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そんな、かつての自分のような若き人たちに

リスクと隣り合わせで波瀾万丈の人生を楽しむ
中小企業経営者 兼 明治大学起業論講師が
ココロをこめて「喝」を入れるメッセージ集

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効率性の低い成果の出ない仕事はやりたくない[2008年04月01日(Tue)]
Q:効率性の低い成果の出ない仕事はやりたくない
A:未来への種まきなくして、長期の効率追求と充実した人生なし


 「やる意味がない仕事はやりたくない」

 こんな生意気な言葉を、上司に入社一年目の私が言った「恥ずかしい思い出」があります。思い返せば、その当時の私は「やる意味がある仕事が何か」も理解していなかったのです。

 今になってわかるのは「やる意味がない仕事などない」ことです。例えば、かなりの経営者が「お掃除」を真剣にすることが人格を磨いて業績を上げる一助になると信じ、自ら実践して効果を上げていたりします。

 こうした「凡事徹底」が尊いという考え方は今に始まったことではありません。今から、約800年前に曹洞宗を開いた道元禅師は、修行中の中国で出会った老典座(てんぞ:食事係)に、食事の準備も、座禅やお経を読むのと変わらぬ大切な修行だと教わりました。ですから、今でも曹洞宗のお寺では、食事や掃除といった作務(さむ)も、単なる雑用と片付けずに「行」のひとつとして懸命に行われています。

 それから、一見「効率性の低い成果のでない仕事」ほど、若い時に「やる意味がある」ことも、今ならば理解できます。言い換えるなら、まだ経験が浅いうちに「効率性が高くて成果が出る」ような仕事は底が浅くて、「未来の自分の糧」とはならないのです。

 例えば、効率性が良くて成果が出るのは、会社の信用力や商品の魅力が十分にあったからかもしれません。宣伝広告や販売促進がうまくいっている場合もあるでしょう。前任者がお客様との関係や業務設計の基本を築いてくれていたら効率性が高いのは当たり前です。カタログや丸暗記すべきセールストークの完成度が高ければ、誰がやっても成果が上がるでしょう。

 これらを自分の実力だと勘違いしてはいけません。もしも、会社の研修通りの手法を繰返して成績を上げ続けたらどうなるでしょう。ただ受動的にノルマを達成するだけのマシーンになってしまうかもしれません。

 もちろん、それで良しとするのも「一つの人生」です。

 しかし「自分の可能性を追求し、人格を磨く、社会に役立つ」ことを目指す人たちにとっては、むしろ短期の効率を求めることは、人生の長きにおいては「効率的」ではないのです。自ら「見る前に跳ぶ」挑戦と失敗とを繰返すことは、決して「無駄な寄り道」ではありません。紆余曲折を経て、死ぬ直前に「自ら挑戦して成果を挙げたか」と自問自答した時に、「胸を張れないような人生」では寂しいでしょう。

 大学時代の恩師、平野絢子先生に「片方の目で目前の課題を、もう片方の目で未来の夢」を見つめるように教えられたことを、今もありがたく思い出します。同じように、目前の効率的に成果を上げられる仕事をこなしながらも、将来の夢を叶えるための種まきとなる地道な仕事や困難な挑戦を続けることが大切なのです。

Posted by 久米 信行 at 10:34 | 第一章ルーティン編 | この記事のURL | コメント(1) | トラックバック(0)

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コメント
役に立たない仕事はない、本当にそう思います。中学を出て父の仕事を手伝いましたが、こんな仕事をしていては馬鹿になってしまう、などよくも父に言えたものです。恥ずかしくて今でも天国の父に謝り続けています。

Posted by:守重 知量  at 2008年04月11日(Fri) 18:52

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