人ひとりの「より良い海外研修プロジェクトにしたい」という思いに連なるものであり、そのような摩擦をむしろ好機と捉え、連夜話し合いの場を持った。「考えをぶつけあう」という経験から、集団行動のためには何が必要かを考え、最後にはお互いに納得し、いい笑顔で本研修を締めることができた。

 ベトナムのろう社会・教育・文化の学び、コミュニケーション能力の育成、集団行動と様々な学習効果を本研修においてもたらすことができ、研修者だけでなく責任者も含めてそれぞれなりの学びを得て無事に帰国することができた。

 なお、3月に実施した「全日本ろう学生懇談会設立20周年記念パーティー」に際して、本研修において交流したベトナムのろうクラブ幹部2名を日本に招き、本研修のお返しとして日本のろう社会・教育・文化を紹介した。相互のろうコミュニティの進歩に繋がったものと考えている。


◆経費収支内訳◆
収入:三澤了基金  330,000円
   研修者集金  160,500円
   団体事業費  300,000円
   ステッカー利益  600円
        計 791,100円

支出:
旅費交通費: 470,128円
(航空券支給、交通費支給、ホテル宿泊費、現地交通費)
会場借用代: 100,000円(南部ろうあ者退会会場費)
報告集製作費: 49,100円
その他事業費:203,954円
計 823,182円

※差引差額分については、団体会計より補填。     
※詳細は報告書(全文)を参照ください。


◆今後に向けて◆
「海外研修プロジェクト」は2018年度も引き続き実施することができ、2019年度も継続して実施する予定である。全日本ろう学生懇談会の役員改選に伴って、「海外研修プロジェクト」の責任者は交代するが、引継ぎを綿密に行い、今後より一層確固たるプロジェクトにしていく所存である。


◇助成報告書はこちらからご覧いただけます(PDF)◇



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三澤了基金では、多くの方々の賛同と支援をいただきながら、
新しい時代を担う次世代の障害者リーダーを育てるための事業を募集しております。
今後とも皆様のご支援、そして積極的なご参加をどうぞよろしくお願い申し上げます。
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2019年12月16日

【助成事業報告・No9】全国障害学生支援センター

日頃より、三澤基金の運営へのご協力ありがとうございます。
助成第9号事業の全国障害学生支援センターの事業報告書を掲載致します。

◆助成第9号◆
全国障害学生支援センター(団体・神奈川県)

◆申請事業◆
インクルーシブ教育運動を担う若手障害者リーダーの育成プログラム

◆助成決定額◆
224,090円

◆事業担当者◆
殿岡翼さん(代表)

※目的・概要・効果等については、助成決定記事を参照ください

◆事業成果◆
 ビデオ「養護学校はあかんねん!」の視聴と当時活動しておられた戸田さんからの講演、また一木さんの「障害児教育の変遷について」の学習会を通じて、参加者がまだ活動していない時代から、障害当事者による教育課題への取り組みがあったこと、またその時から今につながる課題の流れを学ぶことができた。
 その結果自分が経験した「障害児教育」が、どのような流れ・位置の中にあったかを、客観的に捉えることができ、自分の様々な経験を対象化することができたと思われる。
 さらに会議や交流の場で、同じような経験をした仲間と、自らの話をする・話を聞く時間をゆっくり持つことで、自分達の経験を肯定的に捉え、また課題に対して積極的に対応していく、リーダーとしての心構えの醸成ができたと思う。

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「養護学校はあかんねん!」視聴の様子

以下参加者の感想からの抜粋。
●今回の合宿では、自分と同じような経験を語り合うことで「みんなも同じだったのか」と確かめることができました。普段は、自分と同じ経験をしている人が少ないので、なかなか語り合うことができません。自分の地域は、まだまだインクルーシブ教育は定着していないところがあるので、これから私たちも行動していかないといけないと思いました。また付き添いについての課題も追求していきたいと思います。

