ホワイトハウスで行われた、日米首脳会談は「歴史上もっとも成熟した二国間関係」と位置付け、ブッシュ大統領が、会談前に語っていた六十一年前を考えると、今日の関係を誰が想像しただろうか?
という述懐にそうだと言わなければならないのだが、小泉首相のいう日米両国が、共同歩調を取っていれば、それが他国との問題解決につながるとの認識は確かに一面の真理を語ってはいるだろうが、日本の立場はそれだけでは足りない。
米国の傘の下にあれば、安全だという認識だけでは不足している。
他国に侵略しておきながら、それを頬冠りして「自由、人権、民主主義、市場経済、法の支配」などの文字が共同文書の中にちりばめられているが、中身について細かに頭を廻らせている文言ではなく、甚だ大ざっぱであり、都合のいい話ばかりである。
本来の同盟は軍事力の大小に拘らず対等でなければならない。
日米地位協定を見直すべきだと、国民の中からも、また議員の中からも要求が出ているが、アメリカは認めようとしない。
こうした片務契約は絶対に直さなければならない。
小泉首相はプレスリーの館で大統領の家族の前でおどけて見せている小泉氏には、毎日イラクで人が死んでいる事実など頭には、全然入っていないのだ。
イラクから自衛隊の撤退を命令したことが多少の救いにはなるが、アメリカの真意というものは戦前からの厳しい外交の数々の事例を見ていれば疑う余地はどこにもない。
日本人は単細胞であるから、また戦後六十年の歳月が流れているという事情もあって、歴史をひもとく余裕もない。
じっくり考えたり、振り返って見るには世の中のテンポがむやみ矢多羅と早すぎる。
勢いに軽薄になってしまう。
2006年07月23日
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