【ま ち・むすび助成金】後期選抜試験直前の模擬試験【石巻子ども未来図書館】[2016年04月11日(Mon)]
2016年3月6日(日)の午後3時。JR石巻線渡波駅から徒歩3分の距離にある「石巻子ども未来図書館」では、3日後の県立高校後期選抜試験に向けて、「国語・数学・社会・英語・理科」の順で模擬試験が行われていました。
「A.T.ス タディ・ルーム」と呼ばれる併設の学習塾に入ると、6名の中学生が最後の科目に取り組んでいるところでした。試験が終わり、館長の武山さんから採点と解説が行われると、生徒からは安堵の嘆息や嬌声が上がります。
この学習塾の利用者でもある中学生たちは、震災後、遠方の学校に間借りした仮設校舎で3年間を過ごしていたそうです。慣れないバス通学を強いられ、部活動がままならなかったり、プール授業が無かったりと、世間一般の中学生とは 異なる苦労が続いたにも関わらず、皆さん明るく前向きな様子なのが印象的でした。
1階 が受付とフリースペース、2階が教室と休憩室という構造の「石巻子ども未来図書館」には、その名の通り、あちこちに本棚が置かれています。協働相手の「アジア子ども基 金」から寄贈された絵本から純文学までの幅広い蔵書は、いつでも誰でも借りることができるそうです。本の返却日は特に定めず、子供たちの 自主性に任せているそうですが、皆さん揃って確実に返却してくれるとのこと。
また「アジア子ども基金」の皆さんとは、「万華鏡作り教室」を定期的に開催しているそうです。オリジナルの万華鏡を作れるとのことで、利 用者の子供たちにも高い人気があり、順番待ちが出るのだとか。
他にも、子供たちが学校に行っている平日の昼間には、近隣に住む大人のためにヨガ講座などを開催しており、近隣の方々が集う場としても人 気があるそうです。
子どもだけでなく、大人にも門戸を開く武山さんの「助成金に甘えず、自力の財源で運営していくのが、継続的に運営するためには重要なことです。そろそろ震災復興支援に甘えすぎず、地域の自立に向けて進む時期だと思います」というお言葉には、多くの示唆が含まれていると思われました。
さて、約1年間に渡って「まち・むすび助成金」を担当して参りましたが、今回の記事を持ちまして私の連載は終了となります。加藤哲夫さんの著書や先輩 スタッフの助言にヒントを得ながら、ゼロから仕組みを作り事業を進めて参りましたが、ここまで続けることができましたのは、偏に各団体の 皆様やご覧下さった皆様からの温かい励ましのおかげです。改めまして厚く御礼申し上げると共に、皆様のご健勝と益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。今後どこかでお会いできますことを心から願っております。(文責:大町事務局 高荷)