●今回の教育合宿、私にとって新たな発見続きで非常に有意義な時間を過ごすことができました。(中略)共通することは「子ども社会の中に大人が関わることの違和感」でした。インクルーシブ教育の大切さはよくよく考えたら誰でも分かることだと私は思います。障害があるからといって友達と離れて勉強をする、遠足や修学旅行にまで親がついてくる、子ども同士の問題に大人が首をつっこむ、その輪の中に大人がいる。それだけで子どもは障害者は自分たちと違う、特別で守らないといけない存在、近づきがたい存在だと認識してしまう懸念があるということ。子ども同士で解決し合う中で、子どもたち自身で大切なことに気付いていく。そういう教育の在り方が今後実現していけるような社会になっていけばいいなと思います。

●2月25日から26日までの2日間、インクルーシブ教育について学ぶ、「教育合宿」に参加しました。この合宿ではたくさんの学びと、経験の共有、共感がありました。はじめに、映画「養護学校はあかんねん」を鑑賞し、養護学校義務化反対運動を中心に障害者の就学運動の歴史を学びました。30年以上前から、障害があっても地域で学びたいという思いで、運動が起こされてきたことに感銘を受けましたし、先駆者の方々が切り開いてきた道を、私たちのような統合教育を受けてきた世代に繋がっていることを実感しました。これからも健常者のための教育に統合されるのではなく、はじめから障害児やいろいろな特徴をもつ人を含めた、全ての人々が受けることを前提とした、インクルーシブな教育を目指し、活動をしていこうと思います。

●(中略)障害のある人たちの教育をめぐる制度的な変遷や障害者権利条約24条の教育に関わる一般的意見に関しても勉強させていただきました。そのなかで、やはり強く感じたのは、障害がないとされる子どもと一緒にいるために、障害のない人に私たちが合わせるとかいうことでも、障害のある人と一緒にできないから、自分は違う学校に行ったり、教室で学ぶというのではなくて、やはり、地域の学校のあらゆる文化や授業の中身などを見直して、私たちが地域の学校で学んでいける環境をつくっていくことこそ重要なことなのだと改めて気づかされました。その意味では、私たちが今ある地域の学校の実態を把握するとともに、今まで私たちが受けてきた地域生活を振り返ったりしながら、私たちが、他の生徒以上に努力を強いられたことがなかったかどうか、学校で決められていた規則や規範が、障害のある私たちを結果的に排除してはいなかったのかどうか、問い直してみる必要があるように感じます。

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参加者集合写真

DPI日本会議ホームページにも、報告記事が掲載されています。


◆経費収支内訳◆
収入:三澤了基金  224,090円

支出:
謝金    10,000円(講師謝金)
会議費   176,000円(戸山サンライズ支払)
旅費交通費   27,280円(参加者交通費補助)
支払手数料   810円(振込手数料)
事務経費    10,000円(事業費の5%相当)
合計     224,090円


◆今後に向けて◆
 これまでこうした機会がなく、次年度も同様の合宿開催を希望する声が寄せられている。今回の合宿を一過性のものにしないために、参加者の継続的な課題への参加呼びかけを行うとともに、継続した取り組みを行っていくことを、他団体とも連携しながら検討していきたい。


◇助成報告書はこちらからご覧いただけます(PDF)◇



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三澤了基金では、多くの方々の賛同と支援をいただきながら、
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2019年11月25日

【助成事業報告・No8】特定非営利活動法人自立生活支援センターフリーダム21

日頃より、三澤基金の運営へのご協力ありがとうございます。
助成第8号事業の特定非営利活動法人自立生活支援センターフリーダム21の事業報告書を掲載致します。


◆助成第8号◆
特定非営利活動法人自立生活支援センターフリーダム21(団体・奈良県)

◆申請事業◆
奈良ユニバーサル観光マップ事業
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完成したマップ表紙

