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アタマではわかっているけれど...
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そんな、かつての自分のような若き人たちに

リスクと隣り合わせで波瀾万丈の人生を楽しむ
中小企業経営者 兼 明治大学起業論講師が
ココロをこめて「喝」を入れるメッセージ集

(近日出版予定)

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安定する現状に満足してしまう[2008年06月29日(Sun)]
Q:安定する現状に満足してしまう
A:安定は幻想で危険。動き続ける現状に対応するのが安全。


「社会のルールは変わらない」
「大企業や老舗企業はつぶれない」

 現状のままで満足してしまう背景は、「新しいことをするのは面倒だ」と思う気持ちだけではないでしょう。このままでも何となく切り抜けられるのではないかと「思い込んでいる」ところがあるはずです。

 世界経済が絡み合い、インターネットで瞬時につながる現代では、3年後の為替や株価といった短期の部分的な見通しでも難しくなっています。ましてや、若い世代が、定年や平均寿命を意識して、これから30年先さらには50年先を展望するなら、「今の常識がまったく通用しない」「それどころか正反対になっているかもしれない」と考える必要があるでしょう。

 例えば、私が生業とするTシャツメーカー=繊維製品の製造業は、半世紀前は、低い賃金と円安を背景にした「米国向けの輸出産業」だったのです。ところが、今は、高い賃金と円高に変わって「中国からの輸入産業」に一変してしまいました。

 また、今でも忘れられませんが、大学時代、あるOB会で先輩方の世代別の勤務先を見て驚いたことがあります。その時々の花形産業に入っている先輩が多かったので、まさに日本の成長産業が衰退していく歴史を見るようだったからです。

 しかし、この教訓を生かさず、私たちの世代の成績優秀者の多くは、当時大人気だった銀行や保険会社などに就職しました。その後、「誰もつぶれると夢想だにしなかった」金融機関が倒産したり合併を繰り返したことは記憶に新しいでしょう。

 企業は変化対応業と言われます。有力企業の優秀な経営者なら、誰しも「変化の予兆を見つめて、対応すること」を肝に銘じているはずです。それなのに、倒産したり、吸収合併されてしまう時代なのです。まさに社員には寝耳に水だったかもしれません。

 だからこそ、企業よりも弱い一個人が、迫り来る変化に対応して、自分を変革しないで良いはずがありません。社会に選ばれて残る企業が時代と共に変わるように、求められる人材像も変わっていくのです。特に、能力や人脈の蓄積が足りない若い世代が安穏としていられるはずはありません。

 ですから、現状に満足して「この場」にとどまって何もしない方が、「短期的には安心」できても「長期的には危険」なのです。

 こんな話を聞くと「大変だ」と心が重くなる人もいるかもしれません。

 そこで、私が最も尊敬している心の師、大雄山最乗寺 故余語翠厳(よごすいがん)老師の教えをご紹介しましょう。

 「『法』という字は、水偏(さんずい)に去ると書きます。つまり、本来「自然の法」は、常に流れ去っていき、一瞬たりとも同じ姿がないということです。ところが、「人間の法」は、それを文字にしたり形にとどめようとするから、悩みが生まれてしまうのです。」

 時代がゆったりと、しかし確実に流れていく川だとすると、今の場所にしがみついていることは、かえって気力や体力を必要とします。むしろ、流れるに身を任せながら、行き先を見きわめてて泳いでいく方が、実は楽なのです。

 時には、石にぶつかることもあるかもしれません。流れにうまく乗れないこともあるでしょう。それでも、泳いでいくうちに、もっと遠くを見通せるように、もっと楽に速く泳げるようになるでしょう。

 川岸で見ている人や、岩に懸命につかまっている人には、流れに乗って泳ぐ人は、奇人変人か、特別な達人に見えるかもしれません。そして、なんて危険な行動をしていると思っていることでしょう。

 しかし、実際には、誰もが使おうと思えば使える「自然な流れ」に身を任せて、泳ぎ続けているだけなのです。

Posted by 久米 信行 at 09:34 | 第三章キャリア編 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

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