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2009年05月05日

どん底に落ちたアメリカは・・・・したたかな外交を展開して来るだろう(4)

喉元過ぎれば・・・・

                   政治評論家 唐沢 忠雄

 オバマ新大統領は景気対策について九日記者会見で記者の質問を受けたが、議会対策で思惑通りに法案が進まず、共和党側の賛成派が
僅かに三人であり、病気中のケネディ議員に出席してもらえなければ廃案にもなりかねなかったという意外な議会の対応にぶつかった。

 景気対策は対応が遅れると日本の例に見られるように、巨額の財政支出をしたにも拘わらず「失われた十年」を経験せざるを得なかった。
計画通り事が運べば問題はないが、民主党の中からも反対するものもあって、新政権にとって、早くも、議会対策の難しさを露呈した。

 経済対策はアメリカ国民にとって共通の当面の最大課題であるのだが、これがやがてイラン撤退やアフガン問題にも政治的思惑が深くからまっているので、議会内の動きそのものが、連鎖反応を示すのだ。
そればかりではない、イスラエルの総選挙が行われ、総体としては右派勢力が増大し、中道派は辛うじて議席を守ったけれども、圧倒的な議席数を持たず、結局大統領の要請により、連合内閣を形成せざるを得なくなり、どの党を中心に内閣が出来ても、不安定政権になりそうだ。

 オバマ政権にとっては、イスラエルーパレスチナで平和的方向を見出すことができれば、今後の外交や諸々の政策を遂行していく上に大きく役立つのだが、これが裏目に出た。
 政治というものは全く難しいものである。理念だけあっても、事態にからむ生活者は全く反対の立場にあって、生活の基盤が消えてしまうことになれば、理屈はともかく、願望とは別の道を行かざるを得なくなる。
自分の欲しないことにも賛同し行動しなければならなくなる。

 クリントン政権時代、イスラエルのネタ二ヤフ首相とパレスチナ問題を合意に達する可く、実に精力的な交渉を続けた。
クリントン氏にしてみれば二期目の最後の仕上げにどうしても平和的合意を得たかったのだが、ネタニヤフ氏は闘争的性格であり、当然政策もその線に沿ったものであって、連日交渉を重ねたが、遂に合意に至らず、ビル・クリントン氏も無念な思いであきらめざるを得なかった。

 アラファト議長の活動がまだわれわれ遠くに生きている国民にも生き生きと伝わってきた時代のことであったが、領土問題のからまった長い長いいきさつのある交渉の難しさをまざまざと見せつけられたのであった。

2009年05月31日

もはや弥縫策は通らなくなった・・・・バーチャル・マネーゲームを切り捨てよ!

先進国の考えが通らなくなった

      政治評論家 唐沢 忠雄

 今回のアメリカ発の世界金融危機で、アメリカの実体ばかりでなく、世界の実態構造が世界中に知れわたった。
これらの内容について続く先進国首脳会議や異例にも同じ日に二十ヶ国会議が開かれるという忙しさであるがそのまま新興国の発言権の強さや先進国の権威がいかに落ちたかを物語るものでもある。

 その影響がいかに大きく、かつ深刻なものであるかはそれぞれの国に与えたダメージが計り知れないものがあり、従って米側の主張にも拘わらず、各国の抱いた先進国に対する信頼度も今後の対策に対する速度や内容についても、注文や要求が異なって当然といえる。
 この際、一気に主導権を確保し政治的立場を有利に転回しようとする動きなども随所に見られるが、それはそれとして、古い手法の修繕ではなく、根本的な改革が必要なことは政治の指導者はわかっているはずである。

 それを承知の上で規制や根本的対策をなおざりにして、すでに修復のメドは立ったかの如き、一種の弥縫策を講じて、再出発したかの如き手法を用いれば、それはやがて大きな破綻に連動して行くであろうことは、今度の事態の経験をした以上わかっている筈である。
それゆえにオバマ大統領は三月十一日、就任百日間の境までに前政権や議会側との妥協も已むを得ないとして、例えば地域誘導型イヤマーク法の通過を認めざるを得なかった。

 妥協と前進はこの大統領にとって不可欠、重要な戦術であり、今後も繰り返し使われる手法である。
 アメリカの今回落ち込んだ谷間は、資本主義の崩壊をも招きかねない転換期であることは、彗眼のアナリストは指摘している。