◆助成決定額◆
460,000円

◆事業担当者◆
田中雅人さん(情報提供部部長)

※目的・概要・効果等、事業時期・内容については、報告書(全文)および助成決定記事をご覧ください。

◆事業成果◆
・調査で奈良公園エリア、高畑エリア、ならまちエリア、西ノ京エリア、きたまちエリア、明日香エリアの計6カ所の36施設、道路状況、多目的トイレ等の詳細な情報を得ることができた。
・調査に行くことでその施設のバリアフリーに対する意識を高めることができた、改善するところや調査結果を求められた施設もあった。また、掲載施設に観光マップを通してどこが行きづらくて不便なところなのか知ってもらうことができた。
・観光地のバリアフリーに対する知識や意識が感じられる施設もあったが、まだまだ知識や意識が低いということが分かった。
例@ 多目的トイレはあるが狭い、手すりが動かせない、一般トイレ内に多目的トイレがあるなど。
例A バリアフリールートがあるが、そのルートの説明や表示が分かりづらい。
例B 介助者がいる前提でバリアフリールートが作られている。受付に階段がある、柵の開閉など。
例C スロープが作られているが急で使いづらい。また、滑り止めがかえってガタつき危険。
・寺院などの施設に調査、観光マップ掲載の依頼をする場合にどのような手順で行うか、また許可を求めるのに必要な期間など、観光マップを作成するためのノウハウを得ることができた。
・観光マップを通して施設や外出する機会が少ない障害者や高齢者などに観光の魅力を知ってもらい、実際に外出する機会を設けることができた。
・調査データから実際に観光マップに入れる情報について、見やすさと情報量のバランスを何度も試行錯誤を繰り返し、検討を行った結果、必要な情報を入れつつ見やすい観光マップを作成することができた。また、観光マップの必須項目である、多目的トイレについてアイコンを使うことで、できるだけ多くの箇所のトイレの詳細な情報を載せることができた。車いす転回可能(広さの目安)のアイコンは奈良ユニバーサル観光マップのオリジナルである。
・電動車いす、簡易電動車いす、手動車いすの視点で調査を行い、情報を載せることによって、他にはない車いすに必要な情報が記載されたオリジナルな観光マップにすることができた。
・観光協会、掲載した施設、ボランティア、デザイナーなど今後の活動に必要な様々な人との接手を持つことができた。
フリーダム21_報告添付資料3.jpg
マップ制作途中@

フリーダム21_報告添付資料4.jpg
マップ制作途中A

〔若手障害者リーダーの育成〕
・調査を行う上で、ボランティアに車いすそれぞれの特性やどんなことが移動に不便を感じるか理解してもらった上で調査することの大切さを知ることができた。また、ボランティアを積極的に続けてもらうためにはボランティアとの関係性がすごく大切だということが分かった。
・実際に調査をして、調査をするのにどのような視点で調査をして、観光をする上でどのような情報が必要であるか学ぶことができた。また、観光地のバリアフリーに対する知識や意識が低く、障害当事者が自ら観光地へ出向き、実際にどのようなことが不便なのか、現状の改善点を伝えていく必要性を感じることができた。
・調査やデザインをしていく上で観光協会、掲載した施設、ボランティア、デザイナーなど今後の活動に必要な様々な人との接手を持つことができ、また、事業を進めるのに様々な人との接手を持たないと事業は成功しないことを学んだ。
・奈良ユニバーサル観光マップ事業を終えて、観光マップは期間内に完成することができたが、見通しが甘く、計画通りに事業を進めることができず、事業を成功させるためにはいかにして細かな部分まで詰めて、余裕をもった計画を立てないといけないのか学ぶことができた。
・何も観光マップを作成する知識がない状態で事業を始めて、反省点は多々あったものの事業を終えて、思っていた以上の観光マップを作成することができ、様々な知識を身につけることができ、自信になった。

