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2009年03月04日

どん底に落ちたアメリカは・・・したたかな外交を展開して来るだろう

外交日本確立の好機
        政治評論家 唐沢 忠雄


 ブッシュ氏は適当なことを言って大統領の座を出て行ったが、実に深刻な問題を世界に残していった。
新大統領のオバマ氏やバイデン副大統領は、かつてない熱狂的な歓迎を受けて就任したが、待ち受けている課題は本当に大変なことばかりである。
これまでよくも悪くも世界をリードして来たアメリカにしろ、ヨーロッパ諸国にしろ、大変な経済の落ち込みに直面している。

 FRBのバーナンキ議長はファイナンシャル・クライシスを回避し、それを乗り越えるための研究を行ってきた人であり、次々と起こって来るであろう危機の悪要素を取り除くための手段方法を研究し、世界中の関係筋に手を打ち遺漏のない働きをしている筈であるが、市場は必ずしも思うようにはj反応していない。
それどころか二〇〇九年はさらに一段と底をつき、落ち込みそうだ。

 一月二十六日の夕刊によると、アメリカは一日で六万人の人員整理が行われた。
 六万人である
 
建設、製薬、小売など幅広い分野で整理が加速し雇用不安を一段と強め、個人消費にも深刻な影響が出るかも知れない。
 
キャタピラー・二万人
ファイザー ・一万九千人
スプリント・ネクステル(携帯電話)八千人
テキサスインスツルメント(半導体)三千四百人
ゼネラル・モーターズ・二千人

これらの会社の対応は現在のアメリカばかりでなく、世界に対する深刻な影響を与えているかを物語っている。
勿論オバマ大統領はこれらのことはオバマニューデ−ルの中に組み入れて行くだろう。いかなる天才が収拾に乗り出しても、右から左というわけにはいかない。
アメリカ国民に相当の忍耐を要求することにもなろう。

 しかし、就任早々十六ヶ月以内にイラク撤退を表明、イスラムの人々にアメリカはその敵ではないと言い、先ず相手の言い訳を聞けとイラクやアフガニスタンに派遣した大使にも命令している。
この基本姿勢はオバマ外交を幾つかの分野で停滞させたり、失敗することがあっても、いずれは相手方の理解を得ることになるだろう。

 この点がブッシュ政権とは百八十度ちがうと言うべきだ。たしかに十六ヶ月でイラクから軍を撤退させることについて、異論は存在する。
失敗すればアルカイダーの攻勢に力を与えてしまう危険性があるとする、共和党側や軍部の考え方の現実性はある。

2009年03月13日

どん底に落ちたアメリカは・・・・したたかな外交を展開して来るだろう(2)

麻生政権に降りかかる難題
      
      政治評論家  唐沢 忠雄



 日本では麻生首相が景気浮揚のため懸命に努力しているが、どうも今一世論がまとまらない。
自民党執行部は足下のまとまらないのは一番危険なので、造反者の渡辺喜美氏に対しては刺客を立てるなど最も厳しい対応をすべきであると、刺客の擁立を求めるなど、緊張する場面も見られるが、地元の空気は複雑である。
 逆に渡辺氏が逆刺客を立てれば一万票位取っただけで自民党の候補者が落選してしまうという弱みもある。どういうことになるかは実際に解散にならなければわからないが、失われた政治に対する信頼はただ閉塞感を云々していてもクリアーされるものではなく、一つ一つ問題や部分を改善していく以外に特効薬はない。

 この世界的な大不況については明らかにアメリカから引き起こされているのだが、当のアメリカ国民の危機意識が意外に低いというのも困った現象である。
最も世論調査といっても千人、二千人の解答をもらったものを基礎に発表しているようで、もっと大掛かりな調査をやればまた別の結果が得られるかも知れないが、白人が六十%を占める同国では、黒人大統領が選出されたとしても俄に空気が入れかわるということではないかもしれない。
オバマ氏はフリードマン教授の考え出した環境を土台にしたグリーン作戦を行うようであるが、これは彼らには良くても、効果や成果を得るには中・長期に時間を必要とするから、大衆の乾ききった欲求に全面的に即応出来る性質のものではなかろう。
やはり期待ぶくれにオバマ氏は苦しむことになるだろう。

