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2025年06月11日

【おかやまSANPO 第3弾】川辺復興プロジェクト あるく

今年度よりスタートしました「おかやまSA“NPO”」企画!

本企画では、みんつく事務局長の森田ゆーたろーが、岡山県内のNPO団体の活動に実際にお邪魔し、活動内容や地域課題を深掘りして、みなさんへ発信していきます!



第3回は、

倉敷市真備町川辺地区で地域の復興・防災活動に取り組まれている

「川辺復興プロジェクト あるく」さん!

川辺復興プロジェクト あるく(以下、あるく)さんは、平成30年7月豪雨(以下、西日本豪雨)を機に、その地で実際に被災した有志の方々で立ち上げられた団体です。

倉敷市川辺地区での復興・防災活動の他、全国各地へ、西日本豪雨の経験を伝える取り組みをされています。


現在、クラウドファンディングも実施中!よかったらぜひご一読ください!

▼外部クラファンページ▼(2025年7月13日(日)まで寄付募集中!)

https://camp-fire.jp/projects/844106

(※みんつく割り勘事業ではありません)



今回は、みんつくの赤木 代表理事と一緒に、あるくさんの事務所へお邪魔し、代表の槙原さんへインタビューをさせていただきました!


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訪問日:2025年6月5日(木)

訪問者:赤木(みんつく代表理事)、森田(みんつく事務局長)

場 所:あるく 事務所(倉敷市真備町川辺123-1 メルベーユ103号室)


訪問先:川辺復興プロジェクト あるく

    代表 槙原 聡美 さん


団体関連サイト

H Phttps://aruku2018.org/
Facebookhttps://www.facebook.com/aruku.2018/
Instagramhttps://www.instagram.com/aruku.2018/


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 活動概要を教えてください!

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西日本豪雨の発災から約3ヵ月後の2018年10月に、真備町川辺地区の被災者有志で立ち上げた団体です。
現在は川辺地区在住の23名のメンバーで、"できる人ができるときにできることを”役割分担しながら活動を続けています。

設立から7年近くが経過し、地域の状況や復興のフェーズもどんどん変化していますが、

設立当時から、

・川辺地区の住民が「戻ってきてよかった」と思える町・地域づくり

・今後起こり得る災害に備えて、災害に強い町・地域づくり=「逃げ遅れゼロの川辺地区」

を目指して活動を続けています。

もう二度と、災害で命を失う人や怖い思いをする人を出したくないんです。



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 @ 取り組む地域課題(活動をはじめたきっかけ)は何ですか?

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団体設立のきっかけは平成30年7月に発生した西日本豪雨でした。
川辺地区は末政川の決壊により、地区約1,700世帯ほぼ全ての家屋が全半壊となりました。
また、真備町内の災害死者数51名(関連死を除く)のうち6名が川辺地区住民でした。

当時は、地域住民のみんなが被災し、バラバラに生活をしていたので、地域住民がつながりを感じ、生きがいを見つけながら明日を生きる楽しみをもてるようにと、川辺地区の被災者の有志で団体を設立しました。

当初は、川辺小学校を拠点に炊き出しの調整や支援物資の受け入れ・提供、サロン活動など、様々な支援団体やボランティアの力を借りながら、被災者支援に取り組んでいました。



発災からもうすぐ7年。

災害後4年たった頃には、約9割の住民が川辺地区に戻ってきて生活を再スタートしています。その後も、新しく住み始めた住民も増え、いまでは被災前よりも多い世帯が川辺地区で暮らしています。(災害から5年後に被災前と同じ世帯数になり、6年後にはさらに100世帯増えています。)


一見、「復興」しているようにも見えるかと思いますが、地域の方々の中にはいまでも
・雨の音を聞く度に当時のことがフラッシュバックして不安に感じられる方
・当時のことを誰にも話せず、心に抱えたままの方
・当時のことを忘れたくても忘れられない方
もたくさんおられ、地域のみなさんの心の復興はまだまだであると感じています。

また、川辺に新しく住み始めた方々の中には、あの災害を経験していない方もおられます。
そうした方々にも、いかに自分事として地域や防災に関心を持ってもらうかも今後の課題であると感じています。

さらに地域の外へ目を向けると、西日本豪雨のことは年々風化してきています。
全国各地で次々と災害が発生している現在、私たちがこの経験を全国各地、そして次の世代へ伝えていく・残していくことも、私たちの責任であると思っています。



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A 活動を通して、どんな未来・社会を目指していますか?