※制作された観光マップは、ダウンロードが可能です。
なお第2段も新たに発行されていますので、ぜひご覧ください。
奈良ユニバーサル観光マップ 

◆経費収支内訳◆
収入:
三澤了基金  460,000円
その他助成金 240,000円(奈良県中央善意銀行)
自己資金   116,870円
合計 816,870円

支出:
調査活動費:390,173円
(調査交通費、食費、駐車場代、ボランティア保険、調査活動を補佐する人の雇用手当)
デザイン活動費:5,184円
(デザイン検討会 ボランティア食事代)
デザイン料:313,468円
(表紙、マップデザイン、ページデザイン、版下)
印刷製本費:105,380円
(冊子6000部、色校正)
通信運搬費:390,173円
(書類郵送代)
合計 816,870円

◆今後に向けて◆
奈良ユニバーサル観光マップは作成も大事だが、配布して使ってもらうことも必要であり、責任を持って、JIL加盟団体、福祉施設・団体をはじめ医療関係、特別支援学校、観光協会等の観光関係、ホテル、フリーダム関係者などに配布をして、世間に奈良ユニバーサル観光マップを知ってもらえるように広報活動を行います。また、調査で得た情報を生かすために、奈良ユニバーサル観光マップのインターネット版の作成などIT技術を駆使した、バリアフリーの観光情報の発信や観光地のバリアの改善を交渉していきたいと考えています。
最後に奈良ユニバーサル観光マップ事業を通して得た、数々の経験やノウハウを生かして、新たにフリーダム21新規事業や奈良の観光バリアフリーに関する事業を展開して、新たにフリーダム21に入社した次世代の障害者リーダーを担う、障害当事者に経験や知識を伝えていきます。


◇助成報告書は下記よりダウンロードできます◇
報告書(PDF)
添付資料(PDF)

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三澤了基金では、多くの方々の賛同と支援をいただきながら、
新しい時代を担う次世代の障害者リーダーを育てるための事業を募集しております。
今後とも皆様のご支援、そして積極的なご参加をどうぞよろしくお願い申し上げます。
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2019年09月30日

【助成事業報告・No7】特定非営利活動法人すくらむハート

日頃より、三澤基金の運営へのご協力ありがとうございます。
助成第7号事業の特定非営利活動法人すくらむハートの事業報告書を掲載致します。


◆助成第7号◆
特定非営利活動法人すくらむハート(団体・愛媛県)

◆申請事業◆
すまいるカレッジ

◆助成決定額◆
195,000円

◆目的・概要・効果等◆
[目 的]
障がい者(ピアサポーター)が中心となって、障がい者やその家族など(地域の方々)が集う、学びの場(すまいるカレッジ)の提供することを目的とする。また、ピアサポーターが事業を実施していくことで、事業を通して福祉の担い手になる人材の育成(リーダー育成)も目的とする。
[事業の効果]
地域の障がい者から発信されたニーズを事業化し、地域の団体と連携をしながら障がい者(ピアサポーター)が中心となっての企画することで、事業実施において当事者の視点が反映されやすくなり、障がい者同士でより親しみやすい状況で実施することができる。


◆事業時期・内容◆
○ピアサポーター企画会議の実施
(対象者)地域の障がい者(ピアサポーター)、地域の団体
(実施場所)特定非営利活動法人すくらむハート
(方法回数)平成28年8月〜平成29年3月 毎月1回(年9回)
○学びの場(すまいるカレッジ)の設置
(対象者)地域の障がい者及びその家族や関係者
(実施場所)特定非営利活動法人すくらむハート
(方法回数)平成28年11月〜平成29年3月 毎月1回(年5回)

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「第2回 発達障害を活かす!楽しむ〜当事者と相談員としての体験談」の様子

