【まち・むすび助成金】映画「無法松の一生」切り裂かれた十八分・完全復元パフォーマンス仙台公演が行われました[2015年05月27日(Wed)]
「映画『無法松の一生』切り裂かれた十八分・完全復元パフォーマンス仙台公演」は、4月17日の記者会見を経て、5月23日(土)に開催されました。
会場となった宮城野区文化センター・パトナホールには、沢山のシニア世代がご来場になり、ロビーに飾られたチラシや映画の写真を前に、懐かしそうに語り合う姿が見受けられました。
13:30の開演のベルに続き、実行委員長の辻隆一さんから「全国で80回以上行われた本公演が、戦後70年の節目となる今年初めて仙台で行われることに意義がある」と挨拶がありました。
ピアノの生演奏が始まり、その明治時代の唱歌をBGMに映画評論家の白井佳夫さんが登壇。第一部が始まりました。講演では、白井さんが開戦時に中学1年生で神奈川県厚木市に住んでいたことや、ご自身の世代がかろうじて軍国主義の時代を知っていることから本公演の開催を決意し、約30年前から公演を続けていること等が語られました。
照明が落とされ、いよいよ1943年(昭和18年)に公開された映画「無法松の一生」の上映です。
白黒画面に映しだされる昭和初期の町並みや情景に懐かしむ方も多かったらしく、映画の途中で笑いや掛け声がかかることもしばしば。しかし、後半になるにつれ不自然なカット割りが続き、映画が終了しました。
休憩を挟んだ第二部では、再びピアノ曲の中を白井氏が登壇。戦中・戦後の検閲によりカットされた場面についての解説と、失われた場面のシナリオの朗読、主演俳優らのコメント映像などが上映されました。
朗読の途中では、無法松の如く人力車を引く男性が登場。映画の興奮が冷めやらないためか、カメラのフラッシュが次々と光りました。
因みに、この方は、仙台市若林区の会社員、熊谷幸志さんと仰り、大河原町の「一目千本桜」で開かれる桜まつりの期間、人力車を引いていらっしゃるとのことです。
最後は、ピアノ伴奏と共に、参加者全員で唱歌「青葉の風」を合唱し、盛大な拍手に包まれて終了しました。名残惜しそうに会場を立ち去る参加者の皆さんが、大きな声で語り合いながら歩く姿が印象的でした。
(文責:大町事務局 高荷)