2020年10月04日
厚生労働省で研修のプレゼンをしました
ハローワーク障害者雇用担当の方に向けた研修でプレゼンをしました。
日時:2020年10月1日(木)14:50〜16:30
場所:厚生労働省(東京都千代田区霞が関)
研修名:発達障害者の就労支援
発表時間:14:50〜15:35、質疑応答 16:10〜16:30
東京都自閉症協会を通してプレゼンの機会を頂きました。
今回はオンラインでリアルタイムにプレゼンを配信しました。
受講者の方たちの顔が見えなかったのが少し残念。
内容の趣旨:これまでに、自閉症(発達障がい)の「障害受容」「障害特性」について知りたい、という支援者の声は多いです。それに対する私の答えを伝える内容でした。
「障害受容」は、精神疾患などの病気や事故で「中途障害」になった人に向けた「社会復帰」支援で使う考え方です。一方の自閉症は生まれつきの特性です。外国人が見知らぬ日本の職場で困惑するのに近いかもしれません。
「障害特性」は一人ひとり異なります。ステレオタイプの「発達障がい」のイメージで関わると支援は必ず失敗します。
自閉症の人ごとに、適性・時間感覚・価値観は異なります。個別支援をするために、彼ら一人一人を「感覚で理解する」ことが必須です。
今回、もう一人の方のプレゼンで「感覚で理解できる支援者と、できない支援者がいる」というお話がありました。この「感覚」は、「自閉症の感覚」です。先ほど、自閉症の「障害特性」は一人ひとり異なる、と書きました。ここでの「自閉症の感覚」は、自閉症の人ごとの特性のことではありません。
「自閉症の感覚」が肌感覚として感じることができないと、知識でカバーしようとします。知識は抽象的で断片的で、支援には不十分です。そのため、ステレオタイプの「発達障がい」のイメージでおぎなおうとします。そして支援は必ず失敗します。
支援者として、その自閉症の人に違和感を感じたら、その違和感は大切にするべきです。その自閉症の人も違和感を感じているかもしれないからです。
「お互いの違和感を乗り越えて、信頼関係を築こう」としてもうまくいかないことが多いです。そのシナリオは支援者の頭の中のシナリオに過ぎないからです。
私自身は、一人ひとりがユニークな自閉症の人に関わることで、自分が広がり・深まっていく経験をしています。これからも、もちろん自閉症の人と関わり続けたいです。