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特定非営利活動法人せんだい・みやぎNPOセンターのブログ
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【まち・むすび助成団体関連情報】大滝代表理事による講演会「作並地区整備基本構想〜屋根のない自然博物館〜の実現を目指して」[2016年02月10日(Wed)]

全国的な大雪に見舞われた2016年1月18日、「作並湯の駅 Lasanta(以下、ラサンタ)」では、当センターの代表理事でもある、東北大学大学院経済学研究科教授 大滝 精一先生による講演会「作並地区整備基本構想〜屋根のない自然博物館〜の実現を目指して」が行われました。

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ラサンタとは、2008年10月19日に開設された観光拠点施設のことで、まち・むすび助成金の助成団体「関山街道フォーラム協議会」の構成団体でもあります。

木の香りが芳しい室内では、約40人の参加者全てにクルミがたっぷり入ったタルトとコーヒーが供され、作並地区のホスピタリティの高さを感じました。

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今回の講演は、大滝先生が会長を務められた「作並地区振興推進会議」の20年前のプロジェクトである「作並地区整備基本構想〜屋根のない自然博物館〜」を、作並振興協会及び作並地区未来プロジェクトの皆様が再発見したのを機に、「この素晴らしいプランをぜひ実現させたい!」という意見が高まり実現したとのことです。

「20年前の話が陽の目を見るとは予想していなかった」と大滝先生の率直なご感想から始まり、自然豊かで伝統が残る作並地区を、3つの基本理念と基本方針に基づいて5つにゾーニングし、それぞれの地域特性を活かしながら、短期・中期・長期のビジョンを策定した経緯が語られました。

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中でも、複雑な地形であることから、地域ごとにバラバラな動きになりそうなところを「無境界」をキーワードに連携を進めるという話には、会場内から感嘆の声が上がっていました。

質疑応答では、作並地区で活動している団体から、「屋根のない自然博物館」構想への共感と、自分たちの活動をどのように繋げられるか、といった声が挙がり、「今度こそ実現させたい」という熱意にあふれていました。

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講演会終了後のお楽しみは、「NPO法人みちのく6次産業プラットホーム」による、りんごチップスや根白石のりんごとゆずを使ったジャムの試食会です。

配合バランスで甘さや食感を変えた3種類のジャムは、パンやクラッカーに塗って食べるだけでなく、ソテーのソースにも使えそうな香りと風味がありました。

また、甘いものが苦手という方には、県産米を使った煎餅も供され、「これは美味しい」「食感が良い」と好評を博していました。

それぞれの商品の特徴や、作り手の苦労話などを伺いながらの試食会は、美味しく、可笑しく、「食の交流」としても充実したひとときでした。

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今回の講演会では、20年前の企画が再発見されたことにより、優れた企画には普遍性があることと、過去には実現できなかったとしても、時代が変われば可能性は開けるという、文字通り「温故知新」の大切さを痛感しました。

作並地域に限らず、どこの地域であっても、積み重ねられた試行錯誤の歴史があります。時に趨勢に飲まれ、時に潮流に合わないと見過ごされた試みは、数知れないのかも知れません。

その一方で、現代の強みは、集積されたデータの解析能力の高さにあると思います。失敗の原因を客観的に捉え、成功の要因を類似性や関連性で分析できる時代になったからこそ、過去の事例を顧みて、再チャレンジする価値があるのではないかと考えさせられました。

また、こうした過去の事例は、当センターの中にも埋没しているのではないかと思われますので、折を見て発掘作業に勤しみ、埃を払って、普段の相談対応でも活用できるようにしようと妙な決意を新たにしました。

今回の取材を通じて、作並地区の自然や歴史の奥深さ、当センターとの不思議な縁について考えさせられると共に、実際に現地に足を運んで当事者意識を持つことの大切さを学びました。余談ですが、大滝先生は、20年前と変わらぬ若々しさで不思議です。(文責:大町事務局 高荷)

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