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2012年03月29日

これからの社会を担う人材が育つ場所としての陸前高田



「社会企業家が育つまち陸前高田を目指したい」

地元で200余年続く味噌・醤油醸造蔵「八木澤商店」の9代目社長、
河野通洋氏(わが社の専務)がこのように言いました。
なぜか。それは、この何もなくなった高田だからこそ、
社会企業家が求められており、その力が発揮されると。

以前、陸前高田でお会いする方々が皆さんどなたも素晴らしい方々だが
それはなぜか、と聞いたところ、
「年齢は関係なく、みんな互いに学び合う関係があるからかもしれない」
という答えが返ってきたことがありました。

確かに、専門家を招くとものすごい集中力でメモをとられ、
分からないことは全部聞く、という姿をたびたびお見かけします。
また、中小企業家同友会という中小企業のネットワーク組織があり、
そこでは自社の決算書をフルオープンにし、みんなで一緒に考え
指摘しあったり助け合ったりする習慣があるのだとも聞きます。
インターン事業でお世話になった際も、インターン受入企業の社長自ら、
被災後間もない大変な状況下、インターン生の人生相談に対し、
自分にも勉強になる、と毎晩遅くまでお付き合いくださいました。

ある方が「これからの社会を担うのは『人と人』『人と自然』『人と未来』、
この関係を築きながら生きていける人なのではないか」とおっしゃいました。
私は「陸前高田にはその関係性を感じたり学ぶ場としてなんて適しているのだろう」と
思います。

高田の人々は、人と人との関係を「信頼」を軸に築き、とても丁寧に
関係を育てていきます。
陸前高田には、自然と共生して暮らす地域「生出」(おいで)という場所があり、
そこを中心に自然界の一員としての人間、という考え方が静かに存在しています。
高田は、今回の震災・津波被害により、未来のことを誰もがどうしたって考えずには
いられない場所です。

これからの社会を担っていく人材が育つ。
陸前高田はその可能性に満ちた場所だと思います。

この場所で、どう人を育てていきうるか、大きな試みに挑みたいと思います。
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