今年度よりスタートしました「おかやまSA“NPO”」企画!
本企画では、みんつく事務局長の森田ゆーたろーが、岡山県内のNPO団体の活動に実際にお邪魔し、活動内容や地域課題を深掘りして、みなさんへ発信していきます!
記念すべき第1回は、
倉敷市玉島でフリースクールの運営や、妊婦さんへの野菜配布等の活動をされている
「NPO法人 こうのさと」さん!
NPO法人 こうのさとさんは現在、2024年度みんつく冠基金「福祉人財育成基金」の助成金も活用し、フリースクール「竹林のスコレー」の中学部設立に向けて取り組まれています。
現在、クラウドファンディングも実施中!よかったらぜひご一読ください!
▼外部クラファンページ▼(2025年4月30日まで寄付募集中!)
https://readyfor.jp/projects/scole-jr
(※みんつく割り勘事業ではありません)
今回は、みんつくの赤木 代表理事と一緒に、フリースクール「竹林のスコレー」の見学と代表理事の片岡さんへインタビューをさせていただきました!
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訪問日:2025年4月11日(金)
訪問者:赤木(みんつく代表理事)、森田(みんつく事務局長)
場 所:竹林のスコレー(倉敷市玉島陶2970)
訪問先:NPO法人 こうのさと 代表理事 片岡 徹也 さん
団体関連サイト
Instagram :https://www.instagram.com/npo.konosato
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活動概要を教えてください!
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岡山県倉敷市で活動するNPO法人です。
農薬化学肥料不使用で野菜を栽培し、地域の妊婦さんにプレゼントする活動をしています。
また、その活動を通して、平日昼間にお子さんがいるご家庭があることに気づき、不登校児の課題を知ったのがきっかけで、2023年4月に小中学生を対象としたオルタナティブスクール(フリースクール「竹林のスコレー」)を開校しました。
妊婦さんにお野菜を毎週プレゼントすることで、妊娠期間中の孤立を防ぎ、お母さんを通じてお腹の中の赤ちゃんと関係を結び、生まれる瞬間を関わるみんなでお祝いする、祝福されるまちづくりを目指しています。
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@ 取り組む地域課題(活動をはじめたきっかけ)は何ですか?
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青年海外協力隊で小児科医としてグアテマラの保健所で活動をしていた際、病気で苦しんでいる人よりも、国際援助で潤沢な資金提供がなされるワクチン接種が優先される現状を目の当たりにした経験から、人の健康や生命よりも経済合理性が重視される社会への違和感を強く持つようになりました。
本来の「大事なものを大事にする」という原点を思い出し、子どもたちの「よりよく生きる」環境を作っていきたいと思っています。そのためにも、特に下記について課題意識を持っています。
○日々の食事や自然体験から培う自然体力(体温や免疫力など)の弱体化
→ 教育や医療も大切だが、その前提として、健康な体を育むことが何よりも大切である。本来は、自然(土や植物、動物など)に触れたり、食べたりすることを通して体力が培われていくものであるが、近年は開発も進み、その機会が大幅に減少している。
○子育てに孤立や不安を感じる親の増加
→ 核家族化や少子化が進み、子育ての悩みで近くに相談できる人や場所が減少している。
○子どもたちの多様な学び場や自己表現の場の不足
→ 現在、小中高生の自殺者数と不登校児童数が過去最多を更新している。
学校、学童、習い事など、子どもたちは常に大人に管理されている環境にあり、安全だが、すべてにルールがあり、同調性や画一的な評価基準による競争などが求められる傾向にある。多様な学び場や自己表現の場が不足していることが、自己肯定感の低下や社会的孤立につながっていると考える。
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A 活動を通して、どんな未来・社会を目指していますか?
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「その土地に暮らす人々が 安心安全な食を通じて 新しい命の誕生を祝福し、つながりや連帯を実感できるまちづくり」
を目指しています。具体的には、下記のような地域社会の実現を目指します。
・子どもたちをはじめ、地域のすべての人が自然の中で生きる力を育み、自然に触れたり、色々なものを食べる機会を通して、心身共に健康である状態。
・地域コミュニティを構築することで、誰もが孤立や不安を抱えることなく、子どもを育てる社会基盤の強化。
・多様な価値観を受け入れるコミュニティ形成と、そのコミュニティを通して、公教育だけでない、多様な学びの選択肢が存在する状態
・誰もが、人間の原点である「大事なものを大事に」できる社会。
子どもたちの「よりよく生きる」を、大人が学び、次世代へつなげていく。
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B 改めて、現在の活動について教えてください!