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設立当初から、地域住民のみなさんが「戻ってきてよかった」と思える真備町、川辺地区にしたいという思いは変わりません。

そのためにも、まずはみんなが安心して暮らせる地域であることが大切であると思っています。

日頃から地域の人と人とがつながり、より近い関係性ができていることで、
災害などの非常時に、「助け合いたい」と思える人、顔が浮かぶ人がたくさんいるような地域にしていきたいです。
そのことが、団体の合言葉でもある「逃げ遅れゼロの川辺地区」につながると信じています。



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 B 改めて、現在の活動について教えてください!

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主に下記3つの柱でそれぞれ活動しています。


〇 住民のふれあいやつながり、生きがいづくり

(活動例)

 ◆ 継続的なサロン活動

 小物づくりの会(月2回)、リラックスヨガの会(週1回)など、

 メンバーの強みを生かしたサロン活動を継続的に開催。

 月7〜10回程度の開催で、延べ1300名以上の方にご参加いただいています。


 ◆ あるく通信発行(毎月)



〇 安心なまちづくり(地域防災)

(活動例)

 ◆ 黄色いタスキ大作戦

 西日本豪雨の際、家にいるのか分からなかった、夜で声がかけづらかった

 などの意見が多くあったことを受け、非常時に安全な行動をとり、無事であることを周りに知らせるための「黄色いタスキ」を作成し、川辺地区全世帯に配布しました。

 毎年1回、「黄色いタスキ大作戦」と称し、地区内全員で黄色いタスキを結ぶ安否確認訓練を開催しています。今年で5回目の開催でしたが、参加率は川辺地区まちづくり推進協議会へ加入している町内で約80%、地区全体でも60%を超える方々が参加してくれています。


 ◆ 地区防災計画の策定・配布

 地域内の有志で「川辺ぼうさいチーム」を立ち上げ、地区防災計画を作成・配布しました。地域の方々に読んでもらうため、読みやすさも重視し、レイアウトや情報にもこだわりました。



〇 西日本豪雨の風化防止

(活動例)

 ◆ 防災おやこ手帳 作成・配布

 被災を経験した真備町内のパパ・ママの声をもとに、親子向けの防災手帳を作成し、全国各地へ配布しています。 

 「第1弾 逃げて守る」 「第2弾 備えて守る」


 ◆ 絵本作成 作成・配布

 災害が起きたときにどんなことが起こるのか、どんな準備や対応が必要なのか、

 みなさんに自分事として考えてもらうために絵本を作成しました。

 構成や内容は地域の方々で考え、絵は地域の小学生(作成当時)が担当してくれました。


 ◆くらしきジュニア防災リーダー養成講座
 倉敷市内の小学5年生を対象に、3日間の防災プログラムを実施しています。
 講座では、災害を生き抜く力や知恵を養うため、楽しく学びながら自分事として考えられるプログラムとなるよう工夫しています。
 今年で4回目の開催となりますが、昨年は受付開始日に定員の2倍以上の申込がありました。(今年分も応募締切済)

 ◆ 講演活動、取材対応

 発災からしばらくの間は、遠くにいる川辺の方々にも情報を届けるため、
 メディアからの取材依頼は全て引き受けるようにしていました。
 また、いまでも全国各地から講演等の依頼をいただいています。
 もう2度と水害で命を失ったり、怖い思いをしたりする人がいないよう、これからも私たちの経験や学びを伝えていきたいと思います。

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C 今後の展望を教えてください!