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「第5回 車いすになってみた世界」の様子


◆事業成果◆
障がい者が自ら企画・運営・講師を担ったことで自主性が顕著に現れた。
特に今回はファシリテーターについて研修会を行い実際にカレッジで役割を分担しながら行い理解を深めた。
また、当事者の視点を踏まえたよい内容となったと参加者から評価をいただいた。

◆経費収支内訳◆
収入:三澤了基金 195,000円
   法人負担   3,485円
       計 198,485円

支出:
旅費交通費 98,990円
 ・企画会議(ピアサポーター交通費6人×9回)    53,000円
 ・すまいるカレッジ(ピアサポーター交通費6人×5回)24,000円
 ・すまいるカレッジ(講師交通費6人)        21,990円
通信運搬費 13,400円
 ・切手                      13,400円
事務用品費 56,095円
 ・コピー用紙                    8,229円
・ボード                     10,962円
 ・その他                     36,904円
諸謝金   30,000円
 ・すまいるカレッジ(@5,000円×6回)   30,000円

◆今後に向けて◆
すまいるカレッジ終了後、ピアサポーター企画会議を行い来年度に向けて意見交換する。
来年度は、地元の短大の福祉学科と協力して、すまいるカレッジ(サロン活動】をより参加者が集まりやすい活動にしていきたい。
また、障がい当事者が活動できる機会を提供できるよう積極的に講師やアドバイザーとして招聘していきたい。 

◇助成報告書はこちらからご覧いただけます(PDF)◇



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◆三澤了基金は、本日5周年を迎えました◆


故・三澤了さんの一周忌にあたる2014年9月30日に設立した三澤了基金は、本日5周年を迎えました。
約270万円の現金資産からスタートした助成事業は、当初短期間で終了すると考えられていましたが、多くの方からの支援をいただきながら、想定外の長期的なプロジェクトとなりました。

2019年9月現在、16事業・助成総額3,645,162円となり、3事業が進行中です。
今後も当基金が障害者リーダー育成の一助となるよう、助成事業について見直しと改善を行っていきたいと思います。

引き続き、三澤了基金への応援、どうぞよろしくお願い申し上げます。
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2019年08月19日

【助成事業・No.16】NPO法人沖縄県自立生活センター・イルカ

【2019年6月12日付助成決定事業】

◇助成第16号◇
NPO法人沖縄県自立生活センター・イルカ&仲村伊織(団体・沖縄県)


◇申請事業◇
おっきいがっこう(高校)にいくためのシンポジウム


◇助成決定額◇
200,000円


◇事業の目的・概要・効果等◇
<目的>
ぼくはおっきいがっこう(高校)にいきたい。テスト(入試)うけたらいけるときいたからテストを2回受けた。でも障害があるから、テストでいい点がとれないから、コミュニケーション能力がないからいけないっていわれる。どうして。どうしたらぼくが高校に行けるか、みんなで考えてもらうため、みんなで話し合いたい

<概要>
第1部 基調報告「一人ひとりの子どもの声を聴き学びあう場を…」
    スピーカー:弁護士 大谷恭子さん(予定)
第2部 事例報告
 1.育ちつながりの中から見えてきたこと 普通学級で学んだ価値観
 仲村晃(父)・仲村美和(母)・伊織と歩んできた友人・先生・近所の知り合い等これまで関わってきた人たち
 2.インクルーシブ教育について、権利条約モデルと文科省モデルの違いの分かりやすいモーショングラフィック公開
第3部 クロスディスカッション テーマ「こうしたらできる、障害あっても高校に」
 ・これまでの話をきいて感じたこと
 ・みんなで価値観やアイデアを出し合おう
 ・発表
※後援として沖縄県、同県教育委員会、北中城村、同村教育委員会等もいれる

<効果>
伊織さんが高校に入学するために必要なこと(合理的配慮)を関係者で考え、提言する。沖縄が目指している障害のあるなしで分け隔てられない、一人も取り残さない学びと育ちを保障する社会の実現につながります。ここで制作したモーショングラフィックはアドボカシー活動に生かします。


