「被災地での復興支援から」 理事 木村 正樹[2012年07月02日(Mon)]
「被災地での復興支援から」 理事 木村 正樹
3・11から
東日本大震災では、岩手・宮城・福島の太平洋沿岸部を中心とする広いエリアが津波により被災しました。私が常日頃活動するエリア(石巻市・東松島市・女川町)も地震と津波の被害を受け、未曽有の災害となりました。
石巻市は、旧市街地が広範囲にわたり水没し都市機能のすべてがマヒするという事態になりました。女川町は、市街地が津波により壊滅状態になりました。東松島市は、市街地こそ浸水被害で済んだものの、沿岸部の集落は津波により壊滅状態となり、JR線はいまだに復旧していません。
私が関わる石巻市・東松島市のNPOでは、職員1名が津波の犠牲になり、数名の職員は津波により家屋が流失し、親族を亡くすという不幸にも見舞われました。それでも震災後すぐに、役員、職員一人一人が被災したなかから復興への支援活動を始めています。
震災から1年が過ぎ当初の混乱状態から少しづつ復興に向けた取り組みも始まりました。
復興への支援活動に関わりながら、いま私たちができる支援には、市民活動支援、コミュニティ支援、起業支援の3点があるのではないでしょうか。私が関わる東松島市の事例から考えてみました。
1 被災地での市民活動支援
震災当初から、支援をしたい側と支援を受けたい側を結ぶコーディネーターの役割を担う人材や組織の必要性は叫ばれていました。
東松島市においても震災、半年後くらいに市や関係団体の働きかけで、市内で活動しているボランティア団体へ呼びかけを行い、市内での支援活動のための連絡会をつくることになりました。私も設立当初から参加し、事務局を担いながら、現在35団体で活動をしています。
ボランティア団体は、自らの活動の成果を追求しがちで他団体との協調性に欠ける事例も現地で見受けられました。自分勝手な活動に走り過ぎ、結局は被災地にも被災者にも迷惑をかけている事例もあります。
災害時の支援では、ボランティア団体間の連携と地域における担い手組織の設立支援がセットになった支援活動が求められると思います。
2 被災地でのコミュニティ支援
東松島市内の被災者を分けると、津波被害で家屋を失った人、津波被害はあったが家屋になんとか住める人、地震被害で家屋を失った人(少数ですが)、地震被害で家屋の修繕が必要な人など、いくつかの類型に分けることができます。
居住別では、仮設住宅に住む人、みなし仮設(民間借り上げ)に住む人、自力で家屋を修繕しながら住む人(在宅避難者)に分けることもできます。
これらの人々が、従前地でのコミュニティと現在居住地でのコミュニティ、そして将来住む場所でのコミュニティなど、これまでの住まい方とこれからの住まい方の状態により、さまざまなコミュニティへの参加が予想されます。そのひとつひとつを紐とくようなコミュニティ支援が必要です。
それには地域の状況を把握している組織や人材と、外部の専門家とが連携して地域コミュニティに入っていく支援活動が求められると思います。
3 被災地での起業支援
震災により仕事を失った人には、勤め先が被災し、退職や休職中の人、自営業で被災した人(商工業者、農漁業者)など、その人それぞれの事情があり、ひとくくりでは語れない状況があります。
今回の津波被害を受けた地域は、もともと過疎地域だったところが多く、都市部と違いひとつの事業所からの給料だけで生活を成り立たせている人は少数派です。大多数の人は、複数の稼ぎ方を持ち、家族で協力しながら分担して、暮らしを成り立たせています。今回の震災では、そのすべてを失うケースが多く、多少の収入源が確保できても従前のような暮らしにはなかなか戻れない、というジレンマを抱えています。
収入源のひとつひとつを復旧しながら、暮らしに密着したスモールビジネスや相互扶助的なコミュニティビジネスなどを活かした取り組みや支援が必要です。
これからは、被災地それぞれの被災者それぞれの、事情や状況を見ながらの継続的で個別的な支援活動が必要です。併せて定点観測のように、移り変わる状況を常に監視しながら、的確にアドバイスができるような機関や人材の設置や育成も望まれます。