 オバマ氏のイラクやアフガンに当面している戦争の終結にオバマ外交の成果が見られれば、同大統領に対する信頼度はぐっと高まるだろうが、撤退に反対する勢力も依然強く、それほどやさしい仕事ではない。
日本ではフリードマン教授が確立したとする高度の数学を利用した金融工学を徹底的に解析する学者もいて、同氏の金融工学については誤りがあるとして、経済学部などで花形部門として金融工学を宣伝してきた有名大学でも現在はこの部門を廃止したりしている。

 一日先や一秒先に何が起きるか全くわからない我々人間に将来のリスクを完璧にカバーできる筈がなくそれを高等数学で割り出す、市場原理主義に従わない人々がこの世界には少数派であっても存在する。

 競争原理主義を認めないのである。
競争原理主義は一見、自由で平等、公平のように映るが、実体は市場を牛耳る人々によって誘導操作されていることを知っている。正直で弱者で愚鈍な人々の立場を守ろうとしているのである。
マネーの蹂躙にさんざん曝されて来たアルゼンチンなどはこの間も債務不履行を起こしていたが、彼らはその結果について、抵抗力を備え付けてしまった。
 ドルに痛めつけられるなら自分たちで創った通貨で行こう。或いは最終的にはバーターでもいい、直接物と物を交換して生活する。自分たちの先祖のやって来たことをやって生きればいい。
 人口も少なく、日本のような大国ではないから小回りも利くかもしれないが、彼らは債務不履行もものかわでやっている。



 

 

2009年03月20日

どん底に落ちたアメリカは・・・・したたかな外交を展開して来るだろう(3)

政治家の条件は凄く難しいのだ

             政治評論家 唐沢 忠雄

 IMFや世界銀行も一度やったことはそう簡単には取り消せない。
まして今回は底を見られてしまっている。

 EUも困っている。中東産油国も歩調を合わせていない。名だたるヘッジファンドも行き場を失い、手段を選ばないところに来ている。
日本の中小企業は債権で必ず世界をリードして行くことになるだろうと云われて来たが、二月の決算の数字を見ていると、宝を製造する町工場が工場を閉鎖するかつてないひどい状況に追い込まれているという。
これはなかなか大変なことである。早く政治が気付き、何等かの手を打たなければならない。

 こんなに凄い危機時代には政治や法律が、一体全体、政治や法律が日本国民のため、しかも、弱い立場、希望を失い、荒れた気分になっている多くの人々のことも視野に入れた破格の手段で、極端に言えば超法現的にでも脱出の道を求めなければならない。
いかにも凄い時代に直面したものだ。日本だけがジタ・バタしても始まらない。
オバマ氏が世界中に率直に助けを求めて行く姿勢、外交も、先ず相手の言うことを聞け、そして相手の立場に立って物を考えろという、争いを避ける姿勢は、保守派の反発を買うに違いないが、彼はそれを完全な理性で割り切っている。

 世界の真の平和と回復はこうした生き方以外にはないことをあらゆる角度から研究している。日本の新進気鋭の政治かもそうあってほしい。
言葉の選択の中にそれが現れて来る筈である。
 
 現在麻生首相は「ゆれ動く」ということで与党内部からも突き上げられているが、政治家の資質は本当に若い頃から着実に積み上げていかなければならない、重要で、広く隔たらない豊かな教養や、人格形成に周囲の人々の善意の協力を必要とする。
一国のリーダーはやはり少年時代から培われていかなければならない、真に難しい「人格形成」の重要きわまりない過程である。
 
 長い忍耐のいる重い道である

 そしてその政治家は後戻りの出来ない一度限りの、思案に思案を重ねた最賢明の決断をするのだ。大衆は全体を見ることは下手だ。つい、自分の利益だけに奔る。相当に目覚めて来たとは言え、まだまだ愚昧な面を備えている。

 理性を外れて行動する。そして、群れをなして奈落へ落ち込むものである。
そうあってはならない。