<実施体制>
事務局をNPO法人沖縄県自立生活センター・イルカにおき、関係者による実行委員会形式で実施


<実施スケジュール>
・2019年5月〜話合い(隔週)、準備、取材
・5月9日(木)第1回準備会 
・5月23日(木)第2回準備会
・5月24日(金)琉大人文学部教授長谷川氏取材
※助成決定後、モーショングラフィックを作る業者の選定、打ち合わせ
 実施要項、チラシ、ポスター作成、呼びかけ開始
 後援依頼等の作業を順次行う
8月10日(土)(予定)「おっきいがっこう(高校)にいくための シンポジウム」実施

○実際に実施したイベント・学習会の詳細については、こちらのページをご覧ください。
三澤基金7月15日付記事
チラシ修正後.jpg

◇事業終了・報告提出予定◇
実施期間:2019年5月9日〜8月10日まで
報告書提出予定日:2019年9月10日


◇助成申請書はこちらからご覧いただけます(PDF)◇


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三澤了基金は、活動に賛同いただきました皆さまからの寄付金で
助成および運営しております。
助成事業を申請いただいた際には、ひとつひとつ、
基金設立の主旨に立ち返り、審査をしています。

この基金からの助成は、多くの方々からのご支援をお預かりした”資金”であり、
今後の活動や将来へのステップとなるよう
大きな期待を寄せているということを常に意識して、運営して参ります。
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2019年08月12日

【助成事業・No.15】藤本あさみ

【2019年5月26日付助成決定事業】

◇助成第15号◇
藤本あさみ(個人・兵庫県)


◇申請事業◇
2019年度(第7回)障害平等研修(DET)ファシリテーター養成講座


◇助成決定額◇
203,000円
※実費のみの助成のため、金額確定は報告書提出後となります。


◇事業の目的・概要・効果等◇
【概要】
 障害平等研修(Disability Equality Training:DET、以下DETとする)とは、障害者自身がファシリテーター(対話の進行役)となって進める障害学習で、障害者差別解消法を推進するための研修である。障害者の社会参加や多様性に基づいた共生社会を創ることを目的として、発見型学習という対話に基づく方法を用い、障害者を排除しないインクルーシブな組織づくりを参加者と一緒に考えていく研修である。
 障害者差別解消法では研修の実施が明記されており、DETは障害者との対話型と発見型の研修で、企業や団体・自治体や学校における障害者差別や排除の状況に気づき、参加者自身がその状況を変えていく行動の主体となることがDETの目的である。
 DETの大きな特徴は、障害者自身がファシリテーターとなることであり、DETファシリテーター養成講座は、このファシリテーターを養成する講座である。障害者自身がファシリテーターとなり、研修の進行役という主体的な役割を障害者ではない人達との関係の中で担い、対等な関係性で関わる時間と場を作り出すことで、「私(障害者ではない人)は助ける人、障害者は助けられる人」という固定観念や先入観をなくしてきたいという要素も含まれている。

【背景】
 DETの理論的土台となっているのが障害の社会モデルである。従来は、障害の個人モデルが支配的であったが、現在では障害の社会モデルの視点が重視され、障害者権利条約も障害者差別解消法も障害の社会モデルの視点を取り入れたものとなっている。
 しかしながら、居住地の第3次障害者計画(H30.3)の中で障害当事者へのアンケート調査結果で明らかになったことは、理念と現状は大きく乖離していた。障害者ではない人はもちろんのこと、障害者自身も社会モデルの視点を知らず、また障害者差別解消法についても「詳しい内容は知らないが名前は知っている」が約25%、「施行されたことを知らない」は67%を超えていた。また障害者は、必要に応じて自分自身で合理的配慮を求めることが出来るが、「合理的配慮という言葉を知らない」も60%を超えていた。

