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2009年05月31日

もはや弥縫策は通らなくなった・・・・バーチャル・マネーゲームを切り捨てよ!

先進国の考えが通らなくなった

      政治評論家 唐沢 忠雄

 今回のアメリカ発の世界金融危機で、アメリカの実体ばかりでなく、世界の実態構造が世界中に知れわたった。
これらの内容について続く先進国首脳会議や異例にも同じ日に二十ヶ国会議が開かれるという忙しさであるがそのまま新興国の発言権の強さや先進国の権威がいかに落ちたかを物語るものでもある。

 その影響がいかに大きく、かつ深刻なものであるかはそれぞれの国に与えたダメージが計り知れないものがあり、従って米側の主張にも拘わらず、各国の抱いた先進国に対する信頼度も今後の対策に対する速度や内容についても、注文や要求が異なって当然といえる。
 この際、一気に主導権を確保し政治的立場を有利に転回しようとする動きなども随所に見られるが、それはそれとして、古い手法の修繕ではなく、根本的な改革が必要なことは政治の指導者はわかっているはずである。

 それを承知の上で規制や根本的対策をなおざりにして、すでに修復のメドは立ったかの如き、一種の弥縫策を講じて、再出発したかの如き手法を用いれば、それはやがて大きな破綻に連動して行くであろうことは、今度の事態の経験をした以上わかっている筈である。
それゆえにオバマ大統領は三月十一日、就任百日間の境までに前政権や議会側との妥協も已むを得ないとして、例えば地域誘導型イヤマーク法の通過を認めざるを得なかった。

 妥協と前進はこの大統領にとって不可欠、重要な戦術であり、今後も繰り返し使われる手法である。
 アメリカの今回落ち込んだ谷間は、資本主義の崩壊をも招きかねない転換期であることは、彗眼のアナリストは指摘している。