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災害から7年。今もなお、団体名に「復興」という文字が入っている意味を考えさせられます。

いつまでこの活動を続けるのか、この活動を必要としている人はいるのだろうか、私たちの役割はなんだろうか・・・などなど。


でも、ここ最近、7年経ったからこそ、見えてくるものや語れることがあるということにも気づきました。


そのきっかけの出来事として、

先日、サロン活動6年目にして初めて、参加者の方が発災当時のことをお話ししてくれたのです。その方はこれまでもずっとお付き合いのあった方でした。


特に災害発生当初の話題は、日頃地域の方同士で話す機会はほとんどなく、多くの被災者の心の中にはモヤモヤしたものがずっと残っています。

それを表出することができたのは、7年という時間だけでなく、その期間に積み重ねてきたつながりや信頼関係による、安心安全な場があったからこそだと思います。


人に伝えられることで、癒されたり、自分の経験を客観視できたりもします。

みなさんの心の復興や地域に住む安心感は、人と人との密な関係性の上にしか成り立たないと改めて実感した出来事でした。


これからも あるく が、

真備町の人たちやイベントに来られる人たちにとって、安心して自分の思いをぽろっとお話しできる、そんな場所・空間でいられるよう、活動を続けていきたいと思っています。




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【 編集後記 】


 あるく のみなさん自身も被災を経験し、大変な状況の中で、
発災からわずか3か月後に団体を立ち上げ、今日まで、常に地域のことを考え活動を継続されていることの凄みを感じっぱなしの時間でした。

これまで実施されてきたたくさんの企画のお話しを聞かせていただく中で、
全てに共通して感じたのは「地域に住むみなさん(自分たち含む)のため」という強くあたたかい想いでした。

冊子1つ作るのにも、地域の方に手に取ってもらいやすいように、情報が理解しやすいように、と毎週会議を重ね、細部までこだわりを持って作成されています。
黄色いタスキも、誰でも結びやすいように、水害時でも流されにくいように、と様々な素材やアイテムを取り寄せて、試行を重ねたそうです。
事務所の維持は費用もかかって大変だけど、困った時に寄れる"場所"がある、そこに電気がついている、ことが地域の方の安心感につながっているというお話もとても印象的でした。


地域の方々の防災意識やつながりづくりへの寄与ももちろんですが、

何より、 あるく さんのように、地域のことをずっと強く思い、活動を続けてくださる方々の存在が、そこで暮らすみなさんの安心感にもつながっているのだろうなと思いました。


「復興」とは何か、なにがどうなれば「復興」なのか、
という問いの難しさも痛感した取材でしたが、
 あるく さんの取り組みの1つ1つが川辺地域の「復興」につながっていることは間違いありません!きらきら



お忙しい中、お仕事終わりの時間にご対応いただいた槙原さん、本当にありがとうございました。



最後に、冒頭でもお伝えしましたが、現在 あるく さんはクラウドファンディングで絶賛寄付募集中です!

みなさんぜひ、下記サイトもご一読いただき、ご賛同される方はご参画いかがでしょうか!?

▼外部クラファンページ▼2025年7月13日(日)まで寄付募集中!)

https://camp-fire.jp/projects/844106

(※みんつく割り勘事業ではありません)



以上、「おかやまSA”NPO”」でした!次回もお楽しみに〜



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みんつくでは今後も

寄付を原資とした助成事業をはじめ、

オンラインも含めたイベントなど様々な機会を提供していきます。

ぜひご参加ください!


みんつくHPはコチラ

http://mintuku.jp/


つなぐ、つたえる、シェアをする

2025年06月09日

【報告】【6月ツクる日】BOSAI探検隊(ブース出展)

みんなでつくる財団おかやまでは、「ツクる日」と称し、

毎月29日頃に、自分も楽しく、周りも楽しく、

社会にいいことを考えたり、アクションする日として企画を開催しています!