【目的】
 DETは障害の有無に関わらず全ての人にとって有益なものであり、その対象は全ての人であるが、自分自身がファシリテーターとなり、その先に見据える大きな目的は以下である。
@ 障害者自身もDETを受講することで必要な知識を身につけ、知らず知らずのうちに自分の価値観としてしまってきた障害の個人モデルを問い直す機会となる。
A そして、社会の中の障害や排除に気づく障害の社会モデルの視点を獲得し、適切に合理的配慮を求める力の基礎となる。
B それは、障害者自身が社会に参加し、社会を変えていく行動の主体になるプロセスとなる(エンパワメント)。
このように、自分自身がDETファシリテーター養成講座を受けることは、地域・圏域の若い障害者達に意識変革のキッカケを作り、主体的に行動できる障害当事者を増やす一翼を担いたいと考えるためである。

【効果】
DETの効果については、知識の獲得ではなく、行動したかどうか(変革の行動の主体となったか)がポイントとなる。
 自分自身がDETファシリテーター養成講座を受け、そのような視点を持ち主体的に行動する力をつけ、居住地や圏域、広くは関西圏でDETを開催し、行動の主体となる障害当事者を増やすことに繋がると考える。そのような障害当事者が増えるということは、今後を担う若手障害当事者リーダーとなる人材の発掘や障害者運動のバトンを受け取る人材が育つ可能性を秘めている。
 CIL等に関わる障害者スタッフ以外の多くの障害者は、まだまだ社会モデルの視点を持たず、地方であればあるほど、障害が重度であればあるほど、地域で自立して社会参加しながら主体的に活動する障害当事者はほぼいない。居住地域周辺にもCILはない。
 そのような地域で、支援学校や施設等で積極的に研修を開催し、若い障害者に価値観の変革となるキッカケを作る。それは地道で時間のかかる活動になるが、必ず意識変革に繋がり、エンパワメントになり、地域で活動する主体になっていく若手人材が育つと期待する。
 さらに、ファシリテーターを目指す若手障害者が増えていくことも期待する。障害者がファシリテーターとなって社会を変えていく役割を担うこと自体が、社会を変える行動の主体になっているというエンパワメントそのものと言える。また、DETを通して障害当事者がその役割を担うことに気づいていくことも、行動に繋がる大切なポイントと考える。


<実施体制>
◆NPO法人障害平等研修フォーラム
◆研修講師
・久野研二(NPO法人障害平等研修フォーラム代表理事、日本福祉大学大学院 客員教授、国際協力機構国際協力専門員)
・長瀬修(NPO法人障害平等研修フォーラム理事、立命館大学生存学研究センター特別招聘研究教授)
◆オンデマンド型(動画とインターネットを活用した在宅学習)とスクーリング(教室での対面学習)の双方を活用したハイブリッド型の研修方法により計80時間の研修が行われる。
◆参考:障害平等研修フォーラム(外部リンク) 


<実施スケジュール>
養成講座全体の日程は、2019年5月18日〜11月24日。
この間にオンデマンド型学習(35時間)とスクーリング(35時間)、実習2回(5時間×2回)を行う。スクーリングは東京にて計6日間(6/29・30、8/3・4、11/23・24)。
養成講座終了後、2020年2月〜4月予定で、居住圏域内にて障害平等研修の初回開催を目指す。


◇事業終了・報告提出予定◇
実施期間:2019年5月18日〜11月24日まで
報告書提出予定日:2019年12月15日


◇助成申請書はこちらからご覧いただけます(PDF)◇


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三澤了基金は、活動に賛同いただきました皆さまからの寄付金で
助成および運営しております。
助成事業を申請いただいた際には、ひとつひとつ、
基金設立の主旨に立ち返り、審査をしています。

この基金からの助成は、多くの方々からのご支援をお預かりした”資金”であり、
今後の活動や将来へのステップとなるよう
大きな期待を寄せているということを常に意識して、運営して参ります。
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