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主に下記2事業+1企画を実施しています。
@妊婦さんへ自然栽培の野菜配布
目 的:その土地に産まれる命をその土地に暮らす皆で祝福する文化の醸成。お母さんとのゆるやかな関係性構築による孤立防止、子育て支援。
対象者:倉敷市と近隣の妊婦さん
内 容:農薬化学肥料不使用のお野菜を、登録から産後4回まで継続してお届け。
A竹林のスコレー
目 的:「子どもたち一人ひとりが自分の人生を自分でデザインし、自然の中で培った生きる力を発揮して、仲間と共に新たな未来を切り拓いていく社会」の実現。
対象者:小・中学生
内 容:子どもたちの主体性を重視した、学び場(自然体験や食事、学習、遊びなど)の提供(平日9〜15時開校)。
B倉敷穂井田 竹灯籠まつり
目 的:竹林整備と地域おこし
対象者:地域内外の方どなたでも
内 容:放置竹林の竹を間伐し、竹灯籠にしてお祭りを開催。マルシェやステージ企画も。
(使用後の竹灯籠は燃やして竹炭にし、田畑の土を肥やすため再利用)
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C 今後の展望を教えてください!
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まずは、利用者や継続的な支援者、仲間を増やして、収入面でも自走できる体制をつくっていきたいです。
その上で、耕作放棄地の新規開拓等もしながら、スコレーでの給食食材の時給などを拡充していくことで、妊婦さんへの安定した野菜配布や子どもたちの学びの充実にもつなげていきたいと考えています。
また、こうした取り組みや考えをもっと世の中に広げていくために、認定NPO法人の取得や地域通貨の導入、山村留学、海外向けのエデュケーショナルツーリズムなんかもやってみたいですね。
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【 編集後記 】
竹林のスコレーでは、子どもたちの活き活きとした表情がとても印象的でした。
外作業の時間になると、子どもたちは一斉に外へ駆け出し、誰から指示されるでもなく、それぞれが鶏舎や畑の方へ行き、餌の準備や、小屋の掃除、種まきなどを始めます。周りの大人にたくさん質問もして頼りながら、自分たちで考え、主体的に動いている様子をみて、早速「竹林のスコレー」の本質に触れることができた気がしました。
また、田んぼや畑、鶏、ピアノ、竹灯籠、スコレー修繕などなど、それぞれの活動には地域の方々が技術や知恵を教えに来てくれているそうです。子どもたちにとって多様な大人と関わる機会になることはもちろん、地域の方にとっても、子どもたちに自分の経験を伝えられる、嬉しく貴重な場になっていることも分かりました。(取材の日も、スコレーのスタッフの方々とは別で、地域の方が畑で小道具の準備や子どもたちへのアドバイス等をされていました。)
昔の日本ではこうして、日々の生活の中で自然と地域のつながりができていたんだろうなぁと、納得の瞬間でした。
片岡さんをはじめとするたくさんの方々の熱い思いのもと、学校に行くことが全てではない、子どもたちの新しい選択肢として、そして子どもや若い世代を育てる地域の基盤作りとして、魅力と可能性が詰まった空間で、ワクワクしっぱなしの時間でした
こうのさとさんのこれからますますの発展と、子どもたちの成長が楽しみです!
あたたかく迎えていただいた、片岡さん、こうのさとのみなさん、ありがとうございました。
最後に繰り返しになりますが、現在こうのさとさんはクラウドファンディングで絶賛寄付募集中です!
みなさんぜひ、下記サイトもご一読いただき、ご賛同される方はご参画いかがでしょうか!?
▼外部クラファンページ▼(2025年4月30日まで寄付募集中!)
https://readyfor.jp/projects/scole-jr
(※みんつく割り勘事業ではありません)
以上、「おかやまSA”NPO”」でした!次回もお楽しみに〜
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みんつくでは今後も
寄付を原資とした助成事業をはじめ、
オンラインも含めたイベントなど様々な機会を提供していきます。
ぜひご参加ください!
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