6月のツクる日は、「BOSAI探検隊」

昨年度から開催されているFLCBの防災企画
「BOSAI探検隊」にブース出展させていただきました。

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【 概 要 】

日 時:2025年6月1日(日) 11:00〜15:00

場 所:FLCB(総社市中央2丁目2-8)

内 容(みんつくブース):
 ・みんつくの団体紹介
 ・ももたろう基金 活動報告
 ・平成30年7月豪雨における支援活動の紹介
 ・防災ポーチ・リュックの中身を考えるワークショップ など


(イベントチラシ)
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※ナンバホームセンターは諸事情により欠席


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当日は、上記チラシにあるとおり、
・各団体の活動展示や防災グッズ展示、販売
・土のう作り(重さ当て)、模擬消火器などの体験ブース
・飲食ブース
など、10以上のブースの出展があった他、
各ブースを回るスタンプラリー(景品あり)や、
実際に通報を行う避難訓練&消防士さんからの講評など、
さまざまな企画が盛りだくさんの一日でした!

地域の幅広い方々のご参加がありましたが、
今年はFLCB周辺の町内会でもチラシを回覧されたそうで、
昨年以上に地域の方々(特に親子連れの方)のご参加が多かったのが印象的でした。



みんつくブースでは、
チラシ等を用いたみんつくのご紹介と、
昨年度作成したももたろう基金報告書による活動紹介の他、
助成先団体さんが作成した、平成30年7月豪雨に関する資料や
親子防災に関する資料の説明や配布を行いました。

また、岡山大学の被災地支援団体「おかやまバトン」からお借りした
防災リュックと、防災リュック・ポーチに入れるものカードの展示も行いました。
まだまだ防災リュックを持たれていない方も多く、
みなさん参加者同士でお話ししながら聞いてくださり、考えていただくきっかけになったかなと思います。

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参加者のほとんどは、みんつくのことを知らない方々でしたが、
展示や資料配布を通して、活動をご紹介することができました。
中には、説明を聞いて募金箱へ募金してくださる親子もおられました。



昨年度のイベントよりもさらに企画が充実し、
参加者も増えており、改めて「防災」について継続&定着していくことの大切さを体感することができました。

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(上写真:避難訓練時の様子)


みんつくでも引き続き、こうした機会への参加等も通して、
日頃からの関係構築や、ももたろう基金等のノウハウ移転等を行ってまいりたいと思います。

ご参加いただいた皆様、
企画いただいたN&T合同会社様、(一社)ON-DO様、ありがとうございました!きらきら



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みんつくでは今後もオンラインも含め様々なイベントを開催していきます。

ぜひご参加ください!


みんつくHPはコチラ

http://mintuku.jp/


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2025年06月02日

【報告】【5月ツクる日】みんつく募金箱めぐり

みんなでつくる財団おかやまでは、「ツクる日」と称し、

毎月29日頃に、自分も楽しく、周りも楽しく、

社会にいいことを考えたり、アクションする日として企画を開催しています!



5月のツクる日は、「みんつく募金箱めぐり」

みんつくでは、1円から気軽に寄付ができる仕組みとして、
「募金箱設置プログラム」を実施しています。
この取り組みでは、みんつくの活動にご賛同いただいた店舗・事務所様に、みんつくの募金箱を設置いただき、地域のみなさまにみんつくの活動の周知や寄付機会の提供をしていただいています。

今回はその設置店舗さんの中でも、みんつく事務所のすぐ近く、
総社商店街筋の設置店舗さんを歩いてまわり、
寄付金の回収とみんつくの近況報告等をさせていただきました。


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【 概 要 】

日 時:2025年5月28日(水)

場 所:総社商店街筋周辺

内 容:
・総社商店街筋まちあるき
・募金箱回収、近況情報交換  など

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改めまして、ご協力いただいている店舗・事務所のみなさま
いつも本当にありがとうございます。

募金箱設置場所につきましては、みんつくHPまたは下記URLからご確認いただけますので、
ぜひみなさま探してみてください!


また、新たに募金箱を設置いただける店舗やオフィスも常時募集中です!
ご協力いただける方はぜひお気軽に、みんつく事務局までご相談くださいきらきら



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みんつくでは今後もオンラインも含め様々なイベントを開催していきます。

ぜひご参加ください!


みんつくHPはコチラ

http://mintuku